攻殻機動隊ARISE2:完成披露に声優陣ら登場 「プロダクション史上ベストの出来」

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 アニメ「攻殻機動隊」の最新シリーズ第2弾となる劇場版アニメ「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers」の完成披露上映会が18日、東京都内で開催された。本編上映後、黄瀬和哉総監督、シリーズ構成・脚本を担当する作家の冲方丁(うぶかた・とう)さん、竹内敦志監督、声優の松田健一郎さんと中國卓郎さん、製作を手がけるプロダクションI.Gの石川光久社長が舞台あいさつに登場。黄瀬総監督が「すごく面白かった」と手応えを語れば、石川社長は「プロダクションI.G史上でもアクション映画としては『border:2』がベスト。これを作ったスタッフを本当に褒めてあげたい」と絶賛した。

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 「攻殻機動隊ARISE」は、近未来の電脳化社会を舞台に架空の公安組織を描いたアニメ「攻殻機動隊」の最新作で、黄瀬総監督の元、アニメーション制作はプロダクションI.G、冲方さんが脚本と構成を担当し、原作者の士郎正宗さんもプロジェクトに参加。謎に包まれた全身サイボーグのヒロイン・草薙素子(くさなぎ・もとこ)の知られざるエピソードを全4部作で描く。シリーズ2作目となる今作では、竹内さんが監督を務めた。

 今作をベストとした理由について石川社長は「実写を追い越すような作品をずっと作りたいと歩んできましたが、この映像を見て違うなと思いました。実写がアニメに追いつこうとしているんだと、ハリウッドであれ、この映像を実写で何とか作ろうとしてきた流れがある。今日、映像を見て確信に変わりました」と語った。黄瀬総監督も「今回はかなりの作業を(竹内監督に)任せていたので、初号を見て仕上がりに驚きました」と賛辞を贈ると、舞台あいさつが初めてという竹内監督は緊張の面持ちで「(黄瀬総監督と冲方の)お二人の胸を借りるつもりで作りました」と謙遜しながらも、「内容的には少し背伸びした形で作りました。参加されたいろいろな方々のお陰でここままでこられたので楽しんでいただけたらと思います」と語った。

 前作が振り出しの物語だったのに対し「border:2」の役割に関して、黄瀬総監督は「とりあえずは9課のメンバーを集めないと、というのが一番大きかった。9課に割いている話数もないので2話でいいかと……」と冗談交じりに語った。監督の発言を受けて冲方さんは「限られた尺なので、“9課対9課”にすれば(キャラクターを)一度に出せるというのがありました。見たことがあるようで実はないものをピックアップしてシーン作りに加えています」と解説。続けて「ヒーローを作るには“彼もしくは彼女にしか解決できない状況”が必要ですが、サイバーパンクの世界ではハッキングを介して、社会対個人という状況が実現できるのが強みです」と語った。

 新シリーズではキャストを一新したことも話題を集めたが、もともと「攻殻機動隊」のファンだったというバトー役の松田さんは「とんでもないことになっちゃった」と役が決まった時の心境を振り返り、「今でも信じられない気持ちです」と明かした。今作からの参加となったサイトー役の中國さんは「転校生のような気持ちで収録に入りました。みんな難しいせりふが多いのですが、サイトーは悪態をついていればいいのでよかったです」と笑顔を見せた。

 新シリーズ第2話となる「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers」は、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で、30日から2週間限定公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

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