注目映画紹介:「劇場版 TIGER & BUNNY−The Rising−」 テレビ版の数カ月後描く

(c)SUNRISE/T&B MOVIE PARTNERS
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 2011年にテレビ放送された人気を博したアニメ「TIGER & BUNNY(タイバニ)」の劇場版アニメ第2弾「劇場版 TIGER & BUNNY−The Rising−」(米たにヨシトモ監督)が8日に公開された。「タイバニ」は“NEXT”と呼ばれる特殊能力者たちが、スポンサーロゴを背負い事件解決や人命救助など街を守る異色のヒーローが活躍するテレビアニメ。2012年9月には劇場版第1作「−The Beginning−」が公開された。劇場版第2作はテレビシリーズの“その後”の物語が展開する完全新作。一度は引退したが再びヒーローとして復活した、ワイルドタイガーとバーナビー・ブルックスJr.といった従来のキャラクターだけでなく、新規キャラクターも多数登場し、新たな難事件へと挑む。

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 一度は引退を決意したもののヒーローに復帰したワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹(声・平田広明さん)は、相棒のバーナビー・ブルックス Jr.(声・森田成一さん)と、2部リーグのヒーローとして活動していた。バーナビーは1部リーグで活躍するメンバーたちの姿を見て、1部に復帰したいともらし、虎徹は複雑な思いを抱く。一方、2人が所属する「アポロンメディア」の新オーナーとなったマーク・シュナイダーは、バーナビーを1部リーグに昇格させ、自身がスカウトした新ヒーローのゴールデン・ライアンとコンビを組ませる。時を同じくして、シュテルンビルトの街に古くから伝わる女神の影が現れたのを機に、奇妙な事件が起き始める……という展開。

 テレビシリーズを見た人にとっては、実に“タイバニ”らしいストーリーで、やや王道過ぎる展開ながらも、小ネタにいたるまで存分に楽しませてくれる。スポンサーロゴが入ったヒーロースーツで戦うのも異色なら、能力が衰え、相棒のことを考えて身を引くという人間くさいヒーローの姿を描いてしまうところも異色でなんとも心憎い演出だ。そんな虎徹の姿には、そこはかとなく“中年の悲哀”が漂い、心をつかまれる。キャラクター原案・ヒーローデザインを手がける桂正和さんによる個性豊かなキャラクターたちは、主役の2人だけでなく、それぞれが役割をこなしつつおのおのにスポットが当たるという人間ドラマの部分も充実。動体視力が追いつかないほどの速さのアクションは迫力満点で、ヒーローものとしての痛快さを心ゆくまで味わえる。冒頭にダイジェストがあるため、初見でもスカッと楽しめるだろう。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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