水曜日のダウンタウン
名探偵津田 第3話 怪盗vs名探偵~狙われた白鳥の歌~
12月18日(水)放送分
国の威信をかけて選手たちが戦う、男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ」。強豪カナダを破り、初めて日本を世界8強に導いた男子テニス日本代表・植田実監督に密着したドキュメンタリー「男子テニス日本代表監督・植田実 コートサイドから歴史をつなぐ」が14日、WOWOWで放送される。
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2年ぶりにワールドグループ復帰を果たした日本は、1月31日~2月2日に行われたワールドグループ1回戦で、昨年ベスト4のカナダと対戦。日本はエース・錦織圭選手の活躍もあり、4−1で勝利し、初めてベスト8に進出した。この“歴史的一戦”で解説を務め、自身もデビスカップで戦った経験のある元プロテニスプレーヤーの松岡修造さんに、植田監督の采配や勝負の分かれ目について聞いた。
−−カナダ戦の勝利の要因を挙げてください。
植田監督なくしては、この勝利は絶対なかったと思います。植田監督は、日本のテニスを変えるために、大きな改革をどんどんやっていました。変えることには恐怖が伴いますが、勇気を持って改革に取り組まれていました。
テニス選手は普段は個人戦を戦い、世界中のツアーを回っています。代表選手となかなかコミュニケーションが取りにくい状況でも、植田監督は選手と交流をしてきました。そんな植田監督の「テニスのためならなんでもやる」「テニスにすべてをかけている」という思いが選手に伝わったことが、日本を勝利に導いたのではないでしょうか。すべての準備、何があっても「俺に任せればいいんだ」という植田監督の力が大きかったと思います。
−−植田監督の印象は?
植田監督は、冷静に分析する力、チームのトレーナー、スタッフ全体を見ることができる力、そして、決断力を持った監督だと思います。誰を選手として使うか、例えば、今回の、錦織選手をダブルスで使うという決断。これは錦織選手が植田監督を相当信頼しているから実現できたことです。そのような関係を作り上げてきたことが大きいのです。日本中をどれだけ探しても日本のテニスのために死んでもいいとあれだけ思っている人は、植田監督のほかにはいない。本当にいい人が日本代表チームの監督になってくれたと思っています。
−−ダブルスへの錦織選手・内山靖崇選手ペアの起用が勝負の大きな分かれ目となりました。
僕も、錦織選手と内山選手のペアでダブルスを戦ってほしいと思っていました。植田監督も錦織選手を3試合投入しないと、日本の未来はないと思っていたはずです。これまでは、錦織選手のケガなどでその采配が実現できませんでしたが、今回は錦織選手が「準備ができている」という状況があったので実現できました。そして一番のポイントは、内山選手の起用だと思います。昨年のプレーオフのコロンビア戦をはじめ、日本代表チームがデビスカップの厳しい戦いを経験してきた中で、内山選手をこの試合に投入できるのか、難しい判断だったと思います。他の監督だったら今回の代表に選考していない可能性が大きいです。しかし植田監督は内山選手を信じて代表に選び、この試合に起用しました。この決断が今回の日本の勝利につながったポイントだと思います。
−−内山選手が選ばれたことによって、伊藤竜馬選手がチームから漏れました。
シングルのナンバー2を考えると、添田選手と伊藤選手がいます。判断方法は、ランキングというより、誰を使いたいかであったり、そのときに誰の調子がいいかであったりします。その中で、ダブルスを勝ちにいくために、植田監督は内山選手を選んだのだと思います。ネスター(元ダブルス世界ランキング1位)が率いるとても強いカナダのダブルスに対して、「絶対勝ちにいく」という選手起用をするとは誰も予想していませんでした。嫌な言い方をすれば、ダブルスではなく、シングルスで3勝を狙うという計算もありました。そのように考えたときには、内山選手は選ばれていなかったはずです。また、植田監督は将来的なことまで考えて、絶対に内山選手を代表チームに入れる必要があると決断したと思います。そして今回勝ったことで、日本代表がダブルスでも、デビスカップのワールドグループで戦えることを示せました。それが一番大きいです。シングルだけの3勝で勝ち進むのと、ダブルスを含めた勝利とでは、その価値が全然違います。日本代表が新しい一歩を踏み出したという印象です。
−−1992~93年の福井烈監督、植田コーチ時代に松岡さんも日本代表選手としてデビスカップを戦いました。その頃の植田監督の印象はいかがでしたか?
植田監督(当時はコーチ)は理にかなったことをしていないととても怒る人でした。「日本代表選手」ということ、その使命をすごく注入してくれた人でした。監督となられた今もされています。それは「日本代表選手」が、ただ単にテニスがうまければいいということではなく、普段の行動などを含めて「日本代表選手」である、ということでした。それを(当時の)福井監督と一緒になって伝えてくれました。
今、植田監督の後ろには福井さんがいます。実際のチームの中にはいませんが、僕の心の中では、福井さんが植田監督と一緒にいるのです。そういう意味でも植田監督が今までの日本のデビスカップの思いを引き継いでいらっしゃると思います。そして植田監督は、今まで築き上げてきた日本の歴史というものを、とても大事にする人です。だから今回の試合でも、日本の未来ということをすごく考えていました。私が植田監督に一番感謝しているのはジュニアの選手を代表チームに帯同してくれたことです。このことによって彼らの夢が、ワールドグループ出場ではなく、デビスカップで世界一になるということに変わったと思います。彼らのプロ人生が今日の勝利を目の前で見たことで変わったと思います。テレビやフェンスの後ろでもなく、コートサイドで代表チームと一緒に試合を見られたことが大きいのです。このような取り組みからも、今の日本代表チームだけでなく、将来につなげていくということを植田監督は考えていらっしゃると思っています。
−−この勝利で日本代表チームは、4月の準々決勝に進みます。
ダブルスに勝利して準々決勝に進んだことで、何かが変わりました。「デビスカップで勝つ」という雰囲気に、私たちの、そして日本代表チームの意識が変わりました。ファンの皆様にもその気持ちで日本代表チームを応援してほしいです。「みんなでより高いところを目指していこう」−−4月のデビスカップはそのような試合になると思います。
*……ノンフィクションW「男子テニス日本代表監督・植田実 コートサイドから歴史をつなぐ」はWOWOWプライムで14日午後10時に放送される。またWOWOWでは、女子テニスの国別対抗戦「フェドカップ」の2014年ワールドグループ1回戦のハイライトを15日午後4時半、新旧名選手たちによるスペシャルマッチが楽しめる「夢の競演!ワールド・テニス・デー 2014」を3月9日午前10時半からWOWOWライブで放送し、デビスカップのワールドグループ準々決勝「日本対チェコ」の模様を4月4~6日に連日生中継する。
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2024年12月22日 03:00時点
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