黒木華:ベルリンから凱旋帰国 海外作品にも意欲

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 第64回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した女優の黒木華(はる)さんが17日、ベルリンから帰国して喜びを語った。成田空港(千葉県成田市)で行われた凱旋(がいせん)会見で、黒木さんは「出国前は(賞をもらえるとは)思っていなかった。ただ山田洋次監督に連れて行っていただけるのがうれしかった。賞までいただけてありがたいな」と、喜びを語り、今後の女優業については「海外のチャンスがあればチャレンジしていきたい」と、海外作品への意欲も見せた。

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 黒のワンピース姿でトロフィーを持って登場した黒木さんは、会見に集まった報道陣のカメラのフラッシュに驚きながらも「実感はまだあまりないんです」とはにかみ、「私が大きなことをしたわけではない。山田監督が(当時のことを)忘れてほしくないという思いで撮った映画。私は女性なのでそこを評価して(女優賞を)くださったことがうれしいです」と謙虚に語った。周囲の反応は「母と父に電話して、喜んでくれているんですけれど、あまり実感がないらしく、『なんかすごいね』と、言われました」と苦笑し、「(女優)スタートのきっかけが野田(秀樹)さんで、コメントをいただけたのでうれしかったですね」と笑顔を見せた。

 受賞については「私の人生に大きく関わってくるとは思うんですけれど、変に気にせず、これからも舞台、ドラマと頑張っていければ」と受け止めたが、初めての海外の映画祭で「いろんな監督さんを見ることができた」といい、「元々変わらずお芝居自体は好きなので、海外の機会があればいつでも。(視野が広がった?)ちょっとだけですかね。英語もしゃべれないので勉強しようと思いました。ほんの少しだけですけれど、大きい経験でした」と、振り返っていた。

 黒木さんが出演した「小さいおうち」は、作家・中島京子さんの直木賞受賞作を山田監督が映画化した作品。東京郊外で起こった男女の恋愛事件の真実を、昭和と平成の二つの時代を通して描くラブストーリー。黒木さんは、1936(昭和11)年に、松たか子さん演じる平井時子の家に奉公した布宮タキを演じた。映画は、同映画祭のコンペティション部門に出品され、黒木さんは「演技力が群を抜いていた」と評価された。日本人の最優秀女優賞は左幸子さん(1964年)、田中絹代さん(75年)、寺島しのぶさん(2010年)以来4年ぶりで4人目、最年少での受賞となった。

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