渡辺俊美:震災ドキュメンタリーで初のナレーションに挑戦 「伝えることが役目」

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 ヒップホップバンド「TOKYO No.1 SOUL SET」のボーカルで「猪苗代湖ズ」のメンバーでもある渡辺俊美さんがWOWOWの「ノンフィクションW」で14日午後10時から放送される「135人のオーケストラ~福島に響け!ぼくたちのメロディ」で初のナレーションに挑戦した。渡辺さんは12日に収録を行い、収録後に話を聞くと「被災地の声を伝えることが自分の役目」と語った。

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 「135人のオーケストラ~福島に響け!ぼくたちのメロディ」は、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県相馬市の子供たちの心を音楽によって取り戻そうとするプロジェクトに密着したドキュメンタリー。

 渡辺さんは、ナレーションの話を聞いたときは「うまくできるのだろうか」と思ったという。しかし、すぐに「うまくできるのかではなくて、どうして自分がやるのかという意味を考えるようになった」と振り返り、「うまいとか下手の話だったら、自分よりいくらでもうまい人やプロがいるわけだから。自分が何のためにやるのかっていう意味を考えたかった」と話した。

 震災からちょうど3年を迎えた11日、渡辺さんは自身が育った町でもある福島県富岡町の住民が住む仮設住宅を訪れた。「住民の方から『おれらの声がいつになったら届くんだ。声を伝える役割はお前らじゃないのか』と怒られまして。最後はその方と話をして抱き合って帰ってきたんですけれど、『今も苦しんでいる』という声を伝えてほしいと言われ、それが僕の役割なんだと思いました。その後の一発目の仕事がこの(ナレーションの)仕事だったんです」と明かした。

 番組ではオーケストラに参加することで、次の一歩を踏み出そうとする子供たちの姿が描かれる。渡辺さんは「スポーツでも何でもいい。友達と同じ方向を向いて何か一つのことをやるということで不安がやわらぐんじゃないかな。音楽を奏でることで夢とか希望という遠くにあったものが近くに感じられる。遠くにあると思っていた夢とか希望って意外と近くにあるんだなって思ってくれればいいし、僕にとっての音楽もそういうもの」と力を込める。そして「何らかの声だったり、子供たちの思いが番組を通して伝われば」とナレーションに込めた思いを語った。

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