Youは何しに日本へ?:外国人直撃番組が好調 番組Pが語る人気の秘密

「Youは何しに日本へ?」のMCを務めるお笑いコンビ「バナナマン」の設楽統さん(左)と日村勇紀さん=テレビ東京提供
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「Youは何しに日本へ?」のMCを務めるお笑いコンビ「バナナマン」の設楽統さん(左)と日村勇紀さん=テレビ東京提供

 日本人はとかく日本が外国人からどう見られているか気になる民族である。日本を訪れた外国人を空港で迎えて「Youは何しに日本へ?」と直撃取材する、お笑いコンビ「バナナマン」がMCを務めるテレビ東京のバラエティー番組「Youは何しに日本へ?」が好調だ。2013年4月にゴールデンに昇格してから視聴率は右肩上がりで、11%以上(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録する週もあり“急成長”を遂げている。ひたすら外国人にインタビューする番組が支持される理由を、番組の村上徹夫プロデューサーに聞いた。

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 番組は、空港にいる外国人(YOU)にガチで直撃取材し、面白い外国人がいればそのまま密着して、どうなるかわからないまま進んでいくというドキュメントバラエティー。12年6月と10月に特別番組が放送され好評だったことから、13年1月に深夜枠でレギュラー化。同年4月にはゴールデン進出を果たした。日本語学校で「YOUはなぜ日本語を学びに?」、秘境で「YOUはなぜ秘境に?」といった質問をするコーナーも随時放送されており、毎週月曜午後6時57分から放送中だ。

 「日本を訪れる外国人が増えてきて、日本人と違う価値観だという報道が増えていた。そんな中、(それについて調べる)2時間番組ができないかというところからスタートした」と番組のきっかけについて語る村上プロデューサー。編成サイドから「実際に空港でロケだけしてみたら」と言われ、インタビューしたら面白かった。いきなり「都会でキャンプしたい」という外国人がいたり、想定外な回答が多く、「いい意味で裏切られた」「日本再発見になる」と確信したという。

 平均視聴率は、深夜でレギュラー化された13年1月クールは2.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったが、ゴールデンに昇格した13年4月は6.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ、18時台は含まず)に跳ね、その後も回を追うごとに上げ、13年上期が7.4%(同)、下期が9.2%(同)と右肩上がりで、今では11%以上を記録することもあるほどだ。

 突撃・直撃番組といえば、1990年代に一世を風靡(ふうび)した「電波少年」が有名だが、この番組は、「すげー」「サンキュー」など簡単な言葉を用いたボビー・オロゴンさんの「ナレーション」など、番組自体は“ゆるい”雰囲気を醸し出している。ゴールデンに進出した今も番組の収録はスタジオを使わず会議室で行っており、村上プロデューサーは「作るときの精神と番組が連動する。(収録時の)気分って大きい」と“手作り感”を大事にしている。

 こうした“手作り感”も魅力のひとつだが、番組に登場するYOUの存在も大きい。行き当たりばったりにヒッチハイクで温泉巡りの旅を計画する“いいキャラ”をしたYOU、モデルのミランダ・カーさんといったときおり登場する“大物有名人”のYOUなど、さまざまな外国人が登場。「(放送されるインタビューは)20人に聞いて1人くらいの割合。100人に1人くらいの割合で密着している」と“ガチ取材”ぶりを明かす。

 取材に出るのは、制作チーム3社。週に2回、1週間ごとに空港に行っているといい、1回のロケで3班が一日がかりで空港でのインタビューに励んでいる。一時は「密着OK」と言われた相手でも、相手の都合によって密着できなくなってしまうこともあれば、年越しする様子を密着しているのに、年越し場所の撮影許可が下りず、撮影できなかったこともある。「効率では作れない番組」という村上プロデューサーは「とりあえずついていく番組なので、驚くことはたくさん出てくる」と話す。

 番組では、「いかに現場の気分をテレビに乗せるか」を大切にしていることから、密着してもいいかどうかなどの交渉を行うディレクターの「しゃべり」をそのまま放送。若い世代から60代以上まで、幅広い層に番組が支持される理由について、「現場にいるスタッフの気持ちを視聴者が体感しているところが他の番組とちがうのでは」と分析する。「久々におやじとテレビの趣味があった」という声も届いているといい、「1、2年で終わらせたくない。できるところまで長く続けていきたい」と意欲的。今後の“YOU”に注目だ。

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