綾瀬はるか:ルーブル美術館で居眠り? 「万能鑑定士Q」完成披露で松坂桃李が暴露

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 累計400万部の売り上げを誇る松岡圭祐さんのミステリー小説「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズが映画化され、「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」として5月31日から全国公開される。このほど東京都内のホテルで完成披露会見が開かれ、主演の綾瀬はるかさんをはじめ、出演した松坂桃李さん、初音映莉子さん、村上弘明さん、メガホンをとった佐藤信介監督が登場した。日本映画としては初めてパリのルーブル美術館で本格撮影されるなど、佐藤監督が「比類のない、見たことのないような謎に包まれた作品になった」と自信を見せる今作。会見では、ルーブル美術館での撮影で印象的な出来事を聞かれた松坂さんが、綾瀬さんが館内のフロアで「お眠りになっていた」ことを暴露。司会者に「ほんとですか?」と突っ込まれた綾瀬さんが「ほんとなんですけど……。いやいや、寝ていられた方、あと何人かいらっしゃいました(笑い)。最初は(警備が)すごく厳しかったんですよね。でも(だんだん)警備の人もいらっしゃらなくなって、結構自由な空間になっていって……」と言い訳し、会場の笑いを誘った。

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 映画「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」は、綾瀬さんふんする“天才鑑定士”凜田莉子(りんだ・りこ)が、名画「モナ・リザ」に隠された謎と、贋作(がんさく)をめぐる陰謀に巻き込まれながら真相に迫る……というストーリー。松坂さんが演じるのは、莉子とともにモナ・リザの謎に迫る雑誌編集者の小笠原悠斗役。ほかに、莉子を今回のミステリアスな事件に誘うきっかけを与えるルーブル美術館アジア圏代理人兼調査員の朝比奈役を村上さんが、莉子とともにルーブルの臨時学芸員選抜試験を受ける絵画鑑定のプロ、流泉寺美沙(りゅうせんじ・みさ)を、初音さんが演じている。

 役作りについて、綾瀬さんは「(莉子は)すごく抜けているところがある天真らんまんな女性だったので、鑑定するときはスイッチが入ったようにバーッとしゃべり出すところの切り替えを意識した」と話し、また、松坂さんは「服のヨレ感や姿勢、しゃべる感じ」などを「(雑誌編集者を)ちょっと意識」して小笠原を演じていたという。

 設定上、莉子は高校時代の成績は万年最下位で、卒業後上京し、そこで独特の暗記法を習得し、百科事典なみの知識を身に着け万能鑑定士になったという背景がある。「綾瀬さん自身は、高校生のころと現在の万能鑑定士と、どちらの莉子に近いか」と聞かれた綾瀬さんは、「そうですね……高校生の方とはいいたくないですが、高校生寄りかと思います」と笑顔で答えた。すると松坂さんは「そんなことはないんですけど」とフォローしたした上で、「莉子が鑑定物を目の前にしたときと、綾瀬さんがカメラの前に立ったときのスイッチがパンと切り替わる瞬間が非常にリンクしているのはとても感じました」と、綾瀬さんの集中力の高さと、今回の莉子役のキャスティングが“正解”だったことを強調。また、やはり綾瀬さんと初共演だった初音さんについて、綾瀬さんが「お会いしたときから魅力的な方だな、話してみたいなとこっそり思っていた」こと、「話せば話すほど魅力的で面白く、独特の自分のペースをお持ちだった」と評すると、初音さんも「綾瀬さんの方が私よりも大先輩」とした上で、「ご自分の(出演する)カットではないときも現場のそばにいつもいて、スタッフや共演者に温かく包むようなまなざしを向けてらした。俳優としても女性としてもすごく魅力的な方」と言葉を返し、互いを認め合っていた。

 会見では、莉子が鑑定士であることから、「人に負けない鑑定能力、あってほしい鑑定能力は?」という質問も飛び出した。これに対し、村上さんは時代劇への出演が多いことから「刀の鑑定ができたらいい。(刀は)たたけばたたくほどしなやかになる。人もそうなのかな」とさすがベテランらしい深みのある答え。一方、初音さんは「アボカドの熟し具合を完璧に見分けられます」と胸を張り、また松坂さんは、「化石が好きなので、発掘したときにそれがいつの時代のものかを読み取れるようになれたら」と答えた。さらに綾瀬さんは「たまに外れることがあるんですけど」と断った上で、「前髪を切った方、メガネが変わった方など、周りにいる方のちょっとした変化にすぐ気付きます」と明かし、役柄同様、鋭い観察眼の持ち主という顔をのぞかせていた。そんな綾瀬さんを佐藤監督は「僕のいろんな無理難題を、スポーツ選手のようにすべて打ち返してくれる。非常にいい腕を持たれている役者さん。ほんわかしたナチュラル派に見えて非常にテクニシャン」と語り、綾瀬さんを照れ笑いさせていた。

 タイトルにある通り、モナ・リザが中心的役割を担った今作。そのため佐藤監督は、本物らしく見えるよう、スタッフとあらゆる検証をしながらコンピューターグラフィックスを使うなどいろんな手法でモナ・リザを撮っていったという。「ここまでモナ・リザを執拗(しつよう)に、意欲的に突っ込んで描いた作品は世界ではめずらしいと思います。ぜひ見ていただければ」と作品をアピールした。

 会見後の写真撮影では、舞台に設置された“モナ・リザ”の目がギョロッと動き“カメラ目線”になる趣向も凝らされ、これには監督もキャストも驚いたり、笑ったりしていた。映画は5月31日から全国で公開。

(取材・文・撮影:りんたいこ)

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