トム・クルーズさん主演のSFアクション大作「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が、7月4日に全国で公開される。映画は、桜坂洋さんのライトノベル「All You Need Is Kill(オール・ユー・ニード・イズ・キル)」が原作で、同じ1日を繰り返し生きる、いわゆる“タイムループ”の世界にはまりこんでしまった一人の兵士が、未知の侵略者に立ち向かいながら愛する人を守り抜こうとする姿を描いている。主人公を演じているのがクルーズさんで、「プラダを着た悪魔」(2006年)、「アジャストメント」(11年)のエミリー・ブラントさんが共演者に名を連ねる。メガホンをとったのは「ボーン・アイデンティティー」(02年)、「Mr.&Mrs.スミス」(05年)などの作品で知られるダグ・ライマン監督だ。3月に来日した際、ライマン監督に話を聞いた。
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−−原作ファンにはどのようなところをアピールしますか。
原作にある大きなテーマはすべて入っている。中でも一番大きなものは、同じ1日を繰り返す中で、愛する女性を死なせずにいられるかということ。原作を読んだとき、ものすごく挑発的なアイデアだと思ったよ。アクションが間近に見られるところも原作ファンにとっては見どころだ。それから敵の造形。強力で素早い動きの倒しにくいヤツが相手なんだ。それを肌で感じられるところが、映画の面白さだね。
−−原作とはどのようなところが違いますか。
少し前に原作を読んでいたら、変更点は分からないかもしれない。もちろん、大きな違いには気付くだろう。例えば、原作では主人公は18歳ぐらいの設定だが、映画では年齢を上げている。それは、主人公の“旅”、変化の過程をもう少し描きたかったからだ。トム・クルーズという俳優にその役目を託してね。主人公は、多くの人を徴兵する仕事に就き、自分が前線で戦うことはなかった。しかし、自分が前線に行くことになり、原作以上に彼の旅が大きくなっていくんだ。
−−ヒロイックなイメージのクルーズさんに“普通の男”を演じさせることにやりにくさは感じませんでしたか。
まあ、トム・クルーズは映画界屈指のビッグスターだからね。そのことが “足かせ”になることもあるよ。みんなは、彼が演じることで、主人公のウィリアム・ケイジはヒーローだと期待する。それをあえて逆手にとって“操作する”楽しさが、今回の作品にはあった。映画の冒頭で、彼は人々に向かって「兵士の仕事は戦うことだ」と話している。それを見た誰もが、「これこそ、みんなが愛するトム・クルーズだ!」と思う。でも次のシーンでは、それが単なる“見せかけ”であることに気づくんだ。観客の期待は見事にそこで裏切られ、トム・クルーズの映画はこういうものだという“常識”が覆されるんだ。
−−タイムループの中で俳優たちは、同じシーンを何度も繰り返し演じるわけですが、演出しながら混乱することはなかったのですか。
まさにその点で僕は、トム・クルーズの有能さというのをこの映画で発見した。1日が、いつも同じように進む。変わるのは唯一彼だけ。彼が違う行動をとるから周囲の人も影響を受け、違う反応をすることになる。ちょうど(黒澤明監督の)「羅生門」のように、同じ日なのに、違う視点で物事を見ることになるんだ。確かに、トムのキャラクターが何か違うことをしない限り、ほかの役者はせりふもボディランゲージもきっちり前と同じにしなければならない。それはチャレンジングなことだったよ。
−−俳優の動きが少しでも前のものと違えば、撮り直しになるわけですね。
そう。だからときどき、まったく同じ動きを再現できないと判断したシークエンスでは、何台かカメラを据えて撮った。すると、視点は違っても動きはまったく同じになるからね。
−−今作のプロデューサーであるアーウィン・ストフさんが、あなたの作品「Mr.&Mrs.スミス」はスパイ映画ではなく現代の夫婦の話であり、「ボーン・アイデンティティー」は、自分探しの映画であると表現していました。あなた自身、今回の作品にはどんなキャッチフレーズをつけますか。
これは、責任についての物語だ。一人の人間が世の中を変えることができるか。低い階級の兵士が、軍の中で状況を変えることができるか、戦いの結末を変えることができるか。そういうことを描いている。最初、トムが演じる主人公は、自慢げにいろんな話をしているが、実はとても臆病な人間で、その彼が成長していき、行動が英雄的になり、寡黙になっていく。1日が繰り返される中で、唯一変わるのはその主人公だけだとしたら、自分を変えることで、どれだけ周囲にドラマチックな変化をもたらすことができるか。他人を変えることはできないが自分を変えることはできる……それは僕の人生哲学でもあるんだけれど、そういうことを一番語りたかった。そこで、キャッチフレーズだが、この作品に付けるとするなら、「エイリアンを使って人間の話をしている作品」。つまり、とても人間味のあるストーリーだということだ。
<プロフィル>
1965年生まれ、米ニューヨーク州出身。「キル・ミー・テンダー」(94年)、「スウィンガーズ」(96年)、「go」(99年)をへて、自ら映画化権獲得に動いたロバート・ラドラムさんの小説の映画化「ボーン・アイディンティティー」(2002年)が大ヒット。シリーズ第2弾「ボーン・スプレマシー」(04年)、第3弾「ボーン・アルティメイタム」(07年)では製作総指揮を務めた。ほかに「Mr.&Mrs.スミス」(05年)、「ジャンパー」(08年)などを監督。テレビドラマの製作総指揮としても活躍しており、作品に「The O.C.」(03~04年)、「SUITS/スーツ」(11~14年)、「コバート・アフェア」(10~13年)などがある。
(取材・文:りんたいこ)
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