あばれる君:まじめ君、がんばる君に改名検討? いまさら聞けないネクストブレーク芸人

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 最近テレビやCMでちょくちょく見かけるけれど、実はあんまりよく知らない……。そんな、いまさら聞けない“ネクストブレーク芸人”の基礎知識を、本人の言葉を交えて紹介する。今回はピン芸人のあばれる君だ。数々のネタ見せ番組で知名度を上げ、バラエティー番組などでのレギュラー出演を増やし、初のベストネタDVDを発売するなど、今まさにブレーク中。芸名の由来や今後の夢など、その素顔に迫った。

ウナギノボリ

 ◇あばれる君とは?

 ワタナベエンターテインメントに所属しているピン芸人で、1986年9月25日生まれ、福島県出身のA型。趣味は、PS3と飲み歩き、特技はフリースタイル(即興ラップ)と登山。ワタナベコメディスクール第9期卒業生で、現在芸歴5年目、10月で6年目に突入する。現在はクイズバラエティー番組「日本語探Qバラエティ クイズ!それマジ!?ニッポン」(フジテレビ系)、子ども向け番組「ポケモンゲット☆TV」(テレビ東京系)にレギュラー出演し、念願の初DVD「あばれる君です よろしくお願いします。」を発売した。

 芸名の由来は、アルバイトしていた居酒屋でのあだ名で、「店でお皿をいっぱい割っていて、『お前、あばれる君だな』と(名付けられた)。だから、最近あばれる君ってどうなのかなって思うんです」と、自分の芸風に合わない芸名に悩んでいるという。名前を変えるなら「まじめ君とかがんばる君とか、日本太郎とか。日本太郎は渋くていいな!」と、笑顔で明かす。

 ◇代表ネタは「実話です」

 あばれる君のネタは、ピンチの状態に追い込まれた数々のキャラクターを全力で演じるショートコントが中心。ネタを考えるときは人間観察をもとにしたリアルな状況を想定する。「人がどういった状態で困るのか、困りそうな状況に追い込みます。たとえば、トイレに行きたいときに先に他の人が入っちゃうとか、大工がトンカチを忘れて、くぎをどうやって打つんだ、とか」と語る。

 自身初のDVDにも収録されている代表ネタ「店長こだわりのグラタン」は実話をもとにしているといい、「グラタンじゃないんですけれど、お客さんが待ってるのに、店長がたこ焼きを焼いていなくて、何とか時間稼ぎするために、お皿に紅ショウガを乗せて持っていった」とネタを明かす。「日常生活をデフォルメする。リアルな心情の揺れ動きを演じているので、日本人だからこそ分かるネタだと思います」と自己分析する。

 芸名の影響で、ステージ上で暴れるようなイメージを持たれがちで、暴れるキャラの方がいいと勧められるというが、「そこまでいけないんですよ。親が公務員で、真面目な血が流れてるんで。繊細なネタが好きなんです」と苦笑。「本当は破天荒になりたいんですよ。夢見てるんですよ。ビートたけしさんとか、ダウンタウンの浜田(雅功)さんとか、クイズ番組でテーブルの上に乗っちゃったりする。あれこそあばれる君じゃないですか。そういう人間になりたかった」と、意外な本音を明かす。

 ◇きっかけはナイナイの「おもしろ荘」

 ブレーク前は、年に1度は芸人をやめようと考えていたというが、芸人として最大のピンチは2年前だったという。「ネタは昔から変わらなくて、これしかできないし、これ以外やろうと思わないんですが、(2年前は)ネタ自体がだめなのかと思った時期。そのときは(2013年10月に結婚した現在の)奥さんが支えになって、俺がネタを書けば何か化学反応が起こると思った。そうしたら1年ぶりに(NHKのネタ見せ番組)『オンバト+』に呼ばれて、ネタがオンエアされて、まだいけると思った」と、当時を振り返る。

 その後、小島よしおさんやエド・はるみさんなど、若手芸人のブレークのきっかけを作ってきた正月のバラエティー特番「ぐるナイおもしろ荘」(日本テレビ系)に13年に出演したことがきっかけで知名度が上がり、バラエティー番組でのレギュラーが増えてきたという。「あの番組がきっかけで知ってもらえるようになった。生きてるって感じがしましたね」と、笑顔を見せる。

 ◇ファン層はポケモン世代

 まだ街中で名前を呼ばれたり、サインを求められたりはしないというが、結構声をかけられるという。「男子中学生や高校生が多い。『あいつ、あれじゃない?』とか、名前がなかなか出てこないので、近くでウロウロしたり、『仲間だぞ』ってほほ笑みかけてみたりします。おばちゃんには『スタミナさんですよね』と言われた。まだまだです」という。「営業先の近くの小学校では、サインくれって子供にばっと囲まれてうれしかったですね。ポケモン世代の小学生低学年やお笑いマニアがファン層です」と、うれしそうに語る。

 一方で、女性のファンもほしいという。「髪の毛伸ばせば(女性にも)売れると思うんです」と主張するが、スタイルを変える気持ちはないといい、「シンプルな見た目でいたい。服装もTシャツとスニーカー、食べ物もほっけにご飯、みそ汁。カスタマイズする前のキャラクターを作る前のベースでいたいんです」と、こだわりを語る。

 ◇夢は大きく「銀幕デビュー!」

 人気が出た現在、「まだリアルな数字なんですが、前よりは断然よくなった。去年の5月にバイトをやめられた。芸人始めてからの目標だったんで、それはよかった」と喜ぶ。テレビの仕事は「慣れるまでは、要望に応えられるようにしたい。やればやるほど、自分に常識がないと感じます」と、真面目ぶりを見せる。

 今後やってみたい仕事を聞くと、「恥ずかしいですね……」と照れながらも「映画俳優。銀幕デビューですね!」と宣言。せりふのない役で「聯合艦隊司令長官 山本五十六」(11年12月公開)に出た経験はあるが、「(主役の)役所広司さんの後ろで揺れる役だった。主役はおこがましいから、脇でいい味を出すような役をやりたい」と語った。さらに「劇団ひとりさんみたいな小説家デビュー、映画監督もやりたい。たけしさんみたいな……」と、夢はどんどん膨らんでいくようだ。

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