ダイアモンド☆ユカイ:「ムクロジの木」で紅白! 不妊治療体験が生んだ”愛のうた”

「ムクロジの木」への思いを語るダイアモンド☆ユカイさん
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「ムクロジの木」への思いを語るダイアモンド☆ユカイさん

 ロックシンガーのダイアモンド☆ユカイさんが歌う「ムクロジの木」が、”泣ける歌”と注目を集めている。ユカイさんが歌詞を手がけた子供への深い愛情を歌った楽曲で、NHKの音楽番組「みんなのうた」の6、7月の新曲として登場し、好評を得て8、9月も放送が延長された。ユカイさんは、「無精子症」と診断され、不妊治療の末にようやく子供を授かった経験を告白し、地方自治体などからの講演依頼が殺到しているという。「この歌が日本中に広まって、いろんな人たちがこの歌を聞いて何か感じてくれたら。紅白で歌いたい」と語るユカイさんに、「ムクロジの木」の歌詞に込めた思いを聞いた。

 ◇無精子症 妻と挑んだ不妊治療

 年下の一般女性と再婚したユカイさんは「子供はいつかできるもんだろう、そんなふうに思っていたんですが、自分が無精子症だということを40歳過ぎて初めて分かった」と語る。その後、無精子症でも子供を授かる方法があるということを知り、つらい不妊治療に挑んだ。「その中で顕微授精という方法を試したんですが、何度も失敗して。金銭的にも精神的にも肉体的にも大変だし、妻のほうにも迷惑をかけてしまって」と一度諦めかけた。

 しかし、妻の「挑戦したい」という言葉に奮起し、再挑戦の結果、47歳で第1子となる長女・新菜(にいな)ちゃんが誕生。翌年、長男頼音(らいおん)君と次男の匠音(ショーン)君の双子が生まれた。「3児の父になって、ロックンロールな俺の人生も、夜型ロッカーから朝方ロッカーになった。自分の転機というか、子供を授かったことでいろいろなことが変わった」といい、「作る曲も今までは『のたれ死んでもいいんだぜ』『ぶち壊せ』みたいな歌ばかり歌っていたんですが、最近は自分にとってリアリティーのある歌を歌いたいなと思うようになった」と明かす。

 ◇父になって初めて知った「無償の愛」

 そんな時、NHKの「みんなの歌」のオファーがあり、最初は「山口さんちのツトム君」のような子供向けの曲を作ろうと考えたユカイさんは、行きつけのそば屋の主人から「ムクロジの木」の話を聞いた。「ムクロジは『無患子』と書くんですが、子供の無病息災を願って、昔はよく小学校にも植えられていたんです。子供を見守っている姿が、お父さんやお母さんのようでもあるなと思って。この木をテーマにして、今の自分の思いを歌ってみたいと思ったのが、楽曲を作ったきっかけです」。また、子供に読み聞かせている絵本「おおきな木」もその世界観とリンクしたという。

 「昔、りんごの木があって、ある子供と仲良くしているんです。最初、子供はその木のそばで遊んでいるだけだったんですが、成長するうちにさまざまな物を欲しがるようになる。木は、子供が要求するままにその都度、実や枝を与えるんです。最終的には、切り株だけになってしまうんですが、老人になった子供がそこに腰かける。そして木はうれしかった……というようなお話なんですが、まさに親心。決して見返りを求めない無償の愛。いくら与えても与えてもうれしい。こんな気持ちは、親になってみて初めて知りました」

 ◇「家族のつながり」がループする

 一方で、ユカイさん自身、子供の頃は「親の心子知らずだった」という。「親父があまり好きではなかったんです。公務員だったんですが、俺とは正反対な人で、無口で神経質、運動もダメで。子供の頃一緒にキャッチボールしてたら、俺の球が取れなくてね。逃げちゃったりとか。そういう親父を軽蔑してたんです」。しかし、自分が親になったことで「親父の気持ちも少しだけ分かるようになりました」と親からの愛を改めて知った。

 「今、思うのは、親父、そして自分の子供たち、俺のおじいさんやおばあさん、そういった家族のつながりっていうのかな。今まで点でしかなかったものが、線につながったというか。今後もそれがループして。いつか子供たちもパパやママになり、いつかおじいさん、おばあさんになり、そういうのを繰り返していくのかなって。その中で子供を授かり、子育てをしていくことの大変さと引き換えにものすごく有意義なことを感じたりして」

 ◇ムクロジの木は「永遠のリアリティー」

 「ムクロジの木」は、「Hallo, how are you?」「I’m fine,Thank you」という英語のあいさつが歌い出しになっていて、最後は「So long」で終わっている。ユカイさんは「子供たちが繰り返し聴いてくれたら、英語のあいさつを覚えてもらえるんじゃないかと思ってね」と笑顔で明かした。さまざまな思いのこもったやさしい歌詞と歌声に、視聴者の間で徐々に支持が広がってきた。「自分が年を取れば取るほど、この歌の意味が変わってくるのかなっていう気もするし。今すごくリアリティーのある曲なんですが、もしかすると永遠のリアリティーなのかなと」という。

 そして、「この歌が日本中に広まって、いろんな人たちがこの歌を聞いて何か感じてくれたら、世の中が少し“ステキング”になるんじゃないかなーなんてね」とユカイ節で語りつつ、「紅白(歌合戦)で歌わせてくれないかなあ」と明かす。「真剣に思っているんですけどね。こういう曲で紅白に出られたらステキだなって。この歌は、長く歌っていきたいし、いろんな人に聴いてもらい、歌ってもらいたいよね」と真っすぐな瞳で語っていた。

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