“韓国の北野武”とも呼ばれるキム・ギドク監督が製作と脚本を担当した映画「レッド・ファミリー」(イ・ジュヒョン監督)が、4日から全国で順次公開される。北朝鮮のスパイが任務遂行のために仲むつまじい家族を装うという異色作。2013年開催の東京国際映画祭で観客賞を受けた今作は、コメディーでありながらチクチクと胸が痛む、なんとも奥が深い作品だった。
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“妻役”のベク(キム・ユミさん)、“夫役”のキム(チョン・ウさん)、“祖父役”のチョ(ソン・ビョンホさん)、“娘役”のオ(パク・ソヨンさん)。彼らは、家族のふりをして任務を遂行する北朝鮮のスパイだ。隣に暮らすのは、ケンカばかりの韓国人一家。隣人が起こすトラブルに巻き込まれるうちに、ベクたち4人は“本物の家族”に憧れを抱き、自分たちの任務に疑問を持ち始める。そんな中、手柄を立てようとベクが取った行動が裏目に出て、4人は窮地に立たされてしまう……という展開。
キム監督が書いた脚本には、毒がたっぷり含まれている。しかしその裏には、国家権力の犠牲になっている“北”の同胞への愛が感じられる。「堕落した資本主義の典型」である隣人たちは、ベクたちの正体を知らずに金正恩をこき下ろす。それを聞き、国の最高指導者を必死に弁護するベクたち。異国の人間は笑って見ていられるが、韓国や北朝鮮の人たちはさぞかしヒヤヒヤしながら見ていたのではないかと、こちらが心配してしまうほどだ。北朝鮮という国の不可解さ、そこから送られてくるスパイ。彼らが映画で描かれている通りなら、気の毒としか言いようがない。そうした同情心を起こさせながらコミカルに表現してみせたのは、キム監督からの指名でメガホンをとり、今作が長編映画初監督作となったイ監督。決して興味本位の内容になっていないのは、彼もまた南北分断を憂いているからだろう。“南”を代表する隣の夫婦をどこまでも愚かに描いているのも逆説的で面白い。能天気な隣の一家とは対照的に、ベクたちが最後に選んだ道には心が揺れた。新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほかで4日から全国で順次公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。久しぶりに実家がある札幌に帰省し、ニセコの温泉に行った。途中、通過した余市が、次のNHK連続テレビ小説「マッサン」の舞台となるからだろう観光客でやけににぎわっていた。
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