注目映画紹介:「シャンティデイズ 365日、幸せな呼吸」価値観の異なる2人の女性の友情物語

(C)2014「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」フィルムパートナーズ
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(C)2014「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」フィルムパートナーズ

 映画「愛の渦」(2014年)で印象に残る演技を見せた門脇麦(かどわき・むぎ)さんと、トップモデルの道端ジェシカンさんがダブル主演する映画「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」(永田琴監督)が25日から全国で公開される。ヨガをきっかけに知り合った、性格も境遇も価値観も違う2人の女性の友情と成長を描いた作品だ。

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 青森から憧れの東京にやって来た本沢海空(ほんざわ・みく、門脇さん)、21歳。テレビで見かけた人気モデル兼ヨガインストラクターのKUMI(道端さん)の美しさに一目ぼれし、KUMIがいるヨガスタジオに通い始める。自分に付きまとう海空に、最初はイラついていたKUMIだったが、ひょんなことから海空を自宅に泊めることに。それをきっかけに、2人の奇妙な同居生活が始まる……という展開。

 海空は、田舎者丸出しのど根性娘で、他人の懐にずかずかと入っていく。でもちっとも嫌味を感じさせない。純朴さと人のよさが体からにじみ出ていて、それを表現する門脇さんのあっけらかんとした演技には好感が持てる。海空は、字幕が入らないと分からないような津軽弁をしゃべるが、演じる門脇さんは東京出身。当初はアクセントの難しさに悪戦苦闘していたそうだが、最終的にはアドリブに対応できるレベルにまで上達したというからその“ど根性”にも恐れ入る。一方のKUMIを演じる道端さんは、今作が映画初出演。自身も熱心なヨガ愛好家だそうだが、今作で見せるヨガのポーズや、モデルとしてカメラの前に立つ姿はやはり板に付いている。道端さんのセンスが生かされた衣装や小物、さらに洗練された身のこなしは、同世代の女性たちの“お手本”となること請け合いだ。海空とKUMIを見ながら、人間は誰しも、悪いことがあればいいこともある。すべてをひっくるめてその人そのもの。自分たちの生活が常に“バランス”を保ちながら回っているんだなと感じられたことも収穫だった。ほかに、海空とKUMIのよき理解者となるバーのマスター役の村上淳さんはじめ、ディーン・フジオカさん、石田ニコルさん、鶴見辰吾さんらが出演している。25日からシネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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