映画「ワイルド・スピード」シリーズでおなじみのドウェイン・ジョンソンさんが、ギリシャ神話に登場する半神半人のヘラクレスに扮(ふん)したアクション映画「ヘラクレス」(ブレット・ラトナー監督)が24日から全国公開される。「神話をネタにした、ハリウッドお得意のアクション活劇。まさに、ドウェイン・ジョンソンさんの“俺様映画”」と思っていたが、今風の味付けがなされ、さらに3Dの特性をうまく生かした撮り方をされた満足のいく仕上がりになっていた。
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神々の王ゼウスと人間の女性の間に生まれたヘラクレス(ジョンソンさん)は、恐るべき怪物と戦う「12の難業」を成し遂げ、生ける伝説となった。時は流れ、紀元前358年。彼は金のために戦う傭兵となり、5人の仲間とともにギリシャ諸国をさまよっていた。そんななか、トラキアの王コテュス(ジョン・ハートさん)から、邪悪な戦士レーソス(トビアス・ザンテルマンさん)率いる反乱軍から国を助けてほしいと頼まれる。ヘラクレスは謝礼目当てで依頼を引き受けるが、その先には過酷な戦いが待っていた……というストーリー。
これまで、多くの作品でヘラクレスは、圧倒的な力を持つ英雄として描かれてきた。しかしここでの彼は、5人の仲間を引き連れて兵士として生きる普通の人間として描写されており、神話を扱いながらそれを基に、アクションヒーローもので、戦いのドラマとして現代にマッチするよう作られているのが新鮮。ヘラクレス役のジョンソンさんもさることながら、兵士仲間のイアン・マクシェーンさん、ルーファス・シーウェルさんら、普段、悪役もこなす俳優が個性的なキャラクターを演じている姿に見応えがある。一方、ジョセフ・ファインズさんとピーター・ミュランさんが、アテネの王エウリュステウスと、コテュスの腹心シタクレスを憎らしさたっぷりに演じていたのも印象的だった。24日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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