熊本県民テレビ:ローカルの“お化け番組”発 異例の大イベントの秘密

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 熊本の平日夕方放送の情報番組で、最高視聴率17%を超える大人気ローカル番組が「テレビタミン」(熊本県民テレビ)だ。25、26の両日、熊本市の繁華街で、同番組の企画から発展したイベント「夢まちランド」が開かれている。バラエティー番組「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)を“ローカライズ”した「テレビタミンDX」など人気番組や、B−1グランプリなどのコラボ企画が展開され、来場者数は毎年10万人を超える。「ローカル局では異例の大イベント」が熊本でなぜ開かれているのか、その秘密を探った。

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 「テレビタミン」は、毎週月~金曜午後4時45分から放送されている情報番組。 同局の本橋馨、村上美香の両アナウンサーを中心に、英太郎さんら地元タレントなどが県内の話題やスポット、人物などを取り上げる企画が放送されている。1997年から放送され、最高視聴率は20%近く、平均視聴率も12~13%という絶大な人気を誇る“お化け番組”だ。

 イベントは2002年に「テレビタ感謝祭」として始まり、2年に一度開催されている。番組で紹介した飲食店などが出店、さまざまなステージイベントも開かれ、開局30周年となる2012年に「夢まちランド」として熊本交通センターや県民百貨店がある熊本市中央区桜町一帯で大々的に開かれるようになった。今回のイベントでは、「ダウンタウンDX」の実際のセットを用いて、制作している読売テレビのスタッフも参加した「テレビタミンDX」の生放送の収録が行われた。司会のダウンタウンから“許可”を得て、2人の写真パネルを前にお笑いコンビ「ライセンス」が司会を務め、「テレビタミン」の出演者がゲスト役で出演する。ほかに、同時間帯で宮城で放送され、共同企画を月1回放送しているミヤギテレビの情報番組「OH!バンデス」の司会を務める歌手のさとう宗幸さんや、読売テレビの番組「ガリゲル」の「キングコング」の西野亮廣さんらがゲストとして参加。ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B−1グランプリ」との共同企画も開かれている。

 なぜ熊本のローカル局がこうした異色のイベントを実施するのか。「テレビタミン」のプロデューサーで、イベントの事務局長を務める中島研・制作部専門部長は「もともと熊本を盛り上げ、地域に貢献していくのが番組のテーマ。感謝祭から30周年イベントにするとき、若手を中心にチャレンジしようとすべて一から作り直して、広がってきた」と語る。中島さん自身、日本テレビに出向して「Zip!」の制作に関わるなど系列局とのパイプもあり、番組でも系列局との共同企画を実現してきた。「テレビタミンDX」の企画に協力している読売テレビの西田二郎プロデューサーは「単なるイベントではなく、コンテンツを通じて視聴者とのつながりが深まっている。お陰で『ダウンタウンDX』の通常の視聴率も熊本が高いんです。地方局の今後を考えるヒントになるのでは」と評価する。

 回を重ねるごとに規模を拡大している同イベント。来年はこれまで会場としていた熊本交通センター周辺が再開発に入り、会場も含めリニューアルされる予定だ。中島さんは「今年のイベントのテーマは『夢ひろげる ひろがる』ですが、これから若手に頑張ってもらって、広げていきたいですね」と語る。熊本発地方局の挑戦が、今後どこまで広がるかに注目だ。

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