強烈な個性で落語を現代に継承した落語家、立川談志さんが亡くなって早3年。命日(2011年11月21日、75歳)、そして談志さんが立ち上げた落語立川流の創立30周年特別公演「談志まつり2014」が21~23日、東京・有楽町のよみうりホールで開かれる。21、23日の公演は完売だが、22日は桂文枝さん、三遊亭円楽さんらが出演し、落語とともにトークのコーナーで談志さんの知られざるエピソードで生涯を振り返る。湿っぽいことが嫌いな落語界。トークは大いに笑いに包まれるような内容になりそうだ。
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22日正午開演の「中日昼」公演は「人生成り行き~勝手に生きるべし」。談志さんは数多くの名言を残したが、「人生成り行き」は色紙にもよく書かれた言葉。トークには、文枝さん、立川流顧問の野末陳平さん、トリを務める弟子の立川龍志さんが出演。文枝さんは若い頃に談志さんと知り合い、三枝から大名跡の六代桂文枝を襲名する時には談志さんに相談したほどの仲で、談志さんの訃報を聞き、インタビューでは号泣していたことが思い出される。野末さんは談志さんと同時期に参議院議員を務め、「談志・陳平の言いたい放だい」(TOKYO MX)で談志さんと共演。82歳で最近は表舞台に登場する機会が少なく、貴重なトークが聴けるかもしれない。司会は弟子の立川志らくさん。ほかに立川生志(しょうし)さん、談修さんらが出演する。
22日午後5時開演の「中日夜」公演は「伝統を現代に~江戸の風とイリュージョン」。円楽さんは、師匠の先代圓楽さんと談志さんの、ライバルであり盟友だった姿を見てきた一人。トークは、談志さんの長女、松岡ゆみこさんと円楽さん、トリの立川左談次さんが、談志が落語を現代に伝えようとした姿勢や、落語に必要だと力説していた「江戸の風」、そして談志さんが晩年主張していた「イリュージョン」とは何かなどをテーマにトークを展開する。ほかに立川談慶さん、雲水さん、晴の輔さん、談奈さんが出演する。
会場では新刊「努力とは馬鹿に恵えた夢である」(新潮社)、自宅から見つかった貴重なテープをCD化した「談志30歳 家元の軌跡」(キントトレコード)も販売予定。問い合わせは夢空間(03・5785・0380)。(油井雅和/毎日新聞)