MR.BIG:闘病中のパット・トービーも参加「最高のパフォーマンスは日本のために」

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 3年ぶりとなるジャパンツアーのため、人気ロックバンド「MR.BIG」が来日中だ。パーキンソン病で闘病中のため来日が危ぶまれたドラムスのパット・トービーさんもツアーに同行し、オリジナルメンバー4人が勢ぞろいしたことでも話題を集めている。パットさんは「彼らが僕にいてほしいと望んでくれたから今の僕はある。もちろん僕もここにいたかった」と力を込める。パットさんがツアーに参加するまでのエピソードや日本への思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇「MR.BIG」とは

 「MR.BIG」は、ベースのビリー・シーンさん、ボーカルのエリック・マーティンさん、米国のヘビーメタルバンド「レーサーX」のギタリスト、ポール・ギルバートさん、ドラマーのパットさんで結成したロックバンドで、1989年にデビュー。全米ナンバー1となった「To Be With You」などを収録した2枚目のアルバム「Lean Into It」は大ヒットし、1994年には初の武道館公演を果たした。1999年にポールさんが脱退し、実力派ギタリストのリッチー・コッツェンさんを新ギタリストとして迎えるが、2002年に解散した。

 その後、2009年6月にオリジナル・メンバーの4人が再結成し、ツアー「Next Time Around 2009 Tour」を日本のみで決行。2010年には、オリジナル・メンバーでは約15年ぶりとなるスタジオ・アルバム「What If…」で“完全復活”を果たし、2011年4月には震災直後にもかかわらず来日しジャパン・ツアーを敢行した。

 ◇日本への思い

 今回のワールドツアーは、ロンドンからスタートし、ジャパンツアーは5日の札幌公演を皮切りに、全9公演を行う。エリックさんは「世界中を旅してグレイトだよ。でもね、最高のパフォーマンスは日本のためにとってある」と笑顔を見せながら、「レコードを作るたび、日本のことは常に念頭に置いている」と日本への思いを告白する。武道館公演について、ポールさんは「世界一の会場! おそらく建物の形のおかげで、一番上の人でも近くに感じる。だから楽しくコミュニケーションが図れる」と興奮気味に話す。

 8月にはパットさんの代役として、元「KISS」のエース・フレイリーさんのバンドのドラマーとして活躍してきたドラマーのマット・スターさんがツアーに同行することが発表された。パットさんがどこまでツアーに参加できるか心配の声も上がったこともあったというが、パットさんは「プロセスはいつも通り、メンバー全員でアイデアを出し合いながらのものだった。僕がドラマーとしてどれほどできるか、歌の方でどれだけ貢献できるかを考えながら一つ一つ組み立てていった」と振り返る。

 ◇ビリーさんパットさんに「四の五の言わずに来い」

 バンド史上初めてパットさん以外とリズム・セクションを組むことになったビリーさんは、マットさんの印象について「素晴らしいドラマーであること以上に素晴らしい人間であり、しかも歌がうまい」と話した。バンドとのリハーサルの前に、マットさんと2人だけで5~6回リハをやったといい、「うれしかったのは、パットがマットに直接アドバイスしてくれたこと。結局、バンドはコミュニケーションだからね。みんなが思っているほど苦労はしなかったよ」と明かした。

 エリックさんは、当時のパットさんの様子について「最初、アルバムを作るときも、ツアーについて考えるときも、パットは自分が同行できるかとても悩んでいた」と告白したが、「ビリーははっきり言ったんだ。『四の五の言わずに来い。一緒に行くか、ツアーをやらないかのどっちかだ』と」とエピソードを紹介。一方、パットさんは一公演ごとに「次の課題が出てくる」と話したが、「そのプロセスがとにかく楽しくて仕方ない。最高に幸せだよ。実際には全曲でドラムはたたけないけれど、それでも本当に楽しい」と笑顔だった。10日に東京・日本武道館で行われたライブの模様は、WOWOWで2015年2月に放送予定。

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