平原綾香:“綱渡り”に命懸け? プレミアムアンコール公演への想い

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 昨年デビュー10周年を迎えた歌手の平原綾香さんが、全国ツアー「What I am−未来への私へ−」の“プレミアムアンコール”として9月27日にBunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区)で開催したコンサートが、23日にWOWOWで放送される。デビューからの10年を「綱渡り状態だった」と振り返る平原さんに、「命懸け」のオペラ歌唱など、ツアーや同公演に込めた思いと、放送に向けて見どころを聞いた。

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 2003年にホルストの組曲「惑星」の第4曲「木星」のメロディーに日本語歌詞を乗せた「‪Jupiter‬(ジュピター)」でデビューを飾った平原さんが、10周年を迎え、新たな心境で発表したアルバム「What I am」を携えたツアーは、“プレミアムアンコール”も含めると30公演に及んだ。

 平原さんは「毎回泣いていましたね、感極まって。歌い上げる曲が多い中、毎晩力を出し切っていたから、どんどん疲れは蓄積するし、声が出るのかっていう不安もあって。でも本番になるとアドレナリンが出るというか、誰かのために頑張りたいという気持ちと“ステージの魔法”で、なんとか乗り越えることができました」と振り返る。

 ボイスパーカッションやタップダンスなど毎年ステージ上で新しい試みにチャレンジし、ファンに驚きと喜びを提供してきた平原さんが、今回選んだのはオペラ曲の歌唱。「今年の春に『オペラ座の怪人』の続編ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』に出させていただいて、その時の曲を歌おうと思って。でも私はポップスの歌手だし、改めてライブでオペラを歌うことへの怖さもあって。大げさなんですが、今回は命懸けの挑戦でしたね」と語る。

 反響はとても大きく、「最後はみんな立ち上がって、『クリスティーヌ!』とか『ダーエ!』とか(ミュージカルで演じた)役名を呼んでもらって。本当にやってよかったなって思いました」と話す平原さん。チャレンジに対しては「勝手な使命感がある」と言い、「普段から今の自分に満足していないっていうのがあって、もっともっとやらなくちゃダメっていうのもあるし、いろいろなものに興味を持って接することが多いのも理由かな」と語ると、「目標や夢のためには苦しい方、苦しい方を選んでしまうんです」と照れ笑いを浮かべた。

 そして迎えたプレミアムアンコール公演。ツアーのファイナルという位置付けで、初の2部構成で行われた。今月12日に発売されたアルバム「Winter Songbook」から新曲(ファレル・ウィリアムスさんのカバー「Happy」と「蛍の光」)も披露。次への展開をいち早く感じさせるものとなり、父でサックス奏者の平原まことさんとの親子共演もあった。

 平原さんは「それこそツアー全公演とか、最近はリピーターのファンの方が増えて、何か趣向を変えてやりたいという思いもありました。泣いても笑っても1回で終わってしまうので、29公演の積み重ね、プラス新しいことをやることで、ツアー初日のような感覚でした」と当時の心境を明かす。「見どころはやっぱり命懸け(笑い)で頑張った『ラブ・ネバー・ダイ』。2部の頭に歌っているんですが、そもそも2部構成にしたのは、この曲を歌うために、のどをいったんリセットしたかったから。セットの雰囲気も1部とガラッと変わっていますしね」とアピールした。

 ツアーを終えて「得たものは大きかった」という平原さん。「こうやって命懸けの体験をすると、怖いものがどんどんなくなってきますよね」と笑顔を見せた。最後に“この先の10年”についてたずねると「困難に直面しても『あの時もこんなに不安だったけれど乗り越えられた』と思えるし、頑張れば得られるものがあると分かった。ここまでの10年、振り返ると常に綱渡り状態だったし、自分の性格って難儀だなって思いますが、歌い続けて『世界中でコンサートをやれるようなアーティストになる』っていう夢を実現させたい」と前向きに語った。

 番組「平原綾香 CONCERT TOUR 2014 『What I am −未来への私へ−』」は、WOWOWライブで23日午後7時に放送される。

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