注目映画紹介:「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」 未公開場面を加え2部作で再編集

「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」のワンシーン (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」のワンシーン (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

 人気アニメ「進撃の巨人」を再編集した劇場版アニメ2部作の前編「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」(荒木哲郎監督)が22日に公開される。「進撃の巨人」は、諫山創さんがマンガ誌「別冊少年マガジン」(講談社)で連載している人気マンガ。劇場版は2013年に放送されたテレビアニメ全25話の総集編という位置付けで、今作は1~13話を劇場版用に再編集した前編にあたる。ダークで残酷な世界観や、主人公と凶暴な巨人とのダイナミックなバトルは必見だ。

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 巨人が支配する世界で、巨人から身を守るために人類は高さ50メートルの巨大な壁を築き侵略を防いでいた。防壁に囲まれた街・シガンシナ地区に暮らす10歳の少年エレン・イェーガー(声・梶裕貴さん)は、まだ見ぬ壁外の世界を夢見ながら日々を送っていたが、壁を越える超大型巨人が出現したことで夢は打ち砕かれてしまう。母親を巨人に食われてしまったエレンは、復讐(ふくしゅう)を誓い巨人と戦う訓練兵団に入団し……というストーリー。

 アニメ放送時から圧倒的な迫力と完成度の高い作画が好評だったが、劇場版ではブルーレイディスク(BD)用の完全修正映像で5.1リマスター音源を使用するなど、ハイレベルなクオリティーで楽しむことができる。単なる再編集にはとどまらず、訓練兵時代のエレンとジャンのエピソードといった未公開シーンなども追加されており、アニメを視聴済でも「進撃の巨人」の世界を新たな気持ちで味わえるのもうれしいところだ。迫り来る巨人や人間を捕食するシーンなどショッキングな展開も、巨大なスクリーンで見ると想像以上に恐怖感と迫力に思わず腰が引けてしまいそうになる。さらに注目は日本アニメ史上初という「4DX」版での公開。公開劇場が限られてしまうが、4DX版なら巨人とのアクションなどもより臨場感を感じさせ、物語世界にいるかのような感覚にとらわれることだろう。来年には劇場版アニメの後編だけでなく実写版も公開予定と、まだまだ「進撃の巨人」熱は冷めそうにない。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。14~25話を再編集した2部作の後編となる「劇場版『進撃の巨人』後編~自由の翼~」は15年に公開予定。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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