ベイツ・モーテル:名作映画「サイコ」の前日譚 日野由利加&岡本信彦が見どころ語る

「ベイツ・モーテル」の日本語吹き替え版を担当する岡本信彦さん(左)と日野由利加さん
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「ベイツ・モーテル」の日本語吹き替え版を担当する岡本信彦さん(左)と日野由利加さん

 “サスペンスの神様”アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作である名作映画「サイコ」(1960年公開)の前日譚(たん)を描き、全米中で話題となった新作ドラマ「ベイツ・モーテル」が、WOWOWで12月4日から日本で初放送される。今作は、「サイコ」を原点に、凶悪殺人犯ノーマン・ベイツとそのトラウマの元凶である母親ノーマの危険な関係を、21世紀の現在に舞台を移して描いた作品。日本語吹き替え版でノーマ役を演じた日野由利加さんと、ノーマン役の岡本信彦さんに、作品の見どころや演じた役柄について聞いた。

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 「サイコ」は、あるモーテルで起きる殺人などの異常事態を、有名なシャワーシーンも交えてスリリングに描写した作品で、のちにシリーズ化され第4作まで作られた。「ベイツ・モーテル」は、繊細過ぎるノーマンとノーマンを溺愛する母親の関係が、人々に次々と死をもたらしていくというセンセーショナルでスキャンダラスな衝撃作で、ノーマンがいかに殺人鬼へと変貌(へんぼう)したかを描く。映画「チャーリーとチョコレート工場」の名子役から成長したフレディ・ハイモアさんがノーマン役、「マイレージ、マイライフ」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたベラ・ファーミガさんがノーマ役を演じる。

 今回のオファーが来たとき、岡本さんは「僕でいいのかなというのが一番にあって。洋画の吹き替えをあまりやったことがなかったので、いきなり来るものなんだとびっくり」と驚きつつも、「『サイコ』というビッグタイトルに関われるんだという、うれしさもありました」と笑顔を見せる。日野さんは「光栄の一言に尽きます。歴史ある映画界の中の、しかもヒッチコックの名作ですから」と喜んだことを明かす。

 のちに殺人鬼へと変貌するノーマンについて、岡本さんは「素直な感じ、イコールなんでも言うことを聞いちゃうというか、ノーと言えない子というイメージが強い。外見はいい子の印象が強いですが、ため込んだらどうなるんだろうという怖さも秘めている」と分析。一方、ノーマンの母親・ノーマについて、日野さんは「今だと異常性愛のようなとらえ方をするのでしょうけれど、基本は愛情をゆがめて表現している。この子のためにこれをしたんだと正当性を持たせてしまっちゃったがゆえに、どんどん悪い方に転がっていってしまう……」と持論を展開する。

 アニメ「TIGER & BUNNY」や「青の祓魔師」などの作品で声優として活躍する岡本さんだが、海外作品の吹き替えの経験はあまりないといい、「難しいと思ったのが、役者の声を聞きながらやるというのは慣れていなくて、向こうの役者さんがパーッとまくしたてるとつられちゃう」と苦労を明かす。アニメの声優とは「真逆」だといい、「(俳優の演技に)絶対的に合わせないといけない。息もするし、心臓も脈を打っているので、そこに合わせないといけないけれど、アニメの場合は、全部自分で考えてやれちゃう」とアニメ声優との違いを語った。

 最後に、視聴者に向けて、岡本さんは「『サイコ』を知っている人は『ベイツ・モーテル』を見て、あのモーテルをここまで再現したんだとか、これはあそこに出てきたシーンかな?というのが、相互作用で楽しめる作品。まずは雰囲気を楽しんでいただけたら」と紹介。日野さんは「ポンポンと進んでいくのではなく、時間の流れがゆったりとしている。なんかぼんやりという感じで進んでいくので、見ている方はモヤモヤして来週はどうなるのというふうに見られると思う」とアピールした。「ベイツ・モーテル」はWOWOWプライムで12月4日午後11時からスタート。全10話で第1話は無料放送。

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