吉田鋼太郎:「花アン」で大ブレーク “カメレオン俳優”の素顔とは

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 NHK連続テレビ小説「花子とアン」で、仲間由紀恵さんが演じる伯爵家の令嬢・蓮子の元夫の石炭王・嘉納伝助役で出演し「伝助萌え」という言葉が誕生するほど大ブレークを果たした俳優の吉田鋼太郎さん。昨年の大ヒットドラマ「半沢直樹」や、「MOZU」などの存在感のある演技で人気を集めており、30日放送のスペシャルドラマ「東京センチメンタル」ではテレビ東京で初のドラマ主演を果たす。今年のブレークやドラマにかける意気込みについて、吉田さんに聞いた。

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 ◇圧倒的な存在感の“カメレオン俳優”

 もともとは舞台を中心に活躍していた吉田さんは、「シェイクスピア・シアター」、「東京壱組」を経て、1997年に演出家・栗田芳宏さんとともに「劇団AUN」を結成。演出も手がけ、蜷川幸雄さん演出の「リア王」「オセロー」などシェークスピア作品を中心に数多くの舞台で活躍してきた。映像作品では、「半沢直樹」で正義感あふれる上司役を演じたかと思えば、「MOZU」では異彩を放つ悪役を怪演。時に主役を上回るほどの圧倒的な存在感を見せつけ、「花子とアン」では女性視聴者をメロメロにさせるなど役柄によって全く違う顔を見せる“カメレオン俳優”と言っていいだろう。

 ◇ブレークに悲鳴? 男性ファン人気も

 「どこかで映像を体験して、ある程度の役をいただいて演じきるということをしないと、俳優として残念なことなんだろうなと思っていた」という吉田さん。ここ数年は映像作品にも意欲的に出演しており、今年の映像作品でのブレークについて聞くと、「とってもやりがいがあったし、ここでやらなきゃと思いましたし、すごくうれしかった」と笑みがこぼれる。

 「花子とアン」に出演して以来、街中で声をかけられることも多くなった。「『帽子をかぶって、メガネをかけろ』って(マネジャーらに)言われるんですけど、長年自覚なしで来たので、それが嫌で。自分は知らないと思っていても、みんな(自分のことを)知ってる」とうれしい悲鳴も。女性ファンから声をかけられることが多いと思いきや、「男性のほうが多い。男心を刺激できるのはすごくいいこと」と喜ぶ。

 ◇「半沢直樹」で“悔しい”思い

 “名脇役”として数々の作品に引っ張りだこだが、演じる際には「主演を食ってやろうと思ってやっています。もちろん! 絶対食ってやる!」と強い気持ちで臨んでいる。「半沢直樹」では大和田常務役の香川照之さんの“顔芸”にも注目が集まったが、「悔しかった。(自身は)いい人の役だったから」と悔しさをにじませ、「だからその後、『MOZU』でやってやろうと思った」と“不死身の悪役”といわれる中神甚を怪演した「MOZU」での“爆発”につながったと明かす。

 来年の抱負については、「ぶっちゃけていえば、舞台よりも映像の方が面白いと最近思う。なんとなく様子が分かってきたので、映像の中でというところが自分の中で興味がすごくある。映像を増やしていきたい」と意欲的だ。

 ◇「東京センチメンタル」では“21世紀の寅さん”に

 「東京センチメンタル」では、東京の下町の和菓子職人で3度の離婚歴がある主人公・久留里卓三を演じる。趣味のカメラを持って自由気ままに町を散策する日々の中で、かつての憧れの女性に再会した卓三が抱く淡い恋心も描いていくといい、どことなく映画「男はつらいよ」の寅さんのような雰囲気を持つ作品だ。

 「寅さんが大好き」という吉田さんは、「ちょっと意識しながらやっているところがある。とても愛すべき人だし、女の人を好きになったりするけど、いやらしい感じにならないといいなと思います」と意気込みつつ、「本人(吉田さん)がいやらしいのでそれが出たらまずいかなと思いながら演じています」とにやり。卓三も「割りとほれっぽいですし、でもたいてい勘違い。卓三の気持ちがよく分かる」と身近に感じている。

 シリーズ化に向けても意欲的で、「もしシリーズになれば、回を重ねるごとに面白くしたい。ぜひ男性の方に、40代以上の方は特に。恋を忘れてしまった男性にオススメです」と呼びかけた。ドラマ「東京センチメンタル」は30日午後11時から放送。

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