津田英佑:アナ雪バブルで仕事増 「一発屋で終わらないように」

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 昨年大ヒットした「アナと雪の女王」の日本語吹き替え版でハンス王子の声を担当した俳優の津田英佑さんと人気声優の古谷徹さん、女優の佐古真弓さんが、WOWOWで放送される海外ドラマ「ナイトシフト 真夜中の救命医」の日本語吹き替えを務めることになり、このほど東京都内でアフレコ収録を行った。収録後、取材に応じた3人に同ドラマの魅力や演じる役などについて、また津田さんには“アナ雪”出演の反響などについて聞いた。

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 「ナイトシフト 真夜中の救命医」は、2014年5~7月に米で放送され、早くも続編が決定している医療群像ドラマ。テキサス州の病院を舞台に夜間シフトを務める医師たちの奮闘を描く。津田さんは、元軍医で豊富な経験を持つ主人公のTC・キャラハンの声を担当する。また、古谷さんはキャラハンと対立する病院の事務長、マイケル・ラゴーサの声を、佐古さんはキャラハンの元恋人の外科医、ジョーダン・アレクサンダーの声を担当している。

 −−声を担当した役について教えてください。

 津田さん:キャラハンは病院の規則にのっとったやり方とは違う方向から治療する“実戦向け”の外科医。そこらへんがたまにむちゃな時があるけど、病院の規則を通り越して、人命救助最優先で動く正義感が強い人。ワイルドでカッコいいですね。

 古谷さん:ラゴーサは病院の経営側の人間でキャラハンに困っている事務長。彼はあくまで病院の経営が第一なので厳格で冷徹なキャラなのかなと思っていたのですが、もともと医者を目指していてそれに挫折したという過去を持っていて、医者の気持ちもよく分かるし、勉強もしていて、キャラハンたちの要求になんとか応えようと努力する。そういう“板ばさみ”にあってなんとか折衷案を出して乗り切っていくという、意外と人間的な魅力のあるキャラクターです。

 佐古さん:アレクサンダーはキャラハンの元恋人で、キャラハンが心配になって追っかけてやってきたという外科医です。ナイトシフトのチーフに自ら立候補するなど、この病院をよくしたいという気持ちを持っている一方で、戦場で心に傷を負ったキャラハンのことをすごく心配しているという役です。今は、お互い(キャラハンとアレクサンダー)に付き合っている人もいるんですけどね。

 古谷さん:単純な医療ドラマではない、ドロドロですよ(笑い)。

 佐古さん:ちょっと昼ドラっぽいところがありますよね(笑い)。

 −−早くも続編が決定したという人気ドラマですが、作品の魅力はどういうところにあると思いますか。

 津田さん:規律とかそんなこと言っている場合じゃないだろうっていう正義感を押し通すキャラハンたちと病院側の秩序とかを守る人たちとのせめぎ合いが見どころですね。

 古谷さん:キャラハンが戦場で学んだスーパードクター的なスキルで絶体絶命な患者を助けてしまうというところがおもしろい。こんな技があったのかという、そんなに医学に詳しくなくても分かる、手品のように助けてしまうというところがすごい。

 佐古さん:医師たちが成長していく姿が楽しみなドラマです。(主人公たち以外にも)若い医者たちがみんな個性的で、見ていれば絶対誰かのファンになるし、自分に当てはめて見ることができると思う。

 −−役作りでこだわっていることや苦労されていることは?

 津田さん:とにかくカタカナが多いので、最初に言いづらいせりふはないか台本チェックをしています。

 古谷さん:でも(津田さんは)ちゃんと医学用語を調べてくるんですよ。

 津田さん:この薬品は何に効くのかとか、この用語はどいう意味なのかとか、ネットで調べるんです。完全に把握しているわけではないけれど、何か少し自分の中で落ちないと説得力は出ないかなと思ってやってます。そういう意味では台本チェックは時間がかかりますが、やりがいはありますよね。

 佐古さん:私(が演じる役)はいろいろ人に指図するシーンが多いので、誰に言っているのか、それはどれくらいの距離感なのかとか、そういうことをチェックしています。カメラワークが頭に入るまで見たりしていますね。

 古谷さん:僕は医学用語をそんなに言わないので助かってます(笑い)。でも、ビジネスマンなので相手によって(態度を)変える、“大人的な部分”があるんで、そこはあえて面白く変えたいなっていうところはありますね。あと、第4話でラゴーサが間違えて興奮剤を飲んで気持ちよくなって病院を徘徊(はいかい)するシーンがあるんですが、そのときに、僕ならではの“名セリフ”を入れさせていただきました(笑い)。そこは必見です!

 −−それぞれ昨年はどんな年でしたか。また今年の抱負は?

 津田さん:私的には2014年は激動の年でした。「アナと雪の女王」があり、今までもディズニー作品出たことあるんですが、今回は“急に化けた”というか。それからこうやって呼んでいただくことが増えたので、そういう意味では今はすごく楽しいし、充実しています。“アナ雪バブル”というか(笑い)。それだけ期待されているということだと思うので、しっかり応えていかないと次がないと思いますし、一発屋で終わらないようにしたいですね。とにかく今回のドラマを大事にしたい。期待はずれな俳優にならないように、また使っていただけるように、このドラマをスタートに、頑張ってさらに拡大させていきたいですね。

 古谷さん:昨年は出会いがたくさんありました。大ヒットアニメの「ワンピース」のキャラをやらせていただくことになって、また新しいファンも増えましたし、春先には(別名義の)“蒼月昇”がBL(ボーイズラブ)デビューをしまして、しかも全国ロードショーで。おかげさまで大ヒットしました(笑い)。それにこの「ナイトシフト」もそうです。プライベートでは、4年目となるゴルフでようやく(スコアが)100を切れたんですよ(笑い)。90台が4回出て、最高の年でしたね! 今年はそれを維持できるように公私ともに頑張りたいですね。

 佐古さん:昨年は舞台と吹き替えの仕事がいいペースでできた年でした。今年はアニメの吹き替えをやってみたいですね。あまりやったことがないので。破天荒なキャラとか、変身とかしてみたい(笑い)。

 *……「ナイトシフト 真夜中の救命医」は27日から毎週火曜午後11時、WOWOWプライムで放送。全8回で、初回は無料放送。

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