俳優の綾野剛さんが「第69回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の男優主演賞を受賞し、10日にミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)で行われた表彰式に出席。「そこのみにて光輝く」で受賞した綾野さんは、「非常にうれしいです。改めてスタッフとキャストのみなさんに感謝」と喜びつつ、「どこかで敗北感がある。このままだとこの作品に敗北するというか。『そこのみにて光輝く』がよかったね、とずっと言われ続けるのは違うと思うので、敗北しないようにまい進していきたい」と顔を引き締めた。
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同作で「第88回キネマ旬報ベスト・テン」「第36回ヨコハマ映画祭」などの主演男優賞も受賞している綾野さんは、「こういう賞をいただくんですが、毎回毎回疑っていて。でも、少しずつ自分のことを認めることも大事かなって」というコメントも。今回の役作りについては、あえて自堕落な生活を送っていたといい、「深夜までお酒を飲んで現場入りしていました。ストーリーの順番通り撮っていたわけではないので、むくんだ顔を戻すために走ったり筋トレをしたり、汗を流していましたね」と苦労を明かした。
表彰式には、女優主演賞の安藤サクラさん、男優助演賞の伊藤英明さん、女優助演賞の池脇千鶴さん、スポニチグランプリ新人賞の登坂広臣さんと小松菜奈さん、田中絹代賞の鈴木京香さんも出席。
綾野さんと共演した池脇さんは、「この映画賞で十数年前に新人賞をいただいたんですが、こんなにたくさん映画があって、たくさんの俳優さんがいる中で、またここに来られたのは奇跡に近いぐらいすごいこと」と喜びのコメント。鈴木さんは目を潤ませながら「あまりに大きな賞をいただいて現実味がなかったのですが、トロフィーの重みにますます戸惑っています。田中絹代さんの名前に恥じないよう、日本人らしい女性をこれから演じていけるようにもっともっと努力していきたい」と感激を口にした。
日本映画大賞:「私の男」(熊切和嘉監督)▽日本映画優秀賞:「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)▽外国映画ベストワン賞:「6才のボクが、大人になるまで。」(リチャード・リンクレイター監督)▽監督賞:呉美保(「そこのみにて光輝く」)▽脚本賞:安藤桃子(「0.5ミリ」)▽男優主演賞:綾野剛(「そこのみにて光輝く」)▽女優主演賞:安藤サクラ(「0.5ミリ」)▽男優助演賞:伊藤英明(「WOOD JOB!(ウッジョブ!)~神去なあなあ日常~」)▽女優助演賞:池脇千鶴(「そこのみにて光輝く」)▽スポニチグランプリ新人賞:登坂広臣(「ホットロード」)、小松菜奈(「渇き。」)▽田中絹代賞:鈴木京香▽アニメーション映画賞:「ジョバンニの島」(西久保瑞穂監督)▽特別賞:野上照代(元黒澤映画助手)
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