要潤:「龍馬伝」以来5年ぶり大河も気負いなし 「理想の男」入江九一への思い語る

NHK提供
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 俳優の要潤さんが、女優の井上真央さん主演のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」に、入江九一(いりえ・くいち)役で出演している。同じ幕末を舞台とした「龍馬伝」以来、5年ぶりの大河出演で、「親戚の家に帰ってきたような懐かしさはあるけれど、全然違う作品ですし、今はまっさらな気持ち」と語る要さんに、役への思いや撮影現場の雰囲気を聞いた。

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 「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰(伊勢谷友介さん)の妹・文が主役のオリジナル作品。文は長州藩の尊王攘夷(じょうい)派の中心人物・久坂玄瑞(東出昌大さん)と結婚し、久坂が死去した後は、群馬県初の県令(現在の県知事)の楫取素彦(大沢たかおさん)と再婚した人物。ドラマでは動乱の幕末の長州で、困難を乗り越えながら生きた文の生涯が描かれている。

 ◇責任感が強くて純粋な男・入江九一 劇中では“左手”に注目

 要さんが演じる入江九一は、吉田松陰が主宰した松下村塾で、高杉晋作(高良健吾さん)、吉田稔麿(瀬戸康史さん)、久坂玄瑞とともに「四天王」と呼ばれた人物。家長として家計を支えながら、学問に励み、松陰に深く傾倒。その考えや教えに最後まで従い続けた。要さんは、今回演じるにあたって九一のことを「初めて知った」といい、「調べてみると、責任感が強くて、決して裏切らず、意見も変えず、真っすぐな男だった。家庭も大事にして“理想の男”というか、自分もこうなれたらなと思った」と話す。

 吉田松陰の教えに傾倒していった姿については「純粋だったんだなと思う」といい、「黒のことを白って言われても、信じて突き進んでいく。共感できる部分と、できない部分があるけれど、命を懸けて国を変えようとする姿、一歩踏み出せば何かが変わると信じている姿は見習いたいし、何かを成しとげようとする心意気はきっと今の時代でも伝わるはず」と語った。

 役作りにあたっては、「実在する書物を読んだり、京都にある墓をお参りしたり、あとはスタッフの意見を取り入れながら作り上げていった」という要さん。入江九一のキャラクターを「口数が少なく、静かなたたずまいで、どこか一歩引いて見ている」と分析すると、「分かりやすいクセとして左手を着物の懐に入れて隠しているんですけど、現代でいうとポケットに手を突っ込んで斜に構えて、というのを表現したくて。入江らしさや個性、特徴を出したくて、提案しました」と明かした。

 ◇ムードメーカーは劇団ひとり 主人公・文は“縁の下の力持ち”

 今回「龍馬伝」で沢村惣之丞を演じて以来、5年ぶりの大河ドラマ出演となった要さんだが「(大河ドラマだからといって)難しいことは何一つしていない。役を演じるという上ではどれも同じ」と気負いはない。撮影現場の違いは、「『龍馬伝』の時はつねに龍馬が隣にいたけれど、『花燃ゆ』では、松陰先生と一緒にいた期間が短くて、塾生たちはさみしさを感じながらやっている」と明かし、「その中で断トツで(現場を)引っ張っていってくれているのが(伊藤利助役の)劇団ひとりさん。遺伝子の話とかを始めて、聞かざるを得なくなる」と苦笑する。

 そのほかの塾生メンバーでは、久坂玄瑞役の東出さんと高杉晋作役の高良健吾さんが「仲がいい」といい、九一の弟・野村靖を演じる大野拓朗さんについては「人懐っこくて、人当たりが柔らかい、弟キャラ。顔も似てないわけじゃないし(笑い)、一緒にいて自然と兄弟になれる存在ですね」と笑顔を見せた。

 最後に要さんは、井上さん演じる主人公の文について「僕らが踏み荒らした道をキレイに踏み固めていってくれる、アフターケアしてくれる存在。松陰先生の分身ではないけど、支えてもらっている、縁の下の力持ちですね」と語った。

 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。

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