HMD:視線を感知する新型開発 クラウドファンディング開始

視線を検知するヘッドマウントディスプレー「FOVE」
1 / 5
視線を検知するヘッドマウントディスプレー「FOVE」

 ベンチャー企業の「FOVE(フォーブ)」は19日、視線を感知して正確な操作が可能になるヘッドマウントディスプレー(HMD)「FOVE」を開発し、2016年夏をめどに予約を受け付ける受注式の販売を始めることを明らかにした。一般の価格は400~500ドル(4万8000円~6万円)の見通し。販売に先駆け、本格的な商品化のため、米国のクラウドファンディングサービス「Kickstarter」で同日から製作資金の募集を始めた。目標額は25万ドル(約3000万円)。

ウナギノボリ

 HMD「FOVE」は、重さが約400グラム。既存のHMDは加速度センサーで位置情報を認識するが、「FOVE」は、両目を認識して視線の追跡技術と動作追跡技術を組み合わせたのが特徴。正確に視線を検知することで、目線だけでシューティングゲームをしたり、手の不自由な人がピアノを弾くといったこともできる。

 さらに視線が集中している部分にのみ映像を高解像度にして、見ていない部分を低解像度にすることもできるため、画像にメリハリがつき、迫力のある世界になるといい、将来的には低スペックのノートPCやスマートフォンでもバーチャルリアリティーの世界が楽しめるという。ゲームでの利用はもちろん、車や飛行機などの操縦シミュレーション、仮想の手術体験などを手掛ける会社からもオファーがあるという。

 同日から始まった「Kickstarter」が成立して349~399ドルを出資した人には、2016年5月ごろに製品を引き渡す。その後、一般向けの受注販売を始める予定。

 FOVE社は、2014年に東京都文京区で創業し、現在は、バーチャルリアリティーのビジネスが集まっている米サンフランシスコに拠点を移している。前職はゲームクリエーターだった小島由香CEO(最高経営責任者)は、既存のHMDではゲーム内のキャラクターとのコミュニケーションが一方的で、受け身になったり、少しプレーしただけで飽きることに不満があったことを明かし、「(FOVEで)ソードアートオンラインの世界ができるんじゃないと思う」と話している。

写真を見る全 5 枚

ゲーム 最新記事

MAiDiGiTV 動画