錦織圭選手:悲願の優勝に向け「自分自身期待している部分もある」 全米オープン明日開幕

全米オープンに第4シードで挑む錦織圭選手 写真:アフロ
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全米オープンに第4シードで挑む錦織圭選手 写真:アフロ

 米ニューヨークで31日に開幕するテニスの4大大会(グランドスラム)の一つ、全米オープンテニスに第4シードとして出場する日本のエース、錦織圭選手。大会初日には、フランスのブノワ・ペール選手と対戦する。昨年は準優勝を飾り、全米オープンは「好きな大会の一つ」で「自分自身期待している部分もある」と語る錦織選手に、大会への意気込みや展望を語ってもらった。

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 --昨年は準優勝ということで、今年は優勝に対する期待が高まっています。コンディションの仕上がりはいかがでしょうか?

 あまり優勝ということは考えていませんが、今年は新しい全米なので、決勝に行けるとも限らないので、自分自身のプレーを1回戦から貫いて、体調もテニスの調子もとてもいいので、しっかりやれば後半にいけるチャンスはあると思います。  

 --覚悟している部分があるのではないでしょうか?

 今年グランドスラムでとてもいい成績が出ていますし、ワシントンとモントリオールでいいテニスもできていたので、またハードコートでの自信も増えてきました。グランドスラムの戦いは長いので、しっかり1回戦を戦い1回ずつこなしていって、リラックスしながらも2週間戦い抜けたらいいなと思っています。

 --グランドスラムの中でも全米オープンにかける特別な思いはありますか?

 USオープンはお祭りのような感覚も大会にありますし、ホームといえるわけではないですが、住んでいるアメリカで調整がしやすく居心地の良さもあったり、ヨーロッパにいるよりはリラックスして臨める大会なので、USオープンは好きな大会の一つです。

 --いつもヨーロッパの遠征の疲れがあって、USオープンシリーズの出だしで結果が出ない、けががあるということが多かったと思いますが、優勝についてご自身の手ごたえはどの部分にありますか?

 今までの人生の中で、夏にあまり活躍できていなかったので、成績としては良い出だしが出せたと思います。同時に、内容もさらに良いテニスができ始めているので、自分自身期待している部分もありますし、気持ちと体力とけがをしないことだったり、テニスで今週、来週戦っていければチャンスはあると思います。 

 --昨年準優勝してから充実した時間を過ごしていると思いますが、「心技体」の中で去年はなくて、今、自分が手にしているものはありますか?

 体の面では全然違いますね。去年は不安が100%くらい占めていたので、その中で戦っていましたけど、今回は、気持ちにも体力的にも自信をもって臨めると思うので、もちろん、何か試合中にあれば別ですけど、体力的には問題はないので、今までで一番いいのではないでしょうか。テニスの調子もいいですし。あとはどれだけ試合の中で自分の力を出せるかというところなので。準備はしっかりできると思うので。あとは、しっかりコートで戦うことだけかなと思います。

 --第4シードということで、これまでよりも一つ上がって挑むグランドスラムというのは自分の中で臨み方が違ってくるのではないですか。あと初戦の相手であるペール選手の印象について教えてください。

 あまり考えていなかったですね。今、言われてふと思い出しましたけど。やる相手は最終的には変わらないし、ビッグ4の誰か2人、3人は倒さないと優勝できないので、それを決勝でやるか、その前にやるかの違いだと思います。そんなに僕自身は、シードについて考えたことはなかったです。ペール選手は最近、また調子を上げてきているので、けがをしてしばらく休んでいましたけど、サーブがいいのと、バックは僕の中ではトップ5くらいの実力はあると思うので、リターンだったり、バックからの組み立てはかなりうまいので、強い相手かなと思います。

 --去年「来年は必ず優勝する」と発言をしていましたが覚えていますか? あの時はどういう気持ちで言っていたのでしょうか。

 覚えていますね。決勝まできて、チームのみんなが期待してくれていたのも感じていたし、自分がいいパフォーマンスが決勝でできなかったのが、とても悔しかったので、チームのみんなにも悪いと思う気持ちもありました。その悔しさをしっかりと覚えていますし、また、ばねにして今年もそのあとしっかりプレーできていたし、この悔しい経験もたまには人生の中であってもいいかなと思います。

 --ワシントンで具体的にどのあたりがいいテニスができたのでしょうか?

 サーブとストロークの攻め方が自信をもって打っていけたので、サーブはエースの量が増えたり、マレーの試合はファーストが入らなくてセカンドをたたかれて、悪い流れにはなっていましたけど、その点をしっかりと直していければ、セカンドの強化もこれから必要になってきますし、モントリオールでワシントンよりいいテニスができていたのは感じていたので、ストロークで打ち負けない強さと自分からウイナーを取りに行けていたので、最後の(ダビド・)ゴファン選手と(ラファエル・)ナダル選手とのテニスが一番理想的なテニスかなと思います。

 --1年前に準優勝して、次のステップを上がるためにご自身でどこを一番変えようと思いましたか? 今振り返ってみて、1年前と何が変わりましたか?

 去年のUSオープンでは、自分の中でも一番いいテニスができていたと思います。なかなかそれを超えるというのは難しいと思います。より安定感が今年は増していると思いますし、1回戦負けがなくなったり、常に週の後半に行けるようになってきているので、マスターズでもモントリオールでベスト4に入れたり、自分の実力が底上げされているのは感じています。それはテニスの面も精神的な面でも良くなっていると思います。けがも今年はかなり少なくなってきているので、これからもしっかりトレーニングだったり、常に体のことを考えてケアしていきたいと思います。

 --達成感、充実感を感じたところは?

 ナダル選手に負け越していたので、勝てたことは時間がたってうれしいと思います。これで、より彼らと同じ土俵に立てるようになってきていると思います。自分のこれからは彼らが大きな敵になると思うので、どれだけ彼らに対抗できるかが大きなチャレンジでもあるので楽しみにしています。

 --他の選手にマークされ始め、自分のテニスができにくい状況にあると思います。どんなことがあっても自分が貫けるようになってきた感じがしますが、自分のテニスができるようになった感覚を教えてください。

 特にトップ10、トップ5の選手とやると、だいたい同じことをしてくるので、何となくここにくるんだろうなという読みができやすくなったりしています。その試合の中でも自分の戦い方を見つけていかないといけないし、試合中に考えないといけないことも増えてはきているので、研究されて嫌なところを突かれてくるというのも、自分自身楽なことではないので、そのおかげで自分の悪いところが見えて、自分が成長できることでもあるので、特に強い選手とやっていくと、より自分のテニスも完成していくのかなと思っています。

 *……WOWOWでは全米オープンテニスの模様を8月31日~9月14日まで連日生中継する。錦織選手も登場する大会1日目は31日午後11時55分~無料生放送。

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