鈴木福&芦田愛菜:「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」で声を担当「動いているのがすごく可愛い」

「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」で日本語吹き替え版の声を担当した鈴木福さん(左)と芦田愛菜さん(右)
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「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」で日本語吹き替え版の声を担当した鈴木福さん(左)と芦田愛菜さん(右)

 人気子役の鈴木福さんと芦田愛菜さんが日本語吹き替え版の声を担当した劇場版3DCGアニメーション「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」(スティーブ・マーティノ監督)が4日に公開された。鈴木さんは主人公のチャーリー・ブラウンの声を、芦田さんはチャーリー・ブラウンが思いを寄せる“赤毛の女の子”の声を担当している。互いの声の演技について、「いつもの愛菜ちゃんより大人っぽい声に聞こえました」(鈴木さん)、「チャーリー・ブラウンの声にぴったりだなと思いました」(芦田さん)と感想を述べ合う2人に話を聞いた。

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 ◇「自分らしく」演じた鈴木さん

 今作は、何をやってもうまくいかないチャーリー・ブラウンが、ある日、転校してきた赤毛の女の子に一目ぼれ。彼女に話しかけようとするが、その勇気が持てない彼が、ビーグル犬の“親友”スヌーピーの協力を得て、自分を変えようと努力する姿を描く。

 吹き替え版の監督の指示通り、チャーリー・ブラウンを「自分らしく」演じたという鈴木さん。それでも「チャーリー・ブラウンはすごく喜怒哀楽が激しくて、急に喜んだりとか怒ったりするので、そういうところは難しかったです。それから、立ち直りが早いところも結構難しかったです」と、立ち直りが「まあまあ」早い方という鈴木さんは、役作りにちょっぴり苦労したようだ。

 ◇芦田さんは「大人っぽく」

 一方、監督の演出を受けて、「大人っぽく演じる」ことを意識したという芦田さんは、「赤毛の女の子の最後のせりふがとても感動的で、チャーリー・ブラウンのことをいつも見ているよという気持ちを大切にして演じました」と振り返り、「赤毛の女の子は、結果だけじゃなくて、それまでの過程もちゃんと見て人を判断できるので、そういうところは尊敬しちゃうっていうか、私はまだまだだなと思いました」と打ち明ける。

 今年8月に開かれたスヌーピーのバースデーイベントのときには、恋する気持ちを「お母さんにいろいろ聞いてみます」と話していた芦田さんだが、お母さんからは「『経験だよ。答えはないから』と、なんか逃げられちゃいました(笑い)」とはぐらかされてしまったようだ。ならば、赤毛の女の子の気持ちを芦田さんなりに分析してもらおうとしたところ、「どんな気持ちだったんでしょうね……。チャーリー・ブラウンは赤毛の女の子に片思いですけど……。でも、女の子はチャーリー・ブラウンのことをちゃんと見ていて……」と推し量りあぐねている様子。すると鈴木さんが「でも、なんか、(赤毛の女の子は)あんまり好きって感じでもなかったよね」と冷静に分析。それに芦田さんが「うんうん」とうなずきながらも、「まあ、それは見てのお楽しみということで(笑い)」と、今度はこちらがはぐらかされてしまった。

 ◇2人がよくする空想は?

 映画には、チャーリー・ブラウンを助けるかたわら、たくましい空想力の持ち主のスヌーピーが、第一次世界大戦下のパイロット“フライング・エース”になりきり、大空を大冒険するエピソードもある。鈴木さんも空想は「よくする」そうで、とりわけ「遊んでいる夢」をよく見るという。1日に文庫本を「5冊くらい読む」という芦田さんも「図書館にベッドとかを置かせてもらって、違うジャンルの本をいっぱい読んで、そんな暮らしができたらいいなと空想します」と、本好きの素顔をのぞかせる。

 その芦田さんの答えを聞いていた鈴木さん。図書館にマンガがあれば、という仮定の上で、「僕ならたぶん、ずっとマンガのコーナーにいて、マンガを1日3冊くらい読むと思います。どちらかというとキャラクターの本を読んでいたいです」と愛嬌(あいきょう)たっぷりにコメント。鈴木さんは、毎月、マンガ誌「コロコロコミック」(小学館)を読んでいて、最近のお気に入りは、むぎわらしんたろうさんの野球マンガ「野球の星 メットマン」で、「野球のヘルメットをかぶったら野球がうまくなる話なんです。(ヘルメットは)未来のアイテムで、しゃべったり、頭の向こうからボールが出たりするんです」と解説してくれた。

 ◇もしルーシーの「心の相談室」があったら…

 原作では、チャーリー・ブラウンが監督とピッチャーを務める草野球チームはいつも負けてばかり。鈴木さんが話す「メットマン」のヘルメットが、もし、チャーリー・ブラウンにもあったら……と思わずにいられないが、それはともかく、チャーリー・ブラウンは、赤毛の女の子にいいところを見せたくて、「できる男になろう」と発奮する。では、鈴木さんと芦田さんにとって、「できる男」「できる女」とは、どういう人物なのだろうか。その問いに鈴木さんは「カッコよくて、優しくて、人のことを考えられる人です」と即答。芦田さんは、ちょっと考え込んでから、「人の意見をちゃんと聞いて理解できるとか、そういう人はカッコいいなと思います」と答えた。

 映画にはまた、チャーリー・ブラウンの友達で、いつも強気で口うるさく、いたずら好きのルーシーが“開業”する精神分析スタンド「心の相談室」も登場する。それにちなんで、2人ならルーシーに何を相談するか、と尋ねたところ、鈴木さんは「う~ん、あんまり相談することってないなあ」と首をかしげ、悩んだ末に出した答えは「どうやったら算数とか頭がよくなるかとか、かなあ」。そして、芦田さんが「私は、ルーシーが相手だと、心の相談というよりもたくさんお話を聞いてもらって、くよくよするなと一喝されるほうが吹っ切れて、すっきりする気がします」と答えると、鈴木さんも「あ、それ、いいかもしれない」と賛同していた。

 好きなシーンは、ともに「最後のシーン」を挙げた鈴木さんと芦田さんは、最後に「チャーリー・ブラウンと仲間たちの友情や、スヌーピーの空想のシーンが大迫力なので、3Dで見てほしいなと思います」(鈴木さん)、「私は、動いているスヌーピーがすごく可愛くて、3Dならではのスヌーピーをぎゅーっとしたくなるような、もふもふ感を、ぜひ見てもらいたいなと思います」(芦田さん)と2人とも笑顔でメッセージを送った。4日から全国で公開。

 <鈴木福さんのプロフィル>

 2004年生まれ、東京都出身。06年にNHK「いないいないばあっ!」で芸能界デビュー。10年のNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」、映画「ちょんまげぷりん」を皮切りにドラマや映画に出演。11年には芦田愛菜さんと共演したドラマ「マルモのおきて」で爆発的人気を博した。ほかにドラマでは「妖怪人間ベム」(11年)、「コドモ警察」「一休さん」(共に12年)、映画では「映画 妖怪人間ベム」(12年)、「コドモ警察」(13年)などがある。また、アニメーション「マクダルのカンフーようちえん」(09年)、「映画ドラえもん のび太と奇跡の島~アニマルアドベンチャー」(12年)などで声優を経験している。

 <芦田愛菜さんのプロフィル>

 2004年生まれ、兵庫県出身。CMや映画、ドラマなどで子役としてのキャリアをスタート。10年、ドラマ「Mother」での演技で注目を浴びる。映画「ゴースト もういちど抱きしめたい」(10年)で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。鈴木福さんと共演したドラマ「マルモのおきて」(11年)でブレーク。映画「阪急電車」「うさぎドロップ」(共に11年)ではブルーリボン賞新人賞を受賞。13年には「パシフィック・リム」でハリウッドデビューを飾り、14年には、映画「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」とドラマ「明日、ママがいない」で単独初主演を果たした。また、アニメ映画「怪盗グルー」シリーズ(10年、13年)で声優を務めた。

 (インタビュー・文・撮影/りんたいこ)

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