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降谷建志:シングル「Prom Night」発売 「ライブに来てくれる人との一期一会のつながりを書いた」

芸能
ソロシングル「Prom Night」について語った降谷建志さん

 人気ミクスチャーバンド「Dragon Ash」のフロントマンとして知られるKjこと降谷建志さんが、ニューシングル「Prom Night」を16日にリリースした。これまでのソロ作品と同様に収録曲全3曲の作詞・作曲、すべての楽器演奏を自ら手がけ、「ライブにまつわる1日のストーリー」をコンセプトとした仕上がりになっている。表題曲はフジテレビ系ドラマ「トランジットガールズ」のテーマソングとしても話題のミディアムナンバーだ。降谷さんに、今作に込めた思いや楽曲の制作秘話などについて聞いた。

 ――表題曲「Prom Night」を作ろうと思った経緯は?

 Dragon(Ash)で長野のフェスに行って、俺はライブが終わってすぐにアフターパーティーで松本に行って、友達のライブに出たり。それで、(Dragon Ashのベース担当の)KenKenがDJをやったりしてるところに長野のフェスに来ていた子たちがいて、こういう機会もそんなに多いわけじゃないから、そのファンの子たちと5、6人で朝まで飲んだんですよね。そこでお互いにいろんな話をして、ジプシー(ミュージシャン)と、生活の時間を大幅に割いてそれを見に来てくれる子たちの関係って、すごくロマンチックだなと思って。その子たちとのその夜を忘れないためにっていうのと、その子たちの愛に応えるためにっていうか。自分と、ライブに来てくれる人たちとの一期一会のつながりについて曲にしたという。

 ――タイトル「Prom Night」にはどんな意味合いが込められているんですか。

 「Prom Night」は、アメリカでいう学生の卒業パーティーとかのことで、非日常というか、みんな着飾って、男の子は女の子と行ったり、子供たちが大人のようにパーティーするっていう。種類は違うけど、(ライブも)バンドTシャツを着飾って好きなラバーバンドとかして、例えば、何カ月も前からお互いにその現場を楽しみにしてたり。特別な時間だし、それがアメリカでいう「Prom Night」に近いのかなと思って。ロマンチックっていう自分の中での感覚だったので、(サウンドも)メローに作ろうと思ったし、3拍子で、プロムパーティーのチークタイムに流れるような音楽のコード進行というか、ほんのりオールディーズみたいなものをにおわせているところもあるかな。

 ――今作は、ドラマ「トランジットガールズ」のテーマソングになっていますが、ドラマもご覧になったそうですね。

 (RHYMESTERの)Mummy‐Dさんが出てたり、Dさん(演じる主人公の父親)の死んだヨメ役がYOUさんだったり、フタを開けてみれば身近な人がたくさん出てるのが面白かった。Dさんともそのことで電話で話しました。「そこはそんなにいじるなよ」って感じだったんであんまりいわなかったんですけど、「変な共演でしたね」みたいな(笑い)。YOUさんとは「いきなり(登場シーンが)遺影かい」みたいな話はしたかな。「いやっだ~」っていってましたけど(笑い)。

 ――そして、2曲目「Unchain My Heart」も「Prom Night」と同じくライブをテーマにしていて、まさにステージに立っている時の感覚を歌ったような内容で、爽快さもあります。

 そうですね。そもそもコンセプチュアルなマキシシングルにしたくて。マキシシングルっていうフォーマット自体、90年代半ばぐらいに俺たちのちょっと先輩の世代の人たちが、短冊(8センチCD)がカッコ悪いっていってやり出したんだと思うんですよね。要はカラオケを入れちゃったり、ホントに宣伝ツールだったと思うので。それがクリエーティブじゃないと思った人たちがマキシシングルを作って、たぶん3曲入れるようになったと。

 それがロックの人だけじゃなくてみんなが「カッコいい」ってなって、今度はポップスやアイドルの人もマキシを出すようになって、あの短冊(8センチCD)が消えた。あれはクリエーティブな人たちが(CDの)フォーマットを揺るがした大きな出来事だと思うんですね。俺はその世代にバンドマンを目指してたので、マキシシングルがカッコいいものだっていうイメージが今の子たちよりはるかに強い。だから、出すんであればきちんと作品性を踏まえてアートフォームとして成立するようにしたくて。要は「Prom Night」を聴きながらライブに赴いて、「Unchain My Heart」みたいな曲をライブで聴いて、3曲目の「Late Hours」を聴きながら帰るなり1日を終えるっていう。ライブに行く、またはライブをする1日の始まりから終わりまでみたいなものを描きたかったんです。

 ――3曲目「Late Hours」を作ろうと思った直接のきっかけは?

 Dragon AshのライブリハでベースのKenKenにひさびさに会ったんですよ。だいたい週1、2回ぐらいライブをやってるんで、いつも会ってる感じなんですけど、2週間ぐらい空いたんで「久しぶりじゃん」みたいな話をする中で、「不眠症になった」みたいなことをKenKenが話していて。あいつは人を楽しませたり、音楽を提供するためだけに生きてるような人間なので、人を喜ばせるために全エネルギーを使ってる人が、人を楽しませたあとに夜、眠れないなんて悲しいし、そういう時間だけでも健やかな気持ちでゆっくり休めたらいいのにな、という思いからできた曲です。

 ――なるほど。それでは最後に今年を振り返りつつ、16年の抱負を聞かせてください。

 ソロデビューで太い根みたいなものがもう1本できて、ちゃんと両立させていけるのかは不安だったんですけど……。特にライブに関しては単純に数が増えている感覚で。両立し始めたばっかだから、窮屈に感じるのか、相乗効果で音楽家として充実していくのかはこれからでしょうね。今は充実してますけど。でも、今年はDragon Ashの制作を1曲もやっていないので、制作まで両立していくとなるともっと大変ですから、それがうまくできたらいいですね。

 <プロフィル>

 1979年2月9日生まれ、東京都出身。97年にDragon Ashのボーカル&ギターとしてデビュー。2015年3月、配信シングル「Swallow Dive」でソロ活動をスタートさせ、6月には初のソロアルバム「Everything Becomes The Music」をリリース。降谷さんがハマったマンガは、中学生の頃から読み始めた「ウダウダやってるヒマはねェ!」。「(コミックが)今でも家に全巻ありますね。天草銀っていうキャラクターが出てきて、通称“アマギン”っていわれてるんですけど、アマギンのたたずまいは、今も昔も俺の男としての理想。セパハン(セパレートハンドル)のバイクに日本刀を差して、(ヘル)メットなしで走ってるんですけど、もともとバンドマンで、削ぎ落とすところが一切ないぐらいの体で、研ぎ澄まされていて。歩くストイックみたいな感じで、理想です」と話した。

 (インタビュー・文/水白京)

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