降谷建志:大河出演を決めた心境明かす 「勇気が必要だった」

NHK提供
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 ミクスチャーロックバンド「Dragon Ash」の降谷建志さんがNHK大河ドラマ「八重の桜」で、新選組の斎藤一役として本格的な俳優に初挑戦している。出演を決めた心境を、「14歳くらいからロックバンドをやっていて、20年、これしかやっていない。バンドマンが世界一カッコいいと思っている。今までかたくなに(ほかのことを)やらなかった。もともとテレビに出ないことを美徳にしているので、(出演には)勇気が必要だった」と語る降谷さんにドラマへの思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「八重の桜」は、福島県出身で戊辰(ぼしん)戦争の落日、会津の鶴ケ城に500人の女たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、のちに同志社を創設した新島襄(オダギリジョーさん)の妻となる八重(綾瀬はるかさん)の生涯を描く。降谷さんが演じる斎藤一は、新選組三番隊組長で「局中一、二の剣客」と記した資料もあるほどの剣の使い手。新選組を率いて会津戦争に加わり、維新後、八重の幼なじみ・高木時尾(貫地谷しほりさん)と結婚。警視庁に入り、西南戦争にも従軍。晩年は東京女子師範学校の庶務係兼会計係となる。

 降谷さんは、内藤愼介エグゼクティブプロデューサーからオファーを受けた際、最初は「人生、初めての寝耳に水」と驚いたという。出演を決めた理由として、ドラマが東日本大震災の被災地である福島県を舞台にしていることを挙げ、「大河ドラマの舞台になると観光など大きなお金が動くと聞いて、(自分が出演することで)100円でも1000円でも上乗せできるのなら……と思ったら、『ノー』という度胸がなかった」と当時の思いを振り返る。

 降谷さんは、内藤プロデューサーからドラマに登場する斎藤一について「カミソリみたいに触るものを傷つけてきた男が、愛する女性と出会って変わっていく」と説明されたといい、「結婚して、子どもができて……というのは男にとっては階段。自分もそうなれたらと思う」と自身と重なるところがあったようだ。さらに、斎藤一への思いを「(04年放送の大河ドラマ)『新選組!』でオダギリジョーさんが斎藤を演じていたのを見ていたのと、『るろ剣』(斎藤が登場する「マンガ『るろうに剣心』)世代なので、そのイメージ。自分も仲間と群れて行動しているので、新選組にシンパシーを感じる」と語る。

 共演者には「17歳くらいのときにお話ししたことがある」という木戸孝允役の及川光博さん、「レジェンド。カッコいいし、メチャクチャうまい」と尊敬する西郷隆盛役の吉川晃司さんといったミュージシャンの顔を持つ人物も名を連ねる。撮影現場では、吉川さんに「こういうの初めて?」「(ドラマに)出ちゃうんだ?」などと声を掛けられたこともあるといい、「バンドマンはバンドマンに優しいですよ」とうれしそうに話す。

 「ルーキーですから、セットにいるだけで楽しいし、誰よりも一生懸命やっているつもり」とフレッシュな気持ちで撮影に 臨んでいる降谷さん。現在は、ドラマの撮影を1週間行った後、音楽制作に1週間費やす……という日々を過ごしているという。「(音楽制作の)スタジオワークってこんなに孤独だったんだ……と思った。それを感じるようになったのがデメリットかな? 20年間、ロックから片時も離れたことがなかったし、器用なタイプではないけど、盲目的にまい進しています」と撮影に音楽に前向きに語っていた。

 NHK大河ドラマ「八重の桜」はNHK総合テレビで毎週日曜午後8時から放送中。

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