2016年冬アニメ短評:アニメ記者が独断と偏見で語る(後編)

「僕だけがいない街」のビジュアル(C)2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会
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「僕だけがいない街」のビジュアル(C)2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

 今年の冬アニメが出そろってから約1カ月がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「僕だけがいない街」「ハルチカ~ハルタとチカは青春する~」など話題作を独断と偏見で語る。

ウナギノボリ

 ◇僕だけがいない街

 「ヤングエース」(KADOKAWA)でマンガを初めて目にしたとき、ミステリーとタイムトラベルの要素を組み合わせた先の見えない展開にビックリ。複雑な設定で今のアニメの流行ではないと思っていたから、アニメ化にビックリ。そして土屋太鳳さんと満島真之介さんのキャスティングにビックリで、それが「ソードアート・オンライン」の伊藤智彦監督の意向というから、さらにビックリ。ここまで来たら、犯人が原作マンガとは違って皆がビックリする!……ぐらいの衝撃の驚きをもアリじゃないか!……と思う次第です。1人2役のキャスティング、特にウブな反応をする29歳の悟もグー!(成)

 ◇Dimension W

 岩原裕二さんが「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)に連載中の人気マンガが原作。偏屈極まりないオッサンと萌(も)え要素たっぷりの可愛らしいアンドロイドという両極端な2人によるバディものだが、オッサン(キョーマ)がとことんドライなので、「アンドロイドとの報われない恋」などが生まれる要素はどこにもなく、ヒロインに萌えつつも純粋にスピード感あるバトルやコイルの謎を追うサスペンス要素が楽しめる。愛車のトヨタ2000GTや法被風のファッション、銃器を使用せず鉄串を投げる戦闘スタイルなど、近未来の中で逆に映えるこだわりのオールドスタイルもカッコいい。それにしても、オープニングのオッサンの変なダンスが気になって、毎回ついつい見てしまう……。(鰭)

 ◇ハルチカ~ハルタとチカは青春する~

 謎を解決する中で、仲間が増えていくという「南総里見八犬伝」のような展開で、高校生の心の動きも丁寧に描かれている。ライトノベル「棺姫のチャイカ」のイラストでも知られるなまにくATKさんが手がけたキャラクターデザインは、原作小説の表紙の絵とは印象が異なるため、好き嫌いが分かれるところかもしれないが、個人的には、チカ(穂村千夏)ちゃんや成島(美代子)さんが可愛い! などとニヤニヤしながら楽しんでいる。チカとハルタ(上条春太)、草壁信二郎先生の意外な三角関係も話題になっていて、恋の行方が、私、気になります!(鉄)

 ◇ナースウィッチ小麦ちゃんR

 カルト的な人気で一部ファンの支持を集めた往年の話題作が10年ぶりに地上波で復活すると聞いた時は、思わず「どんな判断だ」と口にしてしまったが、エッジの利いた作品が思わぬヒットを飛ばす昨今の状況を考えると、「これもありか」と自己完結してしまった。メインキャストを初主演の巴奎依さんを筆頭とした新人で固め、浪川大輔さんらベテラン勢がサブキャラとしてバックアップするという流れなので、回を追うごとに若手勢の上達を感じられるのは楽しい。タツノコプロが制作していることもあって、ハクション大魔王をはじめとした往年のタツノコ作品のキャラクターがカメオ出演しているのも見どころ。(立)

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