女優の二階堂ふみさんが2日、東京都内で行われた主演映画「蜜のあわれ」(石井岳龍監督、4月1日公開)の試写イベントに登場。高校生の頃に原作を読み、映画化を望んでいたという二階堂さんは、自身が演じた金魚をイメージした軽やかな赤の衣装に身を包み、「映画の取材中は全部赤い衣装を着ていて、現場で着た衣装を思い出します」と笑顔。石井監督と、同じく原作のファンだという歌人の穂村弘さんとともに、作品の魅力を語った。
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この日は、国内外の作家や翻訳家、編集者と読者が集まる「東京国際文芸フェスティバル」の一環で開催された試写イベント。穂村さんは映像化について「びっくりしましたね。(原作は)好きな小説ですけれど、映像化はできないと思っていた。一人一人の読者の中で理想の少女ができているので、それを超えるのはすごい」と感心。映画については「ずっといちゃいちゃしている話。老人と金魚ってどっちも長く生きないので、命を懸けていちゃいちゃしている感じがすごく出ていてスパークしている」と、二階堂さんと相手役の老作家を演じた大杉漣さんの演技を絶賛した。
映像化について、石井監督は「俳優さんの感情表現で演じきってもらって、フィクションの隙間(すきま)をなくす。それがパーフェクトに作れた」と自信を見せた。二階堂さんは「言葉に意味を持たせないで発していた。割と現場でいろいろやってみるとすごく楽しくなった。ノリという言い方は違うかもしれないんですけれど」と、撮影を振り返った。相手役については「とっても優しくて温かくて、チャーミングなところがある。パンがお好きで、(お店で)すごくうれしそうにパンを選んでらっしゃった」と大杉さんの意外な一面を明かしていた。
映画は、室生犀星の同名小説が原作。金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子(二階堂さん)と老作家(大杉さん)、老作家の過去の女で怪しげな幽霊(真木よう子さん)の三角関係を描いている。俳優の永瀬正敏さんが金魚売り役で出演しているほか、高良健吾さんも芥川龍之介役で登場している。
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