注目映画紹介:「暗殺教室-卒業編-」 「暗殺」か「救済」か 殺せんせーのすべてが明らかになる完結編

映画「暗殺教室 -卒業編-」のメインビジュアル (C)2016 フジテレビジョン 集英社 ジェイ・ストーム 東宝 ROBOT(C)松井優征/集英社
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映画「暗殺教室 -卒業編-」のメインビジュアル (C)2016 フジテレビジョン 集英社 ジェイ・ストーム 東宝 ROBOT(C)松井優征/集英社

 松井優征さんの人気マンガを、アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介さん主演で実写化した映画「暗殺教室」の完結編となる第2作「卒業編」(羽住英一郎監督)が25日、公開された。主人公・潮田渚役の山田さんに加え、赤羽業(カルマ)役の菅田将暉さん、茅野カエデ役の山本舞香さんといった今をときめく注目の若手が引き続き椚ケ丘中学3年E組の生徒役として出演。月の7割を蒸発させた謎の生物・殺せんせーの過去や正体、本当の目的が明かされるほか、3年E組のおちこぼれ生徒たちと殺せんせーとの暗殺を通じた交流の最終局面が描かれている。

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 「暗殺教室」は、テレビアニメ化された「魔人探偵脳噛ネウロ」を手掛けた松井さんが2012年7月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載を開始した人気マンガで、コミックスの累計発行部数は2000万部を突破している。謎の生物・殺せんせーが、落ちこぼれが集まる椚ケ丘中学3年E組の担任となり、生徒たちが先生の暗殺を試みる……というストーリーで、原作マンガは19日に発売された「週刊少年ジャンプ」16号で最終回を迎え、約4年の連載に幕を閉じた。実写映画は、原作者の松井さん自ら脚本や設定の一つ一つに関わった連動プロジェクトとして、マンガ同様にその結末が注目を集めていた。

 「卒業編」では、人気グループ「嵐」の二宮和也さんが前作に引き続き殺せんせーの声を担当するほか、殺せんせーの過去の姿である最強の殺し屋「死神」を演じ、殺せんせー誕生の鍵を握る柳沢教授役で成宮寛貴さん、3年E組の元担任・雪村あぐり役で桐谷美玲さんも登場。物語は、殺せんせー暗殺に残された時間は半年ほどとなった2学期のある日、新たな暗殺者が姿を現わす。その正体はE組の生徒の一人であるカエデで、彼女のとある告白をきっかけに、殺せんせーはかつて「死神」と呼ばれた最強の殺し屋であったことなどを語り始める。殺せんせーの驚愕の過去を知った3年E組の生徒たちは動揺を隠せず「暗殺」か「救済」かで真っ二つに割れてしまう……という内容となっている。

 ヌルヌル、ニョロニョロと触手を器用に操り、時に目にもとまらぬスピードで移動するフルCGの殺せんせーは相も変わらずキュートで可愛らしい。さらに今作では背中で語るような哀愁も漂わせるなど、ぐっと人間味を増していて、思わず感情移入してしまう場面もあった。そんな殺せんせーが鬼の形相を見せる、“マッドサイエンティスト”柳沢教授との最終決戦、そこに至るまでの3年E組の生徒たちの奮闘ぶりは今作の最大の見どころで、派手な爆破シーンを盛り込むなど、スリリングな展開の中、生き生きと破壊工作を繰り広げる渚やカルマたちの姿には目を奪われてしまった。

 設定こそ荒唐無稽だが、描かれているのは落ちこぼれ生徒たちの成長と変化、肉体と肉体のぶつかり合いによって生まれる友情、先生と生徒にしか理解できない絆といった王道学園もののそれで、原作マンガと実写映画の完結により、過去の学園ドラマや映画に欠かせない名物教師の系譜に、殺せんせーも名を刻んだといっても過言ではないだろう。映画はTOHOシネマズ六本木ほか全国で公開中。(山岸睦郎/MANTAN)

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