2016年春アニメ短評：アニメ記者が独断と偏見で語る（後編）

　今年の春アニメが出そろってから約1カ月がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「甲鉄城のカバネリ」「ハイスクール・フリート」「プリパラ」第3シーズン、「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った？」を独断と偏見で語る。

ウナギノボリ

10年前の朝ドラ「花子とアン」　当時の吉高由里子インタビュー

　◇ハイスクール・フリート

　最初のタイトルが実はダミーで、1話終了後に変更される仕掛けが話題になるなど、何かとイロモノ扱いされそうですが、実は各話の最後に次回のヒキをきちんと作るなど丁寧な作りが好印象で、むしろ正当派かと。艦艇の戦闘描写も、「ガールズ＆パンツァー」の戦車戦に通じるものがあり、迫力満点でワクワクさせられます。弱小艦艇が、強い艦を打ち破るコンセプト通り、後半はもっと盛り上がってほしい！　なお、何をやっても幸運に恵まれる主人公の艦長よりも、不幸体質の副艦長に「頑張れ！」と言いたくなるのは私だけではないと思いたい。（成）

　◇甲鉄城のカバネリ

　監督は荒木哲郎さん、制作はWIT STUDIOという「進撃の巨人」のタッグであることに加え、城塞都市で怪物から身を守るという設定で、最初はついつい「進撃の巨人」と比較してしまっていた。しかし、そこに美樹本晴彦さんのキャラクターが加わることで、映像に独特の色気が備わったように感じた。ひたすらに美しい美樹本キャラを21世紀の技術で描くことで、これまでにないような今風のみずみずしさが生まれている。不世出の逸材たちの競演が思う存分堪能できる作品だ。（立）

　◇プリパラ　第3シーズン

　らぁらがママに！？　第3シーズンの衝撃の展開が発表された際は「父親は誰なんだ！！」「らぁらは小学生だぞ！！」などと取り乱しそうになったが、空から降ってきた不思議な赤ちゃん・ジュルルの母親代わりになるということで一安心した。ママゴト要素が追加されたことで、子育てを中心とした展開になったところが新鮮。新キャラクターでプロフィル不明の3人組アイドルチーム「トライアングル」もインパクト大。担当声優が伏せられているが、正体は一体！？　発表が楽しみだ。（鉄）

　◇ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った？

　聴猫芝居（きねこ・しばい）さん作、Hisasiさんイラストのライトノベルが原作の作品。基本的には主人公がオンラインゲームの仲間たちと作った“ネトゲ部”で日々ゲームをしているだけ、なのだが、物語の核にあるのはオフライン＝日常の中での人間関係なので、ネトゲ用語の知識が皆無でも抵抗なく楽しめる。一見よくあるラブコメ展開かと思いきや、実はヒロインの成長物語という側面もあり、甘酸っぱさとともにほろりとさせられる要素もちらほら。ギルドの仲間が実は全員身近な女性（しかも若い）で、ヒロインはゲームの姿と変わらぬ美少女……と、ややでき過ぎな設定にツッコミたくはなるが、それを補って余りある各キャラクターの魅力（特にアコ）に毎回思わず引き込まれてしまっている。（鰭）