今週シネマ:13、14日公開の映画「世界から猫が消えたなら」「殿、利息でござる!」「ヘイル、シーザー!」…

映画「世界から猫が消えたなら」のビジュアル (C)2016 映画「世界から猫が消えたなら」製作委員会
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映画「世界から猫が消えたなら」のビジュアル (C)2016 映画「世界から猫が消えたなら」製作委員会

 今週公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。13日は、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の最新作「ヘイル、シーザー!」が公開。14日は、俳優の佐藤健さん主演の「世界から猫が消えたなら」(永井聡監督)、俳優の阿部サダヲさんが時代劇で初主演した「殿、利息でござる!」(中村義洋監督)などが公開される。

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 「世界から猫が消えたなら」は、「モテキ」や「電車男」などを手がけた映画プロデューサーの川村元気さんのベストセラー小説が原作。2013年の本屋大賞にノミネートされたほか、マンガ化やラジオドラマ化もされている。映画は、余命わずかと宣告された郵便配達員(佐藤さん)が、自分と同じ姿をした悪魔と「世界から何かを一つ消すことで、一日の命を得る」という取引をしながら、かつての恋人や親友、家族との絆を確かめていく……という内容で、「映画マニアの親友」が「僕」のため人生の最後に見る一本を懸命に探し出そうとするシーンや、「母さん」から「僕」へと向けられた無償の愛が語られるシーンなどが胸を打つ。従順で可愛らしい猫や、絵画のように美しい景色にも注目したい。宮崎あおいさん、濱田岳さん、奥田瑛二さん、原田美枝子さんも出演している。

 「殿、利息でござる!」は、磯田道史さんの著書「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」が原作。江戸時代中期の仙台藩吉岡宿を舞台に、年貢の取り立てや労役で困窮する宿場町を守るため、十三郎(阿部さん)ら庶民9人が藩に千両を貸し、毎年の利子を全住民に配分する「宿場救済計画」を立てて奮闘する姿が描かれている。主演の阿部さんをはじめとした実力派キャストたちによる演技のアンサンブルが随所で光っており、笑えるシーンもありつつ、人情や絆といった要素がちりばめられていて心温まる。瑛太さん、妻夫木聡さん、竹内結子さん、松田龍平さんら豪華キャストが集結。男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が仙台藩の藩主・伊達重村役でゲスト出演している点にも注目したい。

 「ヘイル、シーザー!」は、ハリウッドの黄金時代を舞台に、スタジオの“何でも屋”が大スターの誘拐事件を追うコメディー作。ハリウッドのスタジオで、命運を懸けた超大作「ヘイル、シーザー!」の撮影中、主演俳優で世界的大スターのベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニーさん)が突然、姿を消し、スタジオには誘拐を匂わせる脅迫状が届く……という内容。誘拐事件というとっつきやすい話が軸になっているため、映画通でなくても楽しめる。娯楽産業での赤狩りという当時の世相を反映した内容も盛り込まれ、ただ楽しいだけでなく、ピリリと心に刺さる笑いがくせになる一作だ。

 このほか、13日はウィリアム・シェークスピア没後400年を記念して「英国王のスピーチ」(2010年)の製作チームの元で作られた「マクベス」(ジャスティン・カーゼル監督)が公開。14日は、アニメ「世界名作劇場」シリーズや「未来少年コナン」などを手がけてきた制作会社「日本アニメーション」の40周年記念作品として製作された劇場版3部作の完結編「シンドバッド」(宮下新平監督)が公開される。

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