肺炎による多臓器不全のため12日に死去した舞台演出家の蜷川幸雄さん(享年80)の告別式が16日、東京・青山葬儀所で営まれた。蜷川さんが手がけた舞台などに使われていた楽曲が流れる中、藤原竜也さん、小栗旬さん、市村正親さん、香川照之さん、高畑充希さん、渡辺謙さん、「嵐」の二宮和也さん、松本潤さんら関係者が続々と参列した。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
蜷川さんに見いだされて俳優デビューした藤原竜也さんは弔辞に立ち、「もっと一緒にいたかったし、仕事がしたかったです。蜷川さんからの直接の言葉は心の中でしか聞けませんけれども、蜷川さんの思いを、ここにいるみんなでしっかり受け継いで頑張っていきたいと思います。気を抜いたら、バカな仕事をしていたら怒ってください」と涙で時折言葉を詰まらせながら語り、「1997年、あなたは僕を生みました。19年間、苦しくも、まあほぼ憎しみでしかないんですけど、本当に最高の演劇人生をありがとうございました」と感謝し、「蜷川さん、それじゃあ、また」と別れを告げた。
藤原さんのほか、平幹二朗さん、大竹しのぶさん、吉田鋼太郎さん、小栗旬さんも弔辞に立った。今年10月に「ハムレット」に出演する予定だった小栗さんは「蜷川さん、どうします。予定していた僕との公演。嫌われて、俺も勝手に嫌って、仲直りして、あんなにしっかり握手して約束したのに、悔しいです」「僕が会いに行くまでに新しいハムレットの演出を考えておいてください。そのときにダメになったなと言われないようにこちらで頑張ります。時々でも夢でもいいのでしかりに来てください」と語り、「僕の生意気をいつも受け止めてくれてありがとうござました。とことん踊らせてくれて、ありがとうございました。道を照らし続けてくれて本当にありがとうございました」と感謝した。
蜷川さんは1935年10月15日生まれ、埼玉県川口市出身。55年に「劇団青俳」に入団し、68年に劇団現代人劇場を創立。69年に「真情あふるる軽薄さ」で演出家デビューを飾った。72年、演劇集団「櫻社」結成。74年、同劇団を解散後、「ロミオとジュリエット」で大劇場へ進出し、以降、国内外の現代劇から近松門左衛門、シェークスピア、ギリシャ悲劇など幅広い作品を次々と世に送り出した。また、83年の「王女メディア」ギリシャ・ローマ公演を皮切りに毎年海外公演を行い、その活動は海外でも注目され高い評価を得てきた。88年、「近松心中物語」の第38回芸術選奨文部大臣賞をはじめ受賞歴多数。映画「蛇にピアス」(2008年)やテレビドラマの監督も務めた。
◇主な参列者(順不同、敬称略)
とよた真帆▽鈴木杏▽蒼井優▽毬谷友子▽松本潤▽二宮和也▽高橋惠子▽月川悠貴▽比企理恵▽香川照之▽長谷川博己▽高畑充希▽松坂桃李▽大野拓朗▽中尾彬▽浅丘ルリ子▽山本裕典▽宮本亜門▽笠井信輔(フジテレビアナウンサー)▽瑳川哲朗▽上田清司(埼玉県知事)▽市川猿之助▽佐藤隆太▽森進一▽森喜朗(元首相)▽尾関陸▽菊田大輔▽藤木直人▽大林素子▽大竹しのぶ▽岡本健一▽平幹二朗▽生田斗真▽橋本さとし▽市村正親▽篠原涼子▽鶴田真由▽尾上松也▽山本寛斎▽渡辺謙▽小栗旬▽田山涼成▽マルシア▽横田栄司▽藤原竜也▽桂由美▽斎藤洋介▽原田美枝子▽上川隆也▽満島真之介▽古畑新之▽多部未華子▽吉田鋼太郎▽石橋蓮司▽柿澤勇人▽北村一輝▽夏木マリ▽矢野聖人▽井浦新▽斎藤工▽銀粉蝶