名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
WOWOWのアニメ枠が約8年ぶりに“復活”したことがアニメファンの間で話題になっている。4月から「アニメプレミア」という枠を新設し、地上波でも放送中の「迷家-マヨイガ-」を先行放送。WOWOWはこれまでもアニメに力を入れていたが、このタイミングで枠を新設した狙いは? アニメプレミアを担当するWOWOWの制作部の遠藤裕さんに、新設の経緯や今後の展開について聞いた。
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アニメプレミアの第1弾「迷家-マヨイガ-」は、「ガールズ&パンツァー」などの水島努さんが監督、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの岡田麿里さんがシリーズ構成を手がけたオリジナルアニメとして放送前から注目を集めていた。MBSほかの深夜アニメ枠「アニメイズム」でも放送中だが、WOWOWでは毎週金曜午後10時半に先行放送している。7月からは、同じくアニメイズムでも放送される三浦建太郎さんの人気マンガが原作の「ベルセルク」を先行放送する。
WOWOWでは1998~2008年に「カウボーイビバップ」「フルメタル・パニック!」など地上波の新作テレビアニメのほか、「ブレンパワード」「カイバ」など独自の作品も放送していた。08年以降も劇場版アニメやOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)を放送したり、12年には松本零士さんが80年代に執筆したシナリオをアニメ化した「オズマ」を放送するなど、これまでもアニメに力を入れていなかったわけではない。しかし、枠を設定するには至らなかった。
遠藤さんは、4月というタイミングで枠を新設した経緯を「アニメを取り巻く状況が変化している中で、今はアニメ業界全体がビジネスモデルを模索している。新しい方法に機運があり、また参入しやすくなった」と話す。
一般的に深夜アニメは、DVDなどのソフトや原作の売り上げで制作費を回収しているが、最近はソフトがなかなか売れない……という言葉をアニメ業界の関係者から聞くことが増えてきた。「ネットフリックス」など有料の動画配信サービスも注目を集め、アニメの配信が増える中、アニメ業界は、ソフトの売り上げ以外からの収入源を模索している。業界全体が変化している状況を、遠藤さんは参入への「チャンスだった」と語る。
近年、深夜アニメは1クールで30本以上が放送されている。熱心なアニメファンの中には全作品をチェックする人もいるが、どれを見たらいいのか分からない……という声もある。アニメプレミアは、キュレーション的な役割も持たせたいという意向もあり、遠藤さんは「数ある中からセレクトしていき、いずれは枠がブランド化していけば、と考えています」と話す。現在のラインアップには、いわゆる“萌え”アニメはないが、遠藤さんによると「特に制限を考えているわけではない。いろいろな作品を放送していく枠にしたい」という。
アニメプレミアの滑り出しについて、「加入者の方の反応はいいですね」と自信を見せる遠藤さん。「地上波とバージョン違いを放送するなども面白いかもしれません。いろいろやり方はあると思います。アニメビジネス全体が盛り上がるような動きができれば」とも話しており、今後の展開が注目される。
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