2016年春アニメ短評:アニメ記者が独断と偏見で語る(前編)

「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」のビジュアル(C)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」のビジュアル(C)創通・サンライズ

 今年の春アニメが出そろってから約1カ月がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」「迷家-マヨイガ-」「くまみこ」を独断と偏見で語る。

ウナギノボリ

 ◇機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096

 2010年からリリースされた名作OVAをテレビシリーズに再編集した作品。テレビ放送では数十年ぶりの宇宙世紀シリーズということに加え、スケジュールに追われるテレビ作品とは一線を画する映像はさすがの一言で、安心して見ていられるのはうれしい。そして何といっても1~3話の副音声で、原作者の福井晴敏さん、リディ・マーセナス役の浪川大輔さんらのフリートークが楽しめたのが良かった。脱力感のあるやり取りは秀逸だったので、ぜひまた企画してほしい。(立)

 ◇ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない

 原作マンガも大好きで、展開も分かっているはずなのに、しっかり見てしまうあたりは、さすが「ジョジョ」シリーズ最高峰(断言)。戦いが前面に出た前作の3部よりも、今作の方がもっと多彩でシャレもある展開なので、そのあたりの“遊び”をアニメでどう表現するか楽しみです。個人的には、岸辺露伴を主人公にしたオリジナルストーリーを盛り込んで、視聴者をビックリさせるような展開に期待。ここまで完成度が高いと、次に放送されるであろう(と勝手に予想する)第5部「黄金の風」は、相当大変でしょうねえ……。(成)

 ◇迷家-マヨイガ-

 「ガールズ&パンツァー」の水島努さんが監督、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の岡田麿里さんがシリーズ構成を手がけたオリジナルアニメ。登場キャラクターのあまりの多さにド肝を抜かれ、先がまるで読めないミステリー展開に引きこまれ……と、第1話から毎週ワクワクさせられている。なんとなく全体に漂う雰囲気がホラーアニメ「Another」を想起させるが、そういえばあれも水島監督だったっけ……。まるで感情移入できない非ヒーロー的な主人公に、“中二病”爆発のツアー参加者たち、と個性的すぎるキャラクターが勢ぞろいで、狂言回し的なポジションに落ち着いたエリート意識ぷんぷんのメガネ君が不思議と没個性的に見えてしまうほど。謎の解明とともに、これから明かされていくであろう各キャラの背景にあるストーリーも楽しみだ。個人的には今にも「万策尽きた―!」と叫びだしそうなドザえもんさんの活躍に期待。(鰭)

 ◇くまみこ

 中学生の雨宿まちとクマのクマ井ナツが可愛すぎる! 原作のマンガも可愛いなあ……などとニヤニヤしながら読んでいたが、アニメになって動き出すと、さらに可愛さがアップした印象。まちの“田舎コンプレックス”が極端すぎて、さすがにそれはないだろう!とツッコミを入れてしまうこともあるが。地方公務員の雨宿良夫や良夫の幼なじみでヤンキー風な酒田響らどのキャラクターも個性的で、ちょっとズレているところが愛らしい。オープニングとエンディングの“脱力系”ラップにもハマっている。いろいろと中毒性が高い作品で、終わったら“くまみこロス”になりそうで心配。(鉄)

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