ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気グループ「V6」の森田剛さんが映画初主演を果たした「ヒメアノ~ル」(吉田恵輔監督)が28日に公開された。今作で、森田さん演じる殺人犯に苦しめられる若者を演じているのが、俳優の濱田岳さんとムロツヨシさんだ。2人に撮影の裏話や森田さんについて、さらに見どころなどを聞いた。
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インタビュー時、本編を「さっき見たばかり」という濱田さんは感想を求められ、「なんていっていいか分からないんですよね。やった側としては満足できる出来だと思うし、当然、映画を作る以上、多くの方に見ていただきたいんですけど、内容が内容なだけに……」とためらいながら、「フィクションではあるんですけど、今にも自分にも(同様のことが)起こりそうな怖さがあって、その恐怖感がいまだに残っているし、それとは逆の部分でコメディーを狙ったわけではないんですが、日常にあるおかしさというのがたくさん含まれていて、案外、すごくリアルな、ドキュメンタリー性に富んだ作品になってるんじゃないかな」と説明する。
一方、早い段階で本編を見ていたムロさんは、濱田さんの「見たばかり」発言に、「ずるくないですか? 取材直前に見るという(笑い)。それだけを文章に書いたら、すごくすてきじゃないですか。もっと早くにできているんだから、もっと早くに見ればいいのに」と突っ込みを入れてから、「終わり方がすごいと思った」と指摘し、「あの終わり方は、脚本にないんですよ。僕も映画を見て知ったんです。監督に『なんとすてきな後付けだ』といいましたからね」と効果的なラストシーンを絶賛する。
映画「ヒメアノ~ル」は、「ヒミズ」などの作品で知られる人気マンガ家、古谷実さんの同名マンガを「麦子さんと」(2013年)、「銀の匙 Silver Spoon」(14年)などの作品で知られる吉田監督が脚本を書き、映像化した。
濱田さん演じるフリーターの岡田は、ムロさん演じるパート先の先輩、安藤から、安藤がひそかに思いを寄せるカフェ店員、ユカとの恋のキューピッド役を頼まれる。安藤に連れられ、そのカフェに赴いた岡田は、そこで、高校時代の同級生、森田と再会する。森田の雰囲気が高校時代とは違うことに戸惑いながらも再会を喜ぶ岡田だったが、実は森田は、過去のある事件をきっかけに、欲望の赴くままに人を殺す快楽殺人者になっていた……というストーリー。森田を演じるのが森田剛さんで、ユカを、佐津川愛美さんが演じている。
ムロさんによると、森田さんは「日本国民のトップレベル」「プロ級」の人見知りだそうで、やはり、人見知りの濱田さんとの仲をとりもつのに、かなり苦労したことを吐露しつつ、「人見知りというのは、言葉を変えると自分の世界観を持っているということ」で、だからこそ森田さんの森田役は「すごくはまり役だと思いました」と話す。実際、森田さんの役への没入感はすさまじかったようで、「怖かったです(笑い)。だって、喫茶店で遠くから(ユカを)見るシーンから怖いですもん。あの、可愛い子を見る殺気」と森田の初登場シーンについて語る。
かたや濱田さんも、よほど撮影現場での森田さんは殺気立っていたのだろう、「最後の詰め詰めのところは、結構、森田君と2人になることが多かったんですけど、そのとき、『ずっと人を殺す役をやっていて気持ちは滅入ったりしないんですか』と聞いたんです、同業者として気になったので。そうしたら、もう、役のあのトーンで、『いや、それは滅入りますよ』と言われたときは、リアルーと思って(笑い)、すごい鳥肌が立ちました」と打ち明け、これにはムロさんも、「確かに怖いな」とぼそり。その“恐怖体験”は濱田さんにとって、「(ムロさんと佐津川さんと)3人で過ごした時間がすてき過ぎて」と感じられるほどだったようだ。
濱田さんは、佐津川さんとのラブシーンにも挑んでいる。それについて濱田さんは「僕も人間だし、こそこそしたいタイプなので、ああいうものは恥ずかしいものだと思いました」と恥じらいつつ、「佐津川さんがああしてきたら、僕が恥ずかしいというのはとってもカッコ悪いなと思ったし、ああいう姿になってしまったものはやらなきゃ終わらないので(笑い)、いい高め合いというか、独特の緊張感で、ああいう撮影を経験できたのはすごくよかったです」と役者魂を見せつつ、「その臨む姿勢で、佐津川さんは終始、いろんなシーンでも真摯(しんし)に臨まれていて、とっても可愛らしいですし」と自身の役得を喜ぶ。
するとムロさんが、濱田さんが演じる岡田がユカのある言葉にいじける場面が、「リアル過ぎてさあ、背中を向けていじけるところが、ほんとに岳ってそういう人なんじゃないか、これ、お芝居だよねと確認したくなるぐらい説得力あり過ぎて……(笑い)」と指摘。それに濱田さんが、「知らず知らず、その癖が出ていた……(笑い)」と照れると、ムロさんは、「演技を超えていると思った。10年の付き合いだからこそいえる、あれは演技じゃないだろ、あの背中の向け方は(笑い)」と容赦なく突っ込んでいた。
そのムロさん、映画でのヘアスタイルは、すべて自分の髪の毛でこなした。鉄腕アトムのようなヘアスタイルは、「楽しくやらせていただきました」、丸刈りに関しては、「これは自毛でやりたい」と自ら進言したという。「だって、カッコいいじゃないですか、この映画のために坊主(丸刈り)にしたと言ったら(笑い)」と胸を張った。
インタビューの最中、ムロさんが、濱田さんと森田さんの役名がごっちゃになり「森田君が岡田くんだっけ?」と確認する一幕も。それに濱田さんが、「僕が岡田准一(笑い)」と訂正すると、すかさずムロさんが、「准一じゃない、そこだけ准一にしないで」と言い返したり、今回の共演を「“友達”と撮影するって楽しいなって思いました」と振り返る濱田さんに、年上のムロさんが、「僕、さっき君のプロフィルをもう一回見直したんだけど、君、辰年だろ? 一回り違うんだよ」と苦言を呈しつつ、「ま、不思議な関係ですけどね」とまんざらでもない様子を見せるなど、2人は気心の知れたところを見せていた。
そんな濱田さんとムロさんの絶妙なやりとりが笑いを誘う前半と、そこから一転、森田の出現によって恐怖のどん底に突き落とされる後半、そして、ムロさん一押しのラストシーンが見事な調和を見せる「ヒメアノ~ル」は、28日から全国で公開中。
<濱田岳さんのプロフィル>
1988年生まれ。東京都出身。ドラマ「ひとりぼっちの君に」(98年)でデビュー。以来、数々のドラマ、映画に出演。主なドラマ作品に、「軍師官兵衛」「HERO」(共に2014年)、「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」(15年)など。映画では「アヒルと鴨のコインロッカー」(07年)、「ゴールデンスランバー」(10年)、「永遠の0(ゼロ)」(13年)、「予告犯」「HERO」(共に15年)、「世界から猫が消えたなら」(16年)など。公開待機作に「グッドモーニングショー」(16年)がある。
<ムロツヨシさんのプロフィル>
1976年生まれ。神奈川県出身。大学在学中に役者を志し、99年の一人舞台で活動開始。主なドラマ作品に「勇者ヨシヒコ」シリーズ(2011、12、16年)、「ウロボロス~この愛こそ、正義。~」(15年)、「悪党たちは千里を走る」(16年)など。映画では「サマータイムマシン・ブルース」(05年)、「踊る大捜査線THE FINAL 新たなる希望」(12年)、「HK/変態仮面」(13年)、「小野寺の弟・小野寺の姉」(14年)、「幕が上がる」「明烏」(共に15年)など。
(取材・文・撮影/りんたいこ)
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