アニメ質問状:「91Days」 テーマは「復讐で友を殺せるか?」 他のアニメと違うやり方で

アニメ「91Days」のワンシーン (C)91Days
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アニメ「91Days」のワンシーン (C)91Days

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、MBS・TBSの深夜アニメ枠「アニメイズム」で放送中のオリジナルアニメ「91Days(ナインティーワンデイズ)」です。松竹の飯塚寿雄プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

--作品の概要と魅力は?

 禁酒法時代を舞台に、マフィアに両親を殺された少年アヴィリオが成長して、マフィアに潜入して復讐(ふくしゅう)するというお話です。マフィアという不条理で残酷な規律がまかり通る世界で運命に翻弄(ほんろう)される男たちの悲しい生きざまが描かれています。本作のテーマは一言で言えば「復讐で友を殺せるか?」です。この作品は原作のないオリジナルのアニメーションです。超能力も魔法少女のゾンビも出てこないガチンコなマフィアものなので、普段アニメを見ない方も見慣れている方でも楽しめる作品だと思ってます。

--アニメにするときに心がけたことは?

 マフィアものをやろうということでさまざまな映画を意識しました。逆に既存のアニメはあまり意識せずに、……というかあまり類似作品がなかったので。どうしてもマフィアを題材に扱っているけれど、特殊能力とかが出てくる作品が多いのです。それはそれでアニメとして正しいのですが、この作品ではあえて「これ、実写じゃなくてアニメでやるの?」というラインを制作側とも心掛けていました。オリジナルなので他とは違うやり方でいかないと、このアニメ激戦の時代に勝負に出てもつまらないかなと。

--作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 うれしかったというか、結果的に鏑木ひろ監督も、シリーズ構成の岸本卓さんも、朱夏の佐藤由美プロデューサーも同年代なので面白いまたは印象に残っている映画やテレビが似ていたので会話が楽でしたね。逆にここまでガチなマフィアものをやるということでの不安はありました。……というかまだあります。皆さんに受け入れていただけるのか……。

 あと、この内容をアメリカのドラマがやっていたら1時間の2クール分ぐらいで描くような分量を30分1クールで描こうとしているので、どうしても1話当たりの情報量が多くなってしまいそうでした。鏑木さんや岸本さんと視聴者がちゃんと分かっていただけるような情報量にシェイプアップするのが大変でした。

--今後のみどころを教えてください。

 誰が最後まで生き残れるのか、アヴィリオの復讐の行方は? ですね。段々物語のテンションは上がっていくジェットコースターのような、目が離せない内容になっています。あと、キャラたちもメイン以外の脇のキャラ、特におじさんたちにご注目ください。渋い人や変人など、多種多様なおじさんたちが活躍しますので。

--ファンへ一言お願いします。

 ここまでご覧いただいた皆様、いかがでしょうか? おそらく予想外の展開になっているかと思います。この作品は残酷で悲しい運命と戦う男たちの物語です。もしかしたら、流行の作品ではないかもしれませんが、あえて勝負に出ています。ぜひ最後まで彼らの生きざまを見守ってあげてください。

松竹 プロデューサー 飯塚寿雄

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