真田丸:繰り返し見たのは伊賀越え、室賀暗殺、大坂編予告 トルネで分析

NHK大河ドラマ「真田丸」で主演を務める堺雅人さん
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NHK大河ドラマ「真田丸」で主演を務める堺雅人さん

 インターネットの普及で、若者を中心にテレビ離れが進んでいるといわれる現在、テレビの人気のバロメーターといわれた視聴率に代わって注目を集めているのが録画再生率だ。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のレコーダー用アプリ「トルネ」は、利用者の録画数に加え、利用者がどの番組を再生し、どのシーンを繰り返して見たかなどのデータを集計している。NHK大河「真田丸」を題材にその傾向を探った。

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 トルネは、PS4、PS3、PC、PSVita、そしてスマートフォンに対応したレコーダー用アプリだ。SIEのサービス「プレイステーションネットワーク」を利用することで、居住する都道府県内のサービス利用者の視聴台数、録画台数を番組別に知ることができ、録画台数に対する再生台数の割合「再生率」もはじき出している。「再生率」は、調査対象世帯数に対する再生視聴数の割合を示したビデオリサーチの「タイムシフト視聴率」いわゆる録画再生率とは異なるが、録画した番組が実際にはどれほど見られているかを知ることができる。今回は「真田丸」の第1話から第23話の録画数、再生数のデータを入手して調べた。

 「真田丸」は、真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁(堺雅人さん)が主人公で、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。

 ◇「再生率」は4割強

 まず「真田丸」の録画数だが、第1話は約1万3900トル(「トル」はトルネでの録画数の単位)だったが、第2話は約24%増の約1万7200トルに急増した。第1話を録画し忘れて、第2話から録画した人が多かったのが分かる。第3話は最高となる約1万7600トルあり、その後はなだらかに減少し、第23話は約1万5300トルになっている。

 そして再生数だが、1週間以内に再生した数を対象とした。1週間以内に設定したのは、1週間以内に再生する人がほとんどのためだ。「再生率」の1話あたりの平均は43.4%だった。一番高かったのは第1話の56%。第2話は47%に急落するものの、第21話まで一度として40%を割らなかった。話数を重ねるごとに再生数が減るのも、録画数とよく似ている。

 そして注目なのが再生視聴時の見方だ。「真田丸」のオープニングは第1話こそよく見られているが、第2話以降はスキップされ、本編が始まると再生率はV字回復し、その後なだらかに減少する。ちなみに本編が終わると一気に再生数が落ちる。本編後に真田丸のゆかりの地を紹介する「真田丸紀行」は再生数が半減する。録画再生をする人は本編だけを見てすぐ離脱するスタイルが定着している。

 ◇

 面白いのは、繰り返し再生されたシーンがあることだ。再生中のトル数の時間による推移を見ると、総じて各話の本編スタートから5分以内は高く出る傾向にあるが、途中で突然再生数値が跳ね上がるシーンがあるのだ。

 まず第5話で、本能寺の変の後で徳川家康が伊賀越えをするシーンだ。この場面は家康を演じる内野聖陽さんと、本多忠勝演じる藤岡弘、さんのシリアスな逃避行がコミカルで話題になった。続いては第11話で、西村雅彦さん演じる有力な信濃国衆・室賀正武の暗殺シーン。こちらは黒さを前面に出した衝撃的な場面でやはり話題になったシーンだ。

 そして意外だったのが、第13話の予告だ。小日向文世さん演じる豊臣秀吉らが初めて登場し、舞台が一気に変わる「大坂編」紹介のシーン。ちなみに第13話は第一次上田合戦というドラマ前半の見せ場だったが、その場面での再生数値は目立った変動はなかった。

 他にも第17話の秀吉と家康の会見シーンも高かった。「真田丸」は、戦国時代を舞台にしたドラマだが、戦闘シーンではなく人間ドラマの人気が高いようだ。SIEによると再生シーンが伸びるのは、クライマックスや見せ場というよりも、むしろ、見落とさないように再確認しようとするのか、手紙の文面が出たりすると伸びる傾向があるという。

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