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12月31日(火)放送分
人気アニメ「弱虫ペダル」のスピンオフシリーズをアニメ化した劇場版アニメ「弱虫ペダル SPARE BIKE」(鍋島修監督)が9日に公開された。「弱虫ペダル」は、渡辺航さんがマンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中の自転車競技をテーマにしたマンガで、映画は、主人公・小野田坂道が高校1年生のときに3年生だったキャラクターの過去を描くスピンオフマンガが原作。今回アニメ化されるのは総北高校の巻島裕介編と箱根学園の東堂尽八編の2編で、巻島の総北自転車競技部に入部時、東堂がロードバイクと出合う中学2年生当時のエピソードが描かれる。
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映画の一編は、たった一人で走ってきた巻島裕介(声・森久保祥太郎さん)は、総北高校の自転車競技部に入部すれば自らの自由な走りで周囲から認められ、広い世界に羽ばたくことができると思っていた。しかし巻島の独特なダンシング走法は先輩たちから笑われてしまい……という「巻島裕介編」。もう一編は、オシャレなことがモットーの中学2年生・東堂尽八(声・柿原徹也さん)は、ある日、ロードバイクに乗る友人の糸川修作から自転車レースに誘われるが、ヘルメットで髪が乱れるという理由で参加を断る。しかし、試しに2人で走ってみると、東堂は髪形も気にせず夢中でペダルを回していた自分に驚き……という「東堂尽八編」の2編で構成されている。
「弱虫ペダル」は、自転車競技に青春を懸ける登場人物たちの描写が魅力の一つだ。そんな個性的なキャラクターの中から巻島と東堂という作中でも屈指のクライマーである2人の知られざるエピソードを描くと聞いただけでも胸が躍る。本編の方では、自身の走りとポジションを確立している巻島と東堂だが、その数年前にはちょっとした苦悩の時期があったということに、親近感も覚える。特に髪が乱れるからと自転車レースへの参加を断るなど、あまりキャラがぶれていない東堂に対して、巻島の方はモノローグが多用され、想像以上にうじうじしていて、本編とはほど遠い姿には驚かされた。それにしても少し情けなさすら感じる巻島があそこまでなるとは、人は夢中になれることさえあれば成長できることを実感させられた。スピンオフ「弱虫ペダル スペアバイク それいけアラキタくん」がアニメ化され、おまけパートとして同時上映される。TOHOシネマズ新宿(東京都港区)ほか9日から2週間限定で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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