鈴木敏夫プロデューサー:トトロは「E.T.」から影響? 製作エピソード明かす

長編最新作「レッドタートル ある島の物語」の講演会付き試写会に登場した鈴木敏夫プロデューサー
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長編最新作「レッドタートル ある島の物語」の講演会付き試写会に登場した鈴木敏夫プロデューサー

 スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーが10日、東京都内で行われた長編最新作「レッドタートル ある島の物語」(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)の講演会付き試写会に登場した。講演会では、宮崎駿監督が「となりのトトロ」を製作したときのエピソードにも話がおよび、鈴木プロデューサーは「最初の(構想の)ときは驚きですよ。一番最初からトトロが出てくるんですよ。いきなり出てくるんですよ、あの庭に。で、大活躍なんですよ」と笑いながら告白。鈴木プロデューサーが『E.T.』を例に出して「普通は(物語の)真ん中(で登場する)」と指摘すると、宮崎監督は「あ、そっか、真ん中だ!」と納得したというエピソードを明かし、会場を沸かせた。
 
 講演会では、さらに「ハウルの動く城」や「魔女の宅急便」の製作エピソードも語られ、鈴木プロデューサーは宮崎監督について「いやー、天才ですよね。本当に天才なんですよ、あの人。見ていて楽しくてしょうがないんですよ」と笑いながら称賛。マイケル監督と宮崎監督が対面したときの話にも触れ、「(宮崎監督が)僕らは商業アニメーション映画を作っている。(だから)ついお客さんの顔が目に浮かぶ。自分の弱さが出ちゃう。あなたは媚(こ)びているところが何一つない、それも素晴らしい」と激賞していたことを明かした。

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 「レッドタートル」は、「岸辺のふたり」でアカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞するなど高い評価を得たマイケル監督の構想10年、製作8年という長編初監督作品。嵐の中で海に放り出されて無人島にたどり着いた男が、必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。絶望的な状況の男の前に、ある日、一人の女が現れ……というストーリー。アニメは主にフランスで製作された。第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で特別賞を受賞したほか、第41回トロント国際映画祭のディスカバリー部門へも出品されている。17日公開。

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