松岡修造:デビスカップ・ワールドグループ残留に向けて “チーム力”が一番大事

「男子テニス国別対抗戦デビスカップ ワールドグループ プレーオフ 日本対ウクライナ」に出場する錦織圭選手(写真:AP/アフロ)
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「男子テニス国別対抗戦デビスカップ ワールドグループ プレーオフ 日本対ウクライナ」に出場する錦織圭選手(写真:AP/アフロ)

 世界ランク5位(12日現在、以下同)に浮上した錦織圭選手らが出場する男子テニス国別対抗戦「デビスカップ」。3月に行われた同大会のワールドグループ1回戦で、前年優勝国の英国に敗れ準々決勝に進出できなかった日本チームは、16~18日にワールドグループ残留を懸けてウクライナと対戦する。同試合の模様はWOWOWで全試合生中継。解説を務める元プロテニス選手の松岡修造さんに、ウクライナの選手の分析や試合の見どころなどを聞いた。

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 「デビスカップ」は、100年以上の歴史を持つ大会で、ワールドグループは参加135カ国中、上位16カ国のみが参加できる。3年連続でワールドグループ残留を目指す日本と、ワールドグループ入りを目指すウクライナが対戦。日本は錦織選手のほか、西岡良仁選手、ダニエル太郎選手、杉田祐一選手の4人が出場。ウクライナは、世界ランク50位のイリヤ・マルチェンコ選手らで構成されている。試合は、靱(うつぼ)公園センターコート特設会場(大阪市西区)で行われ、2014年のチェコ戦以来のホーム開催となる。

 ――ウクライナ戦は、日本テニス界にとって、どのような一戦となるでしょうか。

 非常に大きな一戦という次元を超えるくらいの、大事な大事な試合です。なぜなら、ここで負けてしまって下部のアジアグループに落ちてしまうと、世界的に見ても、世界ランクトップの選手は出場しないことが多いので、錦織選手も必ず出場するとは限りません。そうすると僕が味わってきた時のような、ずっとアジアグループで苦しんでもがくという時代がやってきてしまう可能性がある。この数年、ワールドグループという夢の舞台でいろいろな国で試合をやらせてもらっています。どんなことをしてでも手放してはいけない。しかも、昨年プレーオフで対戦したコロンビアと同じく、プレーオフの中では比較的組み合わせには恵まれています。ここでもう一度生き残る。そのためにはやっぱり錦織圭の力が必要ですね。

 ――ウクライナのマルチェンコ選手、セルジー・スタホフスキー選手にどのような印象を抱いていますか。

 強いですけれど、錦織選手はまず勝たないといけない相手です。2人ともトップ選手に勝った経験がある選手ですから、捨て身で当たってきたら怖いと思います。ただ、どんなに当たってきても、どんなにプレッシャーがあっても、勝ち切れるのが今の(錦織)圭です。なので、鍵となるのはもう一人のシングルスです。植田(実)監督は今回シングルスプレーヤーでメンバーをまとめてきていますから、どれだけナンバー2が頑張るかですね。圭はオリンピックや全米オープンでタフな試合が続いたので、疲れも当然ありますからね。試合中だけじゃなくて、練習を含めて試合以外の場面でも、どれだけいい雰囲気をほかの3人が作れるか。今回はそういったチーム力が一番大事なところだと思いますね。

 ――ホームでの開催となりますが、見どころをお願いします。

 デビスカップになった時の圭の安定感、そしてオリンピックで感じた、国を背負った時の強さですね。そしてほかの3人も錦織に続けということで、ダニエルや杉田はリオでも素晴らしい試合をしましたし、西岡も安定しています。普段の力以上のものをホームでは出せる。そしてそれに対して、お客さんも普通のテニストーナメントとは違って、日本代表チームを応援できる、あと押しできる、といった思いを感じて応援してほしい。日本のファンの皆さんの応援でチームを勝たせてほしいです。

 *……WOWOWでは同大会の模様を16~18日、連日生中継する。すべて、WOWOWライブで午前10時45分から生中継。

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