国内最大のゲーム展示会「東京ゲームショウ2016」(主催・コンピュータエンターテインメント協会)が15日、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれ、各社ともVR(仮想現実)を意識した取り組みが目立った。本命は、コンテンツが充実して話題性のある「プレイステーション(PS)VR」だが、各社ともVRへ意欲的な試みも見られた。
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VRの中心は、10月11日に発売を控えたPS4用のヘッドマウントディスプレー「PSVR」だ。2014年のコードネーム「プロジェクトモーフィアス」の初出展から数えて3回目となる今年は、「バイオハザード7」や「ファイナルファンタジー15」が対応ソフトとなるなどコンテンツも集まった。改良を重ねて、VRの画質と操作の精度も高まり、予約には希望者が殺到するなどゲームユーザーの期待も高い。ゲームショウの初日も、多くのメディアが体験を希望するため、触るのも一苦労といった感じだ。
VRはメディアでも取り上げられ、既にさまざまなVR商品が市場に投入されているが、プロモーション不足とコンテンツ不足もあって、ここ数年“今年はVR元年”とお題目を唱えてはいるものの、期待外れというのが現状だった。しかし今回は、本命視されるPSVRの登場に合わせて、ゲームショウでは初めて「VRコーナー」が新設され、リコーや講談社、プロダクションI.Gなど30以上のブースがVRをアピールした。
またスクウェア・エニックスは、「プロジェクトHikari」と題してマンガとVRを融合させた新機軸のコンテンツを発表した。テレビアニメ化もされた「黄昏乙女×アムネジア」で知られるめいびいさんのマンガ「結婚指輪物語」を約8分間のVRコンテンツに仕立てた。HMDを装着すると、マンガのコマが浮き上がって目の前に浮き出てきて任意で動かしたり、コマにいるキャラクターが歩いたりする。同社のゲーム事業、映画事業で培ったノウハウを生かしたもので、現在はデモコンテンツという位置付けだが、同社は「ゲームショウの反応が良ければ商品化も検討する」としている。
また電通サイエンスジャムのブースでは、脳波から人の感情を推定し、気持ちをスイッチするVR映像を生成する技術を公開した。この技術を万華鏡の映像と組み合わせてストレスを減少させるVRコンテンツと、脳波をもとに興味や好感度に応じてシナリオを切り換えるVRコンテンツが体験できる。他にもグリーは「乖離性ミリオンアーサー」、DMMは「刀剣乱舞」のVR映像を公開し、関係者の注目を集めている。
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