黒い十人の女:9人の愛人たちが壮絶“不倫アクション” 女優陣も絶賛、天才バカリズムの“絶妙な会話劇”

美しき女優陣がののしり合い、壮絶な肉弾戦を繰り広げる“不倫アクションコメディー”の第2章に突入するドラマ「黒い十人の女」第6話の一シーン=読売テレビ提供
1 / 16
美しき女優陣がののしり合い、壮絶な肉弾戦を繰り広げる“不倫アクションコメディー”の第2章に突入するドラマ「黒い十人の女」第6話の一シーン=読売テレビ提供

 何かと“不倫”が話題となる中、名匠・市川崑監督が妻と9人の愛人を持つ“10股男”を描いた映画を、脚本家としても注目されるお笑い芸人のバカリズムの脚本で連続ドラマ化する「黒い十人の女」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)が盛り上がりを見せている。11月3日放送の第6話では、9人の愛人がすべて明らかとなり、ドロドロとした愛人同士の戦いから、美しき女優陣がののしり合い、壮絶な肉弾戦を繰り広げる“不倫アクションコメディー”の第2章に突入。今秋ドラマの注目作「黒い十人の女」、その魅力を探った。(敬称略)

ウナギノボリ

 主人公は、ドラマプロデューサー風松吉(船越英一郎)は、妻・睦(若村麻由美)以外に9人の愛人を持っていた。受付嬢の神田久未(成海璃子)、若手女優の相葉志乃(トリンドル玲奈)、アシスタントプロデューサー(AP)の弥上美羽(佐藤仁美)、脚本家の皐山夏希(MEGUMI)、メイクの水川夢(平山あや)、舞台女優の如野佳代(水野美紀)。さらに風の同僚・火山(山田純大)の妻・卯野真衣(白羽ゆり)、久未の友人・文坂彩乃(佐野ひなこ)、志乃のマネジャー・長谷川沙英(ちすん)……。風は、危機感がなく、今が良ければいいという性格で、それぞれの女の隙間をうまく埋める存在だった。

 これまでの展開で、同じドラマ制作に携わる人物や友人同士など微妙な関係を持つ9人の愛人たちがすべて判明した。最も古株の佳代は、嫉妬を通り越して愛人同士仲良くしようと苦心しているが、美羽は風を独り占めしようと、画策してきた。妻の睦は9人の存在を知っていた。佳代の画策で、愛人たちはたびたび顔を合わせるが、カフェオレを顔に浴びせたり、頭から中華丼をかけたりと、美しき愛人同士の陰湿な戦いが繰り広げられてきた。

 そして第5話では、睦から9人の愛人の名前を聞いた佳代は、美羽にそれを教える。美羽は、志乃と風を別れさせようと沙英を巻き込み、火山に妻の真衣の不倫を暴露する。一方、志乃に好意を持つディレクターの浦上(水上剣星)は風に志乃と別れるよう迫るが、見事にかわされる。浦上は志乃に不倫をやめるよう説得するが、「別れられるなら不倫なんかしない」と逆ギレされてしまう。久未は風に別れを切り出すが、風のひょうひょうとした受け答えに振り回され、うやむやにされてしまい、一人でバーに行くと、偶然と佳代と出会う。佳代は、新しく判明した不倫相手を呼んだといい、現れたのは久未が不倫の悩みを相談していた親友の彩乃で、ついに9人の愛人が明らかになる……という展開だった。

 見どころは、「素敵な選TAXI」(関西テレビ・フジテレビ系)で、市川森一脚本賞奨励賞を受賞し、脚本家として注目されるバカリズムの脚本だ。女たちが心の中で本音を漏らすモノローグ(独白)と、風や愛人たちが繰り広げるダイアローグ(会話)の絶妙なせりふ回し。ドロドロとした情念を燃やしながら、可愛らしい乙女の心情を漏らす愛人たちと、さえない中年なのに、9人もの愛人を持つ風の不思議な魅力が、得も言われぬおかしみとともに伝わってくる。バカリズムの脚本について成海は「独特の会話劇が特徴だと思うので、テンポの良さを意識して演じたい」といい、佐藤も「セリフが多いので、必死です。バカリさんは、男性なのによく分かっているなあと思いました」、水野は「バカリズムさんが普段感じておられるのであろう、女という生き物の不可思議で滑稽な生態への疑問が詰まっている脚本だと思います」と絶賛する。

 第6話は、彩乃が愛人だと知った久未は怒り狂い、愛人間をかき回していた 美羽と、志乃・夢・沙英の3人組との戦いが勃発。愛人たちのガチバトルが泥沼化していく……という物語の佳境に向けた大きな転機となるストーリーだ。

 汐口武史プロデューサーは「いよいよ本当の女の戦いがスタート。ここからが本格的に事態が動き出し、急展開。じっとりとした陰湿なバトルとは一線を画す、いまだ誰も見たことのない衝撃的な肉弾戦が繰り広げられます。女が本当に怒るといったいどんなことが起きるのか? 注目は成海璃子さんの渾(こん)身の“怒り”。いつもと全く違う姿は、きっと驚きと笑いに変わると思います。愛人同士の戦いは一線を越え第2章へ、不倫アクションコメディーへと姿を変えた『黒い十人の女』、ぜひお楽しみください」とコメントする。

 天才バカリズムの“絶妙な会話劇”に加え、“不倫ドラマ”とは思えない、アクション満載の壮絶なバトルが加速する。秋の夜長、美女たちの“不倫バトル”から目が離せない。

写真を見る全 16 枚

テレビ 最新記事