名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる新人声優の青木志貴さん。自身を「ボク」と呼ぶ“ボクっ娘”で、“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。
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まだまだ暑い日が続きますが、みなさん、夏を楽しんでますか? 我が家はにゃんこのために冷房はつけっぱなしの生活なのですが、冷房のない生活を考えると恐ろしいです……。もし急にエアコンが壊れてしまったら、どうやって生活したら良いのでしょう!? 気になって調べてみたのですが、凍らせたペットボトルを扇風機の前に置くと冷風が出て涼しいそうです。なるほど! 全く暑さをしのげる気がしません! 冷房なしでも涼しく過ごせる裏技があるなら、ぜひ教えてください!
そんな暑い夏、夏といえばホラー! ホラー映画やホラー特番、ホラーゲームで本当に背筋が凍る思いをすれば多少涼しくなるのかもしれませんが、怖いものを見ていても意外とそんなゾッとする機会はないですよね。ボクはオカルトが大好きで、昔から映画や動画、ゲームに限らず、本やネットの記事などなど……、いろいろなオカルトを調べて楽しんでいるオカルトオタクです。特にネットが普及してからはオカルトサイトやネット上のうわさなど、オカルトネタは尽きません。オカルトサークルやオカルト研究会など、そういったオカルト好きの集まる団体があったらぜひとも参加したいくらいです。オカルト、ホラーについて語りたいことは山ほどあるのですが、今回はその中でも「ホラーゲーム」について、お話しさせていただきます!
ホラーゲーム、皆さんは好きですか? ボクが生まれて初めて目にしたホラーゲームはなんだろうと思い返してみると、自分でプレーしたわけではなく兄のプレーを見ていたのが最初かなあ。当時6歳。1996年に発売されたPlayStationのバイオハザードだったと思います。
見ているぶんには怖いとか思わなくて、むしろわくわくしながら見ていたのですが……。兄がクリアして、いざ自分がバイオハザードをプレーしてみるとその考えは一変しました。初代バイオハザードは、まず操作性が独特といいますか……、ラジコンと同じような操作法だったので、なかなか慣れずに歩くゾンビから逃げるのすら一苦労。銃の弾も、回復アイテムも、セーブできる回数すら限られた状況。今でこそバイオハザードシリーズは得意なゲームのひとつなのですが、当時は初めてのホラーゲームに、慣れない操作も相まってとにかく怖かったです。扉があるけど、先に進みたくない、ここでやめたい!と思うほどに……(笑い)。
バイオハザードシリーズは、今ではナンバリングタイトルは「7」まで、その他スピンオフも含めると本当にたくさんのゲームが出ていますが、やはり「ホラーゲーム」として見ると、この初代バイオハザードが一番怖かったような気がします。それからというもの、元々ホラー番組やホラー映画が大好きだったボクはホラーゲームの魅力に取りつかれてしまい……。ホラーゲームばかりプレーするようになりました。
そんなボクが、印象に残っているホラーゲームを3作紹介していきたいのですが、まずひとつめは「サイレントヒル4」。サイレントヒルシリーズもたくさんあるのですが、ボクは特に4が大好きです。
主人公はとあるアパートに住むただの一般男性。本当にただの一般男性です。戦うための知識とかめっちゃ体術が強いとかそういうのはありません! そんな主人公はある日突然、住んでいる302号室に閉じ込められて外に一切出られなくなってしまうんです。自分の部屋以外、外の世界はなんら変わりなく普通に過ぎているのですが、自分の部屋だけおかしい。そしてバスルームに異世界へ通じる謎の穴が出現し、玄関からも窓からも出ることができないのでその穴に入っていきます。穴の先は地下鉄や森など現実的な景色なのですが、完全に異世界。異形のクリーチャーや絶対に倒せないゴーストなど、不気味な怪物がたくさん出てくるんです。
そしてその異世界で問題を解決して、また再び自室へ戻ってくる……。気持ちの悪い世界から自室へ戻った時の安心感といったらもう! 本来閉じ込められてて自室すら気持ち悪いはずなのに、それ以上に異世界がわけわからなくて不気味なので、本当に自室が心のオアシスなんですよね……(笑い)。
そしてクリーチャーたちの見た目の不気味さも見どころのひとつではあるのですが、そういった敵や異世界の気持ち悪さより僕が恐怖を感じたのは、心のオアシスであったはずの自室すら、物語後半は異世界に侵食されて安らげない場所になっていったことです。自室に戻れば回復していたダメージも回復しなくなり、壁に気持ち悪い染みができていたり、靴の位置が移動していたり、テレビに砂嵐が流れ始めたり……。しかも自室へ戻れば戻るほど、怪奇現象は増えていくんです。そういった現実的な場所が非現実的なものに侵されていく感じがとても不気味でした。ボクは「もし自分だったら……」と妄想してしまうタイプなので、自宅があんな感じで日に日に怪奇現象が増えていったらと考えると本当にいやです! やだ!
このゲームのおかげで、302という部屋番号の家には引っ越したくないなと思いました。(結局その後一人暮らしを始めてから最初に住んだ部屋が302号室だったんですけどね……)
そして次が「SIREN」シリーズです。このゲーム、当時流れていたテレビCMが怖すぎてクレームが入り、コマーシャルが流れなくなったという逸話があります(笑い)。舞台は羽生蛇村と呼ばれる架空の村なのですが、そこには村民のほとんどが信仰する「眞魚教」という土着信仰があり、いけにえを伴う祭りごとが行われていたり、村の民俗行事として旧暦の大みそかから元日まで行われる「海送り」や「海還り」という変わった儀式?風習があったり……。
ホラーやオカルトは、霊現象やUFO、UMA、呪術、悪魔、古い伝承などなど、いろいろなジャンルに分かれていると思っているのですが、特にボクは秘境や閉ざされた村、古い言い伝えや祭りごとなどのオカルトが大好物なので、このSIRENというゲームのコンセプトやシナリオがとにかくツボでした!
小さな村にある独特の風習、儀式……たとえそれがおぞましいものだったとしても、なにかロマンを感じませんか?
一応このSIRENの舞台になっている羽生蛇村にはモデルになっていると言われている場所があって、埼玉県の秩父の方に昔存在した集落だとか……。実際にその舞台になったといわれる場所を訪れてみた方もいるようで、そのリポート写真なんかを見ていると、確かにそれっぽいなあととてもわくわくしましたね。行けるものならボクも行ってみたいものです……。
そしてこのSIRENというゲーム、プロモーションの仕方もとても面白くて、実際にその村があるかのように羽生蛇村を調査しまとめた“ファンサイト(っぽくみせた公式サイト)”を作っていたり、ライブカメラで羽生蛇村っぽい場所を毎日映しつづけていたり(たまにゲーム内に登場する「屍人」と呼ばれる敵のような格好をした人が通りかかったりするのも面白い)。
村に関する名物や特産品、村に咲く花、村に生息する虫なんかも細かくまとめられていて、フィクションだとわかっていてもとても興味をひかれ、わくわくしながらサイトを見て回っていました。そういったゲーム外での細かな演出も、この作品を盛り上げるための一部になっていて、とても印象深く大好きなゲームのひとつです。
そして最後は「P.T.」というゲーム。こちらはPS4で出る予定だったサイレントヒルズのプレイアブルティザーとして公開された作品でした。公開当初はサイレントヒルズのティザーだということも明かされず、謎のゲームとして公開され、そのグラフィックのリアルさや演出の怖さから一瞬で話題になりました。
ボクもすぐにプレーしたのですが、とにかくグラフィックがリアルすぎる!! 舞台はごくごく普通の家。家の中。なのですが……。廊下を進んで扉を開けると、また元の廊下に戻っている。無限ループ。時計の時刻も進まず、ひたすら同じ廊下が続く。かと思いきや……。少しずつ家の中がまたおかしくなっていくんですね……。お風呂場から泣き声が聞こえたり、廊下の先に変な人影があったり、開くはずの扉が開かなくなっていたり……。
先ほどご紹介したサイレントヒル4と少し似た要素になるのですが、どうもやはりボクは「自分の日常が少しずつ狂っていく」のにとてつもない恐怖を感じるようで……。とにかくこれも先に進みたくない! 無理!!と思った作品でした。そしてわかったことが、ボクは「主人公が戦えないホラーゲームに弱い」ということ……(笑い)。
まだ武器を持って戦えるならいいんです。相手がいくら怖くても倒せるなら! でもこのP.T.というゲームは家の中を探索するだけ。なんか得体の知れない怖そうな何かがいても、武器を手にすることもできないし戦うこともできません。そういった状況になるホラーゲームにとことん弱い……。
結局いろいろあってこのサイレントヒルズの開発は中止となってしまい、当時無料でダウンロードできたP.T.も現在は入手不可となっているため、とても貴重なゲームになっております。かなり楽しみにしていただけに開発中止は残念でしたが、今はプレーできなくなってしまったこのゲームをプレーできたというだけでもボクは満足です。
そしてこのP.T.が発表されて以来、P.T.に影響を受けて作られたゲームがたくさんあります(まだまだ開発中のものもあれば、残念ながら開発中止になってしまったものもありますが……)。今もまだ増え続けているので、本当にそれほど衝撃的な作品だったんだなあと思います。
まだまだホラーゲームについては語りたい作品が山ほどあるのですが、ゲームを挙げ始めるとキリがないので絞らせていただきました(笑い)。ゲームもどんどん進化してきて、VRでホラーゲームを楽しめる機会も増えてきましたよね。どうして怖いのにそれを求めてしまうのか……。本当に人間という生き物は謎ばかりだなあと思うのですが、ホラー、オカルト、そしてホラーゲーム大好き人間として、これからもどんどん進化したホラーゲーム、斬新なホラーゲームに出会えたらうれしいなあと思います!
日本のゲームだけでなく、海外のホラーゲームでも怖くてすてきなゲームがたくさんあるので、そっちにもどんどん手を出していきたいです。ボクが知らなそうなオススメのホラーゲームがあったらぜひ教えてください……!
そして自分もいつかそういったホラー作品に携われたらうれしいですね。ぜひ、敵役やクリーチャー役でお願いします!(笑い)
あおき・しき=1月14日生まれ。162センチ、AB型。「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役など。声優、タレントと多方面で活動中。ゲーマーとしても「魔王」の愛称を持つコアゲーマー。
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2024年12月22日 21:00時点
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