俳優の妻夫木聡さんとモデルで女優の水原希子さんが、ラブラブカップルを演じたコメディー「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」(大根仁監督)が、16日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開される。妻夫木さん扮(ふん)する純朴な雑誌編集者が、水原さん演じる超美人のファッションプレスに翻弄(ほんろう)されまくる姿は、途中から笑いを通り越して痛々しくすら映る。登場するたびに衣装が変わる水原さんは、さすがモデルの着こなしを見せ、“男惑わせテク”と共に女性には大いに参考になるかもしれない。
ウナギノボリ
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原作は、渋谷直角さんの人気マンガ「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール」。ミュージシャンの奥田民生を崇拝するコーロキ(妻夫木さん)は、おしゃれライフスタイル雑誌の編集部に異動し、タイアップ先のファッションブランドの美人プレス、天海あかり(水原さん)に一目ぼれする。コーロキには高根の花に思えたが、意外にも2人は意気投合し付き合うことになるが……というストーリー。ほかに、松尾スズキさん、新井浩文さん、リリー・フランキーさん、天海祐希さんらが出演。コーロキの心情にマッチした奥田民生さんの楽曲も“聴きどころ”だ。
とにかく、あかりの“男狂わせテク”が半端じゃない。いくらファッションブランド勤務の“おしゃれさん”とはいえ、職場にデコルテあらわなブラウスを着てきたり、ヒップの線が丸見えのピタピタジーンズで腰をくねらせたりと、狙った男を落とす気満々の色っぽい仕草の数々。下着が見えそうで見えないスカート丈もいかがなものか……と眉をひそめつつ、コーロキよ、なぜ彼女の魔性に気付かない!と、何度も心で呼びかけたが、それはねたみの入った女性目線であって、男性にとってあかりは、ひたすらイイ女に映るのだろう。そんな、同性を敵に回しかねない“男狂わせガール”になり切った水原さんはどうどうたる演技だった。その一方で、安藤サクラさん演じる美上ゆうは、感情の起伏が激しく、締め切りにいつも遅れる編集者泣かせのコラムニストだが、実はなかなか人間味があり、女性からの好感度は高いはず。前半のポップでキュートな恋物語が、後半、ホラーじみた方向に流れていくのには面食らったが、意表を突く展開は新鮮だった。(りんたいこ/フリーライター)
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