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10月31日(木)放送分
女優の永作博美さんが主演するWOWOWのドラマ「連続ドラマW 沈黙法廷」が放送中だ。高齢者の不審死連続事件の容疑者に浮上する家事代行業の女性・美紀を演じた永作さんは、タイトル通りせりふの少ない“沈黙”の演技について「一言話すのが怖くて」と今作での演技の難しさを語る。「年を重ね、さまざまな人たちの人生に触れたり、経験を積んできたりしたからこそ今、やっとこういう役に挑戦できるのかなと思います」と語る今作での演技について、また、こだわりについて永作さんが語った。
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ドラマは、佐々木譲さんの「沈黙法廷」(新潮社)が原作。1人暮らしの高齢者の絞殺体が発見され、捜査線上に家事代行業を営む女性・山本美紀(永作さん)が浮上。彼女の自宅マンション前には、事件を捜査する警視庁赤羽署の刑事たちのほかに、埼玉県警の車両も訪れており、彼女の仕事先で複数の不審死が発生していた事実が明らかになる……というストーリー。WOWOWプライムで毎週日曜午後10時に放送。
今作で永作さんが演じる主人公の美紀は、感情を表に出さない難しい役どころ。台本を読んで永作さん自身も「かなり難しいと思いました。芝居する“手”がなくて。この人、何を背負っているんだろうと」と感じたという。
「そういう役なので発するせりふが非常に少なくて、一言話すのが怖くて。せりふを発したところでそれが合っているのかが分からない。自分でジャッジができない。久しぶりにそんな状態になって……」と試行錯誤を繰り返したという。
永作さんは現場で探りながら、「どれだけ力が抜けるか……と思っているんですけれど、そこが一番難しいところで、本当にせりふが少ない分、どこか緊張感というか慎重さが出てしまうところもあって、うまく声が出なかったり」と苦労した。
半面、「年を重ね、経験を積んできたからこそ今、やっとこういう役に挑戦できる」と喜んでいる部分もある。「これまで難しい役をたくさんやらせていただいている中でも、本当にやりようがない役をやらせていただいているなと思って。そういう意味ではすごく試されるなと、新たな挑戦だなと思いました」と喜ぶ。
「場面も変わらない。ほとんど留置場や接見室という中で、毎日同じ質問をされる、そんな繰り返しをどうやってお芝居していけばいいのか。でも見ている方には、わくわくしてどうなっていくんだろうという場面を作っていかなきゃいけない」とかなり難易度の高い役どころだったようだ。
終盤の法廷のシーンで「最後に美紀が何を言うのかというのはすごく大事だなと思って。どのようなタイミングで話をするのか、どのような声を出すのか。美紀の生の声のようなものは、視聴者の方もそのときに初めて聞ける……。皆さんがそうやって終われるような作品になればいいなと思っています」と声の出し方一つにも工夫を重ねた。
そんな永作さんのこだわりについて聞くと、「こだわって集めているものはない」と言い、「物が家に増えるのが嫌で。冷蔵庫とかもいっぱい入っているのがダメな人なので」と“断捨離”傾向があるという。
ただ捨て過ぎると「よく家の中で、『あれどこやった?』って聞かれて『捨てた』っていうのはよくあります。それでよく怒られますけれど」と明かした。
口にするものは「食べ物は、もちろん、おいしいものを口にしたいですね。お米が好きなのでお米、ご飯があればいいと思っています」という。また、「体にいいだろうなというもの。あと、昔からあるものは信用しています」といい、以前は甘酒をよく飲んでいると話していたが、「相変わらず麹(こうじ)は、塩麹も含めて使っていますね。シンプルなところで、出汁(だし)をとるのもそうだし」と明かす。
そして「多分、趣味とかこだわりとか出てくるのであれば、やはりもうちょっと時間ができてからかなと思っています。そういう意味で先が楽しみ。私が時間ができたときに何に興味を持って何に時間を費やすんだろう、と」と目を輝かせる。
10年後、「家の中とかもう少し環境が変わってきたら、自分の時間だなとなって、何か違うことをしているでしょうね。でも、もうちょっと仕事を増やしているかもしれないし」と思いをはせていた。
今、一番気になるファッションについては、「季節も変わってそろそろニューアイテムが欲しいなと思っているところですけれど。もともとたまに『赤』が欲しくなる、赤のポイントのあるものが欲しくなることは、結構あります」と言い、「パワーがもらえるというか、ちょっと何か外部からのエネルギーが欲しいとかいうときに、ファッションに赤が欲しくなるんじゃないですかね」と語った。
次回は、ドラマ「沈黙法廷」で共演した市原隼人さんとのエピソードや女優の仕事について聞く。
<プロフィル>
ながさく・ひろみ 1970年10月14日生まれ、茨城県出身。映画やテレビドラマ、舞台など幅広い作品に出演。主な映画出演作に、「ドッペルゲンガー」(2003年)、「空中庭園」(05年)、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(07年)、「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(10年)などがある。11年の「八日目の蝉」では第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞ほか、映画各賞を受賞した。近年は、映画「四十九日のレシピ」(13年)、「さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-」(15年)、「ソロモンの偽証」(15年)などに出演。WOWOWのドラマは「私という運命について」(14年)以来2度目の主演となる。
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2024年11月03日 05:00時点
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