青木志貴の魔王式随想:「おひとり様」って苦手ですか

徳井青空さん(左)と青木志貴さん
1 / 1
徳井青空さん(左)と青木志貴さん

 人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる新人声優の青木志貴さん。自身を「ボク」と呼ぶ“ボクっ娘”で、“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。

あなたにオススメ

 ◇

 もう10月! 早いです。ようやく涼しい季節になったかと思えば、涼しいを通り越して急に寒過ぎたりする日もあって、着る服に困ってしまいます。冬の方が、個人的には好きなファッションやこだわったおしゃれができて好きなんですけどね……。雪国生まれのくせに寒いのが苦手なので、うれしいけどつらい季節がやってきます……(笑い)。

 ところで皆さんは「おひとり様」って得意ですか? ひとりでご飯に行ったり、ひとりでカラオケに行ったり、ひとりで映画に行ったり……。いろんなおひとり様があると思います。ボクはといえば圧倒的「おひとり様」常連でして、大体なにをするにもひとり行動だったりします。

 ひとりご飯。これはファミレスやカフェなど軽食に限らず、焼き肉やお寿司などちょっとひとりでは入りにくいかも……とか、ひとりで焼き肉とかお寿司はなんか恥ずかしいと思う人がいるかもしれないお店も平気でひとりで入ってしまいます。思い返せばひとりご飯が基本になったのは、高校で上京してきてアルバイトを始めてからでしょうか。

 その頃は秋葉原のコンセプト系のお店で働いていたのですが、バイト先に仲のいい友達がいなかったとかではなく、単純にバイトの休憩時間がひとりひとりバラバラだったので、必然的にひとりでご飯を食べる機会が多くて、よく休憩中に通っていたご飯屋さんが回転寿司だったんです。実家が富山なので回転寿司にはよく行っていたのですが、東京に来てからなかなかお寿司を食べる機会がなくて、なんかすごくお寿司に飢えてたんですよね。それで、どうしてもお寿司が食べたくて仕事着の執事服のまま近くの回転寿司に入りました。

 さすがに最初の頃はボクも服装が服装でしたし、ひとりだったので「なんかちょっと変に目立って恥ずかしいかな……」とか思っていたのですが、そこは秋葉原、同じような変わった服装の方や、外国のお客さんがめちゃくちゃ多くて、なぜかひとり飯なのに知らない人と会話しながら食べたりすることもあって……(笑い)。それがきっかけでどんなお店でもひとりご飯ができるようになりました。

 何よりひとりご飯の何がイイって、自分の好きなものを好きなだけ、なにも気にせず食べられるところですよね!! ボクは結構偏食だし、食事の量もめっちゃ食べるときもあれば全然食べられないときもあってバラバラだし……。焼き肉なんかはもう、ひたすらタンだけ食べたい日もあればホルモンだけ食べたい!みたいな日もあったり。自分の気分で好きなだけ、好きなように食べられる。そういう気楽さがイイのです。もちろん、誰かと一緒に食べるご飯も楽しいし、好きですけどね!

 ひとりカラオケなんかはもう、割と多くの方が経験済みというか、ひとりカラオケのためのカラオケ店もあったりするので、結構普通だと思うのですが……。ボクがひとりカラオケを好きな理由は、まずボクの歌う歌を知っている友人があまりいないという点。ボクは一緒に行く人が全然知らない歌を歌っていても気にしないのですが(むしろ良い歌を新しく知れたりしてうれしい)、相手がつまらない思いをしていたらいやだな~と思ってしまうからです。

 そして、同じ歌を練習目的で何度も歌ったりすることがあるのも理由のひとつです。特にライブ前なんかは練習のために何度も何度も同じ歌を歌うことが多いので、娯楽としてのカラオケより、仕事のためにカラオケを使う機会が増えているということなのでしょうか……。最近のカラオケボックスでは鏡張りの部屋があったり、マイクスタンドが借りられたり……。そのままカラオケボックスでダンス確認しながら、振り確認しながら歌えちゃう環境だったりするので、とても便利なんですよね(笑い)。

 そしてなによりやはりまたしても「気楽さ」がイイのです。音程を思いっきり外しても、あ~これ全然覚えてないけどサビだけ歌いたい気分だわ~とか、1番だけ歌いたいわ~とか……。誰の目も気にすることなく、自由に歌って、だらだらと楽しめるのがひとりカラオケの個人的な魅力だったりします。

 ボクの友人でカラオケに行っても一切歌わないで聴いてる友人がいて、「どうして歌わないの? カラオケ嫌い?」と聞いてみたところ「歌うのは嫌いじゃないけど音痴だし、自信ないから、人前じゃ歌えない」と言っていて……。しかもそういう人が1人だけじゃなくて数人いたんですね。ボクも昔は全然カラオケに行かなくて、人前で歌うのってなんか恥ずかしい……とか思ってた頃もあったので、歌うのが嫌いじゃないなら、ぜひともそういう方々にひとりカラオケはオススメしたいです! ひとりカラオケの気楽さと楽しさを一度体験してみてほしい(笑い)。


 その他、お洋服を買いに行ったり、映画に行ったりするのもひとりが多いボク。それも全部理由があるのですが、総じて「おひとり様」が基本になってしまった一番の理由は、「気軽に誘える友人が少ない」。これになってしまうのかもしれないです…(笑い)。

 地元にいた頃は仲が良く、気軽に遊びに誘える友人は結構いたのですが、上京してから、学生の頃こそそういった友人はいたものの、卒業してからは連絡すらあまり取らなくなってしまったので、気軽に遊びにいける友人がいないんですよね……。

 友人が少ないと言ってしまうと嘘になります。ボクはゲームが趣味なこともあって、女性より男性の友人の方が多いんですね。そして気を使わずに遊べる友人も圧倒的に男性の方が多い。でも少し面倒なことに、男性と遊んでいる場面を目撃されると、思わぬ勘違いを呼んでしまうのでは……とか、そのせいでなにか仕事や事務所に迷惑がかかってしまったら……と思うと、なかなか男性と2人で遊ぶというのは難しい気がしてしまいます(ボクが女じゃなければ、こうはならないんでしょうけどね……)。

 だから気軽に遊びに誘える友人はいるけど、気軽に遊べる「女の子」の友人はなかなか浮かんでこないのです。カナシイナァ……(笑い)。仕事でご一緒してから、ありがたいことに仲良くしてくださる方はいるのですが、どうしてもボクはネガティブな思考をしてしまう人間のようで、自分なんかと遊びたくないだろうなあとか、自分と話すの気まずくないかなぁとか考えてしまうのでなかなか自分から誘う、というのができないです。

 この考えを直さない限り、ボクはおひとり様常連なんだろうなぁ…(笑い)

 ◇プロフィル

 あおき・しき=1月14日生まれ。162センチ、AB型。「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役など。声優、タレントと多方面で活動中。ゲーマーとしても「魔王」の愛称を持つコアゲーマー。

アニメ 最新記事