岡田将生:来年30歳「仕事とプライベートうまく切り替えられるように」 インタビュー(下)

映画「伊藤くん A to E」に主演した岡田将生さん
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映画「伊藤くん A to E」に主演した岡田将生さん

 俳優の岡田将生さんが女優の木村文乃さんとダブル出演した映画「伊藤くん A to E」(廣木隆一監督)が全国で公開中だ。岡田さんは5人の女性を振り回す自意識過剰で無神経な“痛男(いたお)”の伊藤誠二郎を“怪演”している。岡田さんに今作の見どころ、20代最後の年を迎えて今年の抱負や今後の展望などについて聞いた。

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 ◇ゆとり世代と悟り世代にぜひ見てほしい

 「伊藤くん A to E」は、柚木麻子さんの同名小説(幻冬舎)が原作。落ち目のアラサー脚本家・莉桜(木村さん)が「伊藤」という同じ名前の男性について悩む4人の女性(【A】~【D】)から恋愛相談を受けながら、ドラマプロデューサーにたきつけられて起死回生の脚本のネタにしようとたくらむ。4人の女性が語る「伊藤」は同一人物かもしれないと手応えを感じ始めた矢先、莉桜の思惑は打ち砕かれる……というストーリー。2017年8月からドラマがMBS・TBSなどで放送され、4人の女性と伊藤くんとの恋愛模様が描かれた。映画はドラマでラストまで登場しなかった伊藤くんが姿を現し5人の女性を翻弄(ほんろう)する。

 決して人に好かれるタイプではない伊藤くんのキャラクター。岡田さんが取材などで出会った人たちの反応は「伊藤くんが好きなのか嫌いなのか皆さんの顔を見ると、だいたい嫌い。でも、それは『ラッキー』と思う(笑い)。男の人は『いい』と言ってくれるんですよ。男女で感想が分かれる。だから女性にもちろん見てもらいたいと思うんですけど、男性の方でも案外楽しめる作品なんだなと知りました」と話す。

 さらに「(伊藤くんと同じ)『ゆとり世代』とか、そのあとの『悟り世代』の人に見てほしいなと。女性も男性も結構楽しめます」とアピールする。

 ◇今だから「この役をやるべきだ」

 来年30歳になる岡田さん。俳優として今後、さらに高みを目指していきたいという。そのために「いろんなことを取り入れようとも思うし、常にこれまでやってないことをやろうと。あまり守りに入らず、いろんな作品に出たいし、映像だけではなく舞台もやりたい。いろんな知識を入れて、いろんなことにチャレンジしていこうと」と前向きだ。

 今回の役に関しても「僕にとって、結構チャレンジ。何年か前だったら僕にはこの役できなかった。今だからできたし、今だからやろうと思った。台本をいただいたときに、感覚的に、『この役をやるべきだ』と。迷うときは迷うんですが、今回はすぐにやろうという感じになった。そういう大事なときってあまり迷わないんですね」ときっぱり。

 「失敗しても、俺の直感間違っていたとか思わない。そこで絶対に後悔はしないというとうそになるけれど、後悔しないようにしています。俺は間違っていなかったんだと思うようにして生きていった方が、後悔しない人生になるのかなと」と言い、「小説とかもそうですよね。『これだ!』と思って読んで楽しかったら『やった』と思うし。そういう運命的なものを常に感じていたいのかもしれない。今回も運命的なものを感じました」と目を輝かせていた。

 ◇20代の10年間をうまくまとめられる年に

 さて、そんな岡田さんの2018年の抱負は?「正直、仕事で1年考えて終わることが多いので、今年は仕事は仕事、プライベートはプライベートで、とちょっと分けて考えられるようになりたいなと思っています」という。

 具体的には「プライベートのときも仕事のことをずっと考えたりして、それで頭が疲れているときがあったりするので、そういうのを抜きで、ちゃんとうまく切り替えができるような年にしたいなと思っています」と30代に向けて、“切り替え”のできる男になりたいという目標を掲げた。

 岡田さんは30代になったときのことを「あんまり考えてないんです。2018年次第で変わってくるだろうし、そういう意味で今年は重要な年になるんだろうなと。29歳なので。30歳になるまでの20代の10年間をうまくまとめられたらいいなあというのがあります」と力を込めた。

 ◇「キングダム」は胸アツ

 岡田さんが最近で一番夢中になったポップカルチャー(マンガ、アニメ、ゲームなど)は「(マンガの)『キングダム』ですね。胸が熱くなる」という。好きなキャラクターは「やっぱりシンですよ。あの人はどんどん成長している姿しかり、強くなっていく。ちゃんとあの時代に生きていた人たちの精神を受けついでいる感じが、読んでいてすごく伝わってくる。あんなに胸が熱くなるマンガはないんじゃないかなと思うくらい」と熱く語った。

 見た目のクールな印象とは異なり中身は熱い男、岡田さんの今後の活躍に注目だ。

 <プロフィル>

おかだ・まさき 1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年に俳優デビュー。主な映画出演作に「アヒルと鴨のコインロッカー」「天然コケッコー」(共に07年)、「重力ピエロ」(09年)、「プリンセス トヨトミ」「アントキノイノチ」(共に11年)、「宇宙兄弟」「ひみつのアッコちゃん」(共に12年)、「映画 ST 赤と白の捜査ファイル」(15年)、「秘密 THE TOP SECRET」(16年)、「銀魂」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」(共に17年)などがある。木村文乃さんとダブル主演した映画「伊藤くん A to E」は全国で公開中。

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