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岡田将生:女優陣から「気持ち悪い」といわれても「伊藤くんは純粋な人」 インタビュー(上)

映画 テレビ
映画「伊藤くん A to E」について語った岡田将生さん

 俳優の岡田将生さんが女優の木村文乃さんとダブル出演した映画「伊藤くん A to E」(廣木隆一監督)が全国で公開中だ。岡田さんは5人の女性を振り回す自意識過剰で無神経な“痛男(いたお)”の伊藤誠二郎を“怪演”している。岡田さんに今作の撮影の裏話や個性的な役柄について聞いた。

 ◇伊藤くんは「発信していく人」

 「伊藤くん A to E」は、柚木麻子さんの同名小説(幻冬舎)が原作。落ち目のアラサー脚本家・莉桜(木村さん)が「伊藤」という同じ名前の男性について悩む4人の女性(【A】~【D】)から恋愛相談を受けながら、ドラマプロデューサーにたきつけられて起死回生の脚本のネタにしようとたくらむ。4人の女性が語る「伊藤」は同一人物かもしれないと手応えを感じ始めた矢先、莉桜の思惑は打ち砕かれる……というストーリー。2017年8月からドラマがMBS・TBSなどで放送され、4人の女性と伊藤くんとの恋愛模様が描かれた。映画はドラマでラストまで登場しなかった伊藤くんが姿を現し5人の女性を翻弄(ほんろう)する。

 岡田さんは、今回演じた“痛男”の伊藤くんについて、ある意味「愛着が湧いた」という。「今って縛られて生きていく社会なのかなと思うんですが、伊藤くんはそういうのがない人なので、ちょっとうらやましいというのと、こんな生き方ができたら楽しいんだろうなと思いました。みんな『違う』と言うんですけど、僕にとって伊藤くんは純粋な人という印象を持った。そのときからこの役をやってよかったなと思う瞬間が多々ありました。自意識過剰でダメダメなんだけど、こういう考え方を持っている人って世の中に多分いると思うし、発信していく人だと思う。だからいいなあと思ったんですね」と語る。

 岡田さん自身は「どちらかというと発信するのが苦手で、学生時代も授業中に手も挙げられないタイプで、だから伊藤くんと同じ部分は全くないですね」と自身の中にはないキャラクターだったという。

 ◇長回し撮影で集中 終わった後は「おいしいお酒が飲める」

 演じるにあたっては「こういう役は現場に入って1回目のリハーサルが一番緊張するんですよ、自分がこうやりたいなというのと監督の演出も含めて、最初は緊張の中でもワクワクしながら、(監督の思惑と)一致する瞬間が訪れたとき、こういう役だからこそ、普通の今までやってきた役とは違う快感があるというか……」と新たな体験をした。

 監督の考えと一致したときは「監督が笑っていると、ああよかったと思うし、やっぱり合っていたんだな、僕もそうやりたかったと。『違うよ』と言われたときももちろんあるんですが、長回しで撮影しているときにずっと集中できて、その場にいられたりすると、夜はおいしいお酒が飲めますね(笑い)」とうれしそうに語る。

 今回の現場は「自分でやっていても伊藤くんは、何をやっているんだろうという瞬間が多々あったんですけど、廣木組っていうのもあって、監督の現場がすごくすてきで、そういうところにやりがいを感じたのかな」と分析する。撮影が終わったときは「やっと終わったと思った。この現場は好きだったけれど、早く離れたかったのかな(笑い)。最後の最後までこの役を100%の理解はしていないから、完成した作品を見るのが本当に楽しみでした」と充実した表情を見せる。

 ◇映画を通して「女性は尊いと思う」

 岡田さんは、伊藤くんと5人の女性たちとの関わりを「(出会いは)必然的な人と偶然の人がいるだろうし」と捉え、「見た人によって、伊藤くんはどこからどう考えていたんだろうとか、この人には本気だったのかなと(探りながら)演じていった」と明かす。

 伊藤くんが翻弄した5人の女性の中で一番好きだった女性は「それはやっぱり(伊藤くんがストーカーした野瀬)修子じゃないかな。ストーカーしているのは、好きじゃなきゃできないし、多分、修子と同じこと、同じものを目指していることによって、伊藤くんの中で何か共感する部分が大きかったんじゃないかな」と分析する。ちなみに岡田さん自身はどの女性が一番気になるかと聞くと「特に……いないです」とぽつり。

 それもそのはず、カットがかかって、女優陣から「気持ち悪い」と普段岡田さんにとってはあまり聞かない言葉を浴びせられたという。「僕個人の意見なんですが、男性って直接的な意見ってあまり言わない気がするんですよ。回りくどいというか。女性の方がスパッと言う。それは撮影中、よく感じました。劇中でもそうですし、カットかかってから皆さんが話す言葉は、素直に(伊藤くんが)気持ち悪いと思ったから言ったんだろうなと考えたら、褒め言葉だから気にせずにやっていこうと」とある意味開き直ったという。「映画を通してもそうですけれど、女性は尊いなと思いました」と尊敬のまなざしすら向ける。

 ◇前向きで希望が見えるラストを主題歌が後押し

 岡田さんは、ロックバンド「androp」の主題歌「Joker」について「本当にこの作品にぴったりだなと思いました。サビの『もがいてもがいて』という部分がこの作品の感じに合っているし、この映画は本当にもがいている女性たちの話に、何ももがいていない伊藤くんが現れることによって、女性の運命を左右していくというのがポイントなので、本当にぴったりな楽曲で。僕が一番手(主演)でやらせてもらっている作品の主題歌ってうれしいんですよ。大切なものになるので」と喜ぶ。
 「この映画って最後、ドロッと終わるわけではなくて、女性たちが少し前向きになる、少し希望も見えたりする中で、曲の疾走感も含めて気持ちよく映画館から出させてくれるようなメロディーで、すごくいいなと思いました」と曲について絶賛する。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

おかだ・まさき 1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年に俳優デビュー。主な映画出演作に「アヒルと鴨のコインロッカー」「天然コケッコー」(共に07年)、「重力ピエロ」(09年)、「プリンセス トヨトミ」「アントキノイノチ」(共に11年)、「宇宙兄弟」「ひみつのアッコちゃん」(共に12年)、「映画 ST 赤と白の捜査ファイル」(15年)、「秘密 THE TOP SECRET」(16年)、「銀魂」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」(共に17年)などがある。木村文乃さんとダブル主演した映画「伊藤くん A to E」は全国で公開中。

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